24-20.性的倒錯
ノアちゃんとセレネは部屋に戻っていった。
私、ニクス、ハルちゃん、ラピス、ルチア、アウラの六人が私の部屋に残った。
「ルチア、アウラ、改めてよろしくね。
これから私とも契約を結んでもらうけれど良いかしら」
「「うん。良い」」
『この子達従順すぎない?
ハルちゃん何かした?』
『……うん』
『解除できるの?』
『むり』
『しょきせってい』
『そっか……
まあ、仕方ないわ。
契約お願いね』
『しょうち』
いつも通りの手順でルチア&アウラとも契約を済ませる。
実際にはいつもとちょっと違うらしい。
契約魔術自体はハルちゃん任せなので私は知らないけど。
「「アルカ!凄い!なにこれ!」」
ルチアとアウラは自分達の変化に大興奮だ。
ハルちゃんは今のハルちゃんベースで作ったとは言ったけれど、ルチアとアウラは契約するまで神力を持たなかった。
それに、存在もやはり変わっている。
今は別の存在になったが、契約前は確かに吸血鬼だった。
ダンジョンコアにも出来ることに制限があるのだろう。
「いい加減、ハル達のこの状態にも名前を付けたいね。
血を吸う必要も無いのに、吸血鬼って呼び続けるのも変な話だし」
「それこそ、ニクスが名前つけたら?
神様が名付ければ新しい種族として確立できるんじゃない?」
「別にそんな権限は無いんだけど。
まあ、言いたいことはわかるよ」
「ハルたち」
「もどる」
「あとよろしく」
「いいなまえ」
「きたい」
「は~い」
私の中に入るハルちゃんとルチア&アウラ。
「あれ?ラピスは?」
「あるじと一緒にいるわ!」
「そっか~
ニクス。
残念だけど今日は何もせずに大人しく寝ましょうね」
「それより、名前考えるんじゃなかったの?」
「まあ、うん。
お姉ちゃんも呼ぼうかしら。
なんか良い案出してくれるかも」
「ルチアとアウラの件を説明出来るなら良いんじゃない?」
「……明日、ノアちゃん達と一緒に説明しましょう」
「日和ったね?」
「ともかく、ハルちゃんズの変わりと、種族名ね。
一緒に考えましょうニクス」
「まあ、良いけど。
どうせ今日はもう寝ないつもりだし」
「ハルちゃんの見張り?
じゃあ、私も付き合うわ」
「寝てて良いよ。明日も忙しいんでしょ?」
「なら、我慢できなければ寝てしまうことにするわね」
「まあ、良いけど。
無理しないでね」
「うん。来てニクス」
私は隣に座っていたニクスを膝に乗せる。
「あるじ~」
私の背中に張りつくラピス。
「中に戻ったら?」
「いじわる」
「ラピスは隣りに座ったら?
片手なら貸してあげるわ」
「不公平だわ!」
「娘なのに無理やり迫ってくるラピスと、恋人のニクスが同じなわけ無いじゃない」
「昨日はあんなに愛してくれたのに!」
「残念だけど覚えてないわ」
「アルカ、それは最低だよ」
「仕方ないのよ。私だって、これ以上増やすわけにはいかないって思ってるんだから」
「でも手を出したんでしょ?」
「さあ?」
「ひどすぎる!!」
「正直、それは私も引くよ」
「あるじはラピスの事嫌いなの?」
「そんなわけ無いじゃない。
ラピスの事だって大好きよ」
「うわぁー」
「ひぐっ」
「ラピス!?どうしたの!?
何で泣き出したの!?」
「「何でわからないの?」」
「ええぇ……」
「私は良いから、ラピスを抱いてあげて」
私の膝からどいて横に座るニクス。
私は涙目のラピスを膝に乗せて抱きしめる。
「ラピス~
ほら泣き止んで~
ラピスも一緒にお話しましょうね~」
「ひっぐ、えっぐ」
「大丈夫よ~
ラピスが泣き止むまでこうして抱き締めてあげるからね」
「ぐすっ」
暫くラピスを抱き締めて撫でていると、ラピスは眠ってしまった。
「まるで人間の子供ね」
「そりゃそうでしょ。
精神年齢は赤ん坊と大差ないんだよ?」
「その割には恋人になりたいなんて言って迫ってきてるわよ?」
「それはアルカのせいでしょ?」
「そんなこと……
いえ、そうね。
なら、どうにかしなきゃね」
「頑張って」
「うん」
「フィリアスはどう?」
「名前?どういう意味?」
「娘達」
「ハルちゃんズの変わり?
うん。良さそうね」
「種族名も一緒でいいんじゃない?」
「そっちはニクスが良いなら何でも良いのだけど。
まあ、わかりやすいし私も賛成だわ」
「そう?なら良かった」




