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3-15.家族会議

「第一回、家族会議を開催します!!」


「議題はグリア教授の受け入れ可否について!」


「は~い!」「はい・・・」


セレネは元気いっぱいだな。

ノアちゃんは明らかに嫌そうだ。


「意見のある子は挙手をお願いします!」


私も変なノリになってる自覚はある。


「はい!」


「じゃあ、元気いっぱいのセレネどうぞ!」


「賛成に一票!」


「理由は?」


「教授良い人だよ?」


「はい!」


「ノアちゃんどうぞ!」


「反対に一票です!

私の家族はアルカとセレネの二人だけです!

他の人に入られるのは嫌です!」


ノアちゃん素直にぶちまけたな。

まあ、ここは自宅だし誰が聞いてるわけでもないけど。

ここまであからさまに嫌悪感を示すのは初めてだ。



「はい!」


「セレネどうぞ。」


「私もノアとアルカが大好き!

大切な家族だと思ってる!」


以上のようだ。

セレネ可愛い。

けどそれじゃあ会議が進まんのよ。


「セレネはノアちゃんの意見についてはどう思う?」


「う~ん。気持ちはとってもわかる。

私もいつまでもアルカとノアと三人だけでいたい。

けど、今は皆頑張ってる。やれることはやるべきだと思う」




予想外のちゃんとした答えが返ってきた。


セレネもいっぱい頑張ってるもんね。

そうだよね。のんびりしているように見えたって

真剣に悩んできたんだもんね。

元々自分のせいでって気持ちも強いんだろうし。



「ノアちゃん。セレネの意見に何かありますか?」


「・・・私がもっと頑張るからダメ?」


ノアちゃんズルい!

ここでまさかの上目遣い!

これは私に効果抜群だ!

口調まで変えてるのもポイント高いぜ!


まあ、それだけ嫌なのは本当なのだろう。

気持ちはわかる。とってもわかる。

けど、ここで同意してはいけない。

私は平等に判断しなきゃ。

セレネの頑張りを見てみぬ振りは出来ない。



「ノアちゃん。」


私はノアちゃんの名前をもう一度呼ぶ。


「嫌です!」



ノアちゃんは逃げ出した。


やらかした。

ノアちゃんの気持ちはわかっていたのに。




「セレネ。少しノアちゃんと話をしてくるから、

決定は待ってもらっても良い?」


「うん。ノアをお願い」


「ありがとう。セレネ大好きよ」


私は寂しそうに微笑むセレネを抱きしめてから、

ノアちゃんを探しに向かう。






「ノアちゃん隣良い?」


ノアちゃんは屋根の上に座っていた。


「うん。」


「ごめんね。無理やりだったよね」


「ううん。こっちこそごめんなさい。逃げ出して。」


「良いの。ノアちゃんの気持ちはわかってたのだから。」


「セレネが言っている事は正しいと思います。

でも、どうしても嫌だったの。」


「そうね。本当は私も同じ気持ちなの。

別にグリア教授の事が嫌いなわけじゃなくてね。」


「あと、セレネには内緒にしてほしいのだけど、

本当はセレネが一緒に住む事にも最初は抵抗があったの。

今はそんな事思ってないし、もうこの事は口にしたくはないけれど。」


「え!?」


「私もね、今のノアちゃんと同じ様に悩んだの。

セレネが来て、ノアちゃんとの二人きりの生活が

終わっちゃうって思ったら寂しくてたまらなくて。」


「そう・・だったの」


「だけど、今はセレネと一緒に暮らせて良かったと思ってる。

ノアちゃんが一緒に住むって言ってくれたおかげでね。

あの時、セレネを教会に置いていったりしなくて本当に良かった。

ノアちゃん。ありがとう。」


「当然、セレネとグリア教授は何もかも違うから、

無理に家族だと思う必要はないのよ?

あの人はもう大人なのだからセレネと同じように扱う必要はないの。

お客さんだと思えば良い。」


「それでももし、これから家族みたいに

仲良くなったらその時はそう思えばいいし。」


「でもね、ノアちゃんがどうしても

嫌だったらちゃんと断わるから。

セレネの頑張りに報いる方法は

他のことで考えましょう?一緒にね。」


「じゃあ、私は行くから。

明日また改めて話しましょう。」




私はノアちゃんを残して

その場を後にした。

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