表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

493/1372

25-2.二日目:年少組

 二日目はセレネの教会に遊びに行くことになった。

遊びにと言うか、冷やかしだ。

サプライズだ。



「何してるの?」


 あっという間に見つかって逆に驚かされてしまった。



「セレ姉。遊びに来た」


「こんな所来たって楽しくないわよ?」


「そうね。正直もう飽きてきたわ」


「アリアはぶっちゃけ過ぎよ。

 まだ来たばかりじゃない」


「ルネルいる?」


「ごめんね。リヴィ。

 ルネルはいないのよ。

 今日はセレネに会いに来たの」


「そっか~」


「今度ルネルにも遊びに来てもらえないか頼んで見るからね」


「ほんと!やった!」


 リヴィ可愛い。

すっかりおばあちゃん子だ。


「何?挑発しに来たの?」


「冷やかしに来ただけよ」


「同じじゃない」


「アリアが普段何してるのか見てみたいって言うから」


「当のアリアがもう飽きてるじゃない。

 帰りなさいよ」


「そうね。セレネにも会えたしね」


「キスでもしていく?」


「ダメに決まってるでしょ。

 教会で聖女に手を出せるわけ無いじゃない」


「ここの私の部屋でも毎日してくるくせに」


「これからはアウラがいるからその機会も無くなってしまうわね。

 残念だわ」


「カノンに付いていたいから、アウラをくれたのでしょう?

 アルカが意地悪する分はアウラに慰めてもらうわ」


 私は他人の意識が向いて無い事を確認してセレネにキスをする。



『こんな時に挑発しないでよ。

 今日はアリア達の為に使うのよ』


『ならもっと頑張りなさい。

 これくらい我慢できないなんてダメよ』


『セレネは私の一番大切な人よ。

 アウラにだってあげないわ』


『その気持は信じてあげる。

 けれどもう行きなさい。

 ルカが怒っているわ』


『セレネのせいよ』


『はいはい』


 仕方ないって感じの笑みを浮かべて去っていくセレネ。


 私はルカを抱き上げて歩き出す。

声を掛けるとアリアとリヴィもちゃんと付いてきた。


 念の為、物陰に隠れて次の目的地に転移する。

アリア、ルカ、リヴィの行きたい所を順繰り回っていく。

結局、ギルドにも来ることになった。

アリアは真新しい冒険者カードを手にして飛び跳ねている。

アリア可愛い。


 そのままの流れで軽い依頼を一つ受けることになってしまった。

アリアは押しが強い。

ノアちゃんといい、何でこんな事に興味を持つのだろうか。


 今回は流石にルカとリヴィは幼すぎて冒険者登録は出来なかったが、アリアに付き添って私達も付いていく。

ルカはともかく、リヴィは興味があるようだ。

アリアの直ぐ側を飛んでいる。

私は更にその後ろをルカを抱いて付いていく。


 アリアはどうやらノアちゃんから色々聞いていたようで、大して迷わずに進んでいく。

そういえば、依頼選びも殆ど迷わなかった。

初めての事でも物怖じしないし何でも要領良くこなす子だ。

精々失敗しても、たまに調子に乗り過ぎる程度だ。


 だからこそ、家族の中では一番不安になる。

ニクスが言うには、アリアはどうやっても最終的には上手くいくような幸運体質らしい。

けれど、その代わりに何らかの役割を担うことになるんじゃないかと言う。

今のところそれが何かはわからないけれど、何が来ようとも私が一緒に役目を果たすとしよう。

アリアの為なら何でもしよう。



『ならぼうけんしゃ』

『もっとまじめに』

『やれば?』


 それは良いの~

アリア自身がやってみたいだけなのに、私が手を出すなんて無粋よ。



『そう』


「アルカ」


「どうしたの、ルカ?」


「退屈」


「きっともうすぐ終わるわ。

 アリアはとっても手際が良いもの」


「チューして」


 私はルカにキスをする。



「はい。おしまい。

 昨日たっぷりしたでしょ。

 外では我慢しましょうね~」


「けち。セレ姉にもしたくせに」


「そんな事言っていると降ろしてしまうわよ~」


「うそ。アルカ優しい。大好き」


「ふふ。調子の良いこと言って」


「こらー!二人とも!

 またイチャイチャしてるわね!

 ちゃんと集中して!」


「こらー!」


 アリアのマネをしてから、クスクスと笑うリヴィ。

可愛い。



「「は~い」」


 予想通り、アリアはそれからすぐに依頼を達成して帰還した。

この子、もう一人でも行きていけるんじゃないかしら。

一人で寝れない寂しがりやだから無理か。


 冒険者体験の後も色々遊び回ってから、その日もホテルに戻ってきた。


 今日はリヴィを抱き締めて、ベットに腰掛ける。

アリアとルカは私の横に座って寄りかかっている。



「明日は行くところがあるからね~

 楽しみにしていてね~」


「明日で終わりだものね!

 きっとなにか準備してくれているのよね!」


「ええ。そんなところよ」


「もう終わっちゃうの……」


「また来ましょうね~」


「うん」


「リヴィもいく」


「もちろん!

 これからもいっぱいデートしましょうね~」


「「「うん!」」」


「ところでリヴィ、少し大きくなった?

 成長を制御しているの?」


「?

 なにもしてないよ?」


「そういえばいつの間にか、舌足らずさも無くなってきたわね。

 リヴィは全然成長しないのかと思ったけど、そんな事無かったのね。

 少し安心したわ」


「アルカうれしい?

 リヴィせいちょう」


「うん!そうよ!嬉しいの!

 リヴィが成長したら出来ることも増えていくからね。

 いつかは契約もしようね~」


「うん!する!はやくおおきくなる!」


「ふふ。楽しみね。

 他にもね……」


 私達はリヴィやアリア、ルカが大きくなたら、こんな事をしよう、あんな事をしようと笑い合う。

そうして、二日目の夜が過ぎていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ