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25-1.一日目:年少組

 私はアリア、ルカ、リヴィを連れてとある国の王都を訪れた。

今日は年少組とのデートだ。

勿論、アリア達の国ではない。

都会での観光なんて、アリアとルカにはもう珍しくも無いかもしれないとも思ったのだけれど、この子達は孤児かお姫様という、極端な状況でしか生活したことがないはずだ。

少なくとも記憶にある限りは。

なので、今日から三日間のデートの間、普通の人の感覚で観光する事にした。


 幸い、私の提案に二つ返事で承諾してくれた。

そもそもこの子達は、私がこの子達の為に考えた事に否と言うことはないのだろう。

全員優しくて良い子だもの。

良し悪しはともかく、私の気持ちは察してくれる。

それくらいには、私達はわかりあえていると思う。


 全員を連れて王都を練り歩き、買い物と観光を続ける。

夜だけはあえて高級ホテルに泊まって、人目も憚らず大騒ぎしながらひたすら三人と遊び倒した。



「アルカ!冒険者になってみたいわ!」


 ベットの上で飛び跳ねながら叫びだすアリア。



「え~」


 私の腕の中で不満の声をあげるルカ。



「リヴィもなる!」


 私の肩に寄りかかっていたリヴィ。



「ルカだけ反対のようね~

 さて、どうしましょう~」


「真面目に考えて!」


「考えてるよ~」


 私はルカを抱きしめる腕に力を込めて、肩に顎を乗せる。

ルカ可愛いな~

このまま抱き締めて眠りたいな~



「アルカ~」


「ルカ~」


「二人の世界に入ってないでアリアの相手もしてよ!」


「アリアも抱っこしてあげようか?」


「い~や~ぁ~!離さないで!このまま!」


「ルカ~!可愛い!大好き!もう離したくない!」


「ふふ~」


「いいなぁ~リヴィもぎゅしてほしいな~」


「そうだわ!リヴィ!

 大人モードになって、ルカごと私を抱き締めて!

 ルカをサンドイッチしてあげましょう!」


「うん」


「ルカだけズルい!アリアも!」


「アリアもおいで~」


「うん!」


 暫く四人で抱き合っていた。


 リヴィが寝落ちした所で我に返るアリア。



「って!違うわ!冒険者よ!」


「せっかくのお休みなのにお仕事しなくても良いじゃない」


「アルカ何でもするって言ったのに!」


「今度、アリアとリヴィだけで連れてきてあげるわ~

 ルカも乗り気ではないのだし、明日も遊びましょうよ~」


「ほんと!?」


「ルカは?」


「じゃあね~ルカはね~

 一日中こうやってぎゅってしてあげるわ~」


「楽しみ~」


「もう!本当に可愛いわね~!

 ルカ~!愛してるわ~!」


「ルカも。アルカ大好き」


「ルカ~!」


「アルカ~!」


「もう!お終い!

 それじゃあ家にいる時と変わらないわ!

 せっかくお泊りしてるんだから他の事もしましょうよ!」


「じゃあ何がしたいの?

 今日はもう寝るだけじゃない。

 それにしても、このふかふかベット凄いわね~

 何処に行ったら買えるのかしら。

 明日探してみましょうか」


「それこそ今度にしてよ!

 明日も遊ぶんでしょ!」


「そうね~

 また今度にするわ~」


「アリアもまた抱き締めて。

 後ろからぎゅってして」


 私にコアラのように抱きついたまま、アリアにも要求するルカ。



「ルカ甘えすぎ!

 アルカの事独り占めしすぎよ!」


「仕方ない」


 ルカは私の腕の中から立ち上がる。

私は思わず引き留めようとしてしまう。



「あ!ルカ!」


「大丈夫」


 ルカは私達に向かうようにして座っていたアリアを立たせて反対に向けて後ろから抱きつくと、背中から私に倒れ込んできた。

私はルカの後ろから、アリアごと二人を抱き締め直す。



「幸せ~」


 アリアをしっかりと抱きしめてアリアの肩に顎を乗せるようにしたルカが、私とアリアに挟まれて蕩けた声をあげる。



「これじゃあ、アルカの顔が見えないわ!」


 不満気な声を上げながらも動こうとはしないアリア。

何だかんだルカには甘い。



「アリア~こっち向いて~」


 ルカに呼ばれてアリアが振り向くと、ルカはアリアの頬にキスし始めた。



「もう。ルカったら。

 それじゃあいつもと変わらないじゃない。

 折角アルカもいるのに」


「……うん?

 いつも二人でキスしてるの?」


「「うん。リヴィも一緒に三人で」」


「……やっぱり教育に悪いわね。

 それはそれとして、三人とも私のものなんだからやりすぎてはダメよ」


『アルカ』

『すてい』


 我慢しきれずにツッコミを入れるハルちゃん。

今日は気を使って何も言わないつもりだったようだけど、流石に私の言動が酷すぎて口を挟みたくなったようだ。


『あるじ!自覚があるのならもう良いでしょ!

 私も加えてよ!』


 ラピスすてい。



「そう言うならアルカがしてよ。

 早くしないと全部アリアと済ませちゃうからね」


「ルカ?誰からそんな事教わったの?」


「セレ姉」


「セレネは後でお仕置きね」


「アルカもノアお姉ちゃんにお仕置きしてもらいましょう。

 ルカとイチャイチャしてばっかりだったって」


「アリア。ちょっとこっち来なさい」


 私はアリアを立たせて側に寄せると、唇を奪って寝落ちするまでイジメ続けた。


「次はルカの番」


「もう寝ない?」


「リヴィもいる」


「起きちゃったの?

 というか見てたの?」


「アルカ油断しすぎ。

 本当にノア姉に怒られるよ」

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