24-16.休日
私は朝食を済ませた後、ニクスを連れて部屋に戻る。
ノアちゃんは慰めてくれると言っていたけど、これから家事と訓練だ。
ちなみに私も手伝おうとしたけれど、いらないと言われてしまった。
「ニクス~
なんだか久しぶりだわ~」
私はニクスを膝に乗せて後ろから抱きしめる。
「次から次へと新しい女の子を連れ込むからだよ。
あんなに私と一緒にいてくれるって言ったのに」
「悪かったわ。だからこうして一緒にいるじゃない」
「ラピスとハルも一緒だけどね!」
ニクスの言う通り、私の両隣にはハルちゃんとラピスが寄り添っている。
「そうね~困ったわね~
今日はニクスの番なのだけどね~」
「全然困ってないじゃん!嬉しそうじゃん!」
「一応中に戻るようにお願いはしたんだけどね~
一緒に居たいって言われたらね~」
「もう!」
「ニクス~ニクス~」
「今日はこのまま過ごすの?」
「どうしましょうかね~
私はのんびりしたい気分なのだけど」
「ラピス達の買い物には行かないの?」
「う~ん。確かに必要なのよね。
でもニクスとのイチャイチャも捨てがたいしな~」
「私は一緒に居てくれればそれで良いから。
というか、今日はもう激しいのはいやだよ。
セレネは加減してくれないんだもん」
「それを聞いたら対抗心が燃えてくるわね」
「ダメだってば!」
「仕方ないわ。なら今日はニクスのしたい事をしましょう」
「ありがとう。アルカ。大好き」
「ニクスは私をどうしたいの?
そんな事言われたら押し倒してしまうわよ?」
「今日は無し!」
「愛してるわ。ニクス。
今日はキスだけね」
「えへへ」
「ラピスは?」
「好きよラピス。娘としてね」
「えへへ~
もう~照れちゃって~
昨晩はあんなに激しく愛してくれたのに~」
ごめん。それ覚えてないのよ。
多分覚えてたら、ラピスを愛してしまうと思ったのね。
流石に記憶消すのは自分でもどうかと思うけど……
「勿論ハルちゃんも愛してるわ」
「ふへ」
「アルカもっと言って~」
「あるじ~」
「アルカ」
「すき」
甘えてくれる三人に囲まれて暫く至福の時間を過ごした。
昼過ぎになって、ノアちゃんとニクスとハルちゃんズを連れて買い出しに出る。
やっぱり家でゴロゴロしていようかと思っていたのだけど、ノアちゃんが買い出しに出たいと言ったのだ。
ハルちゃんズの生活用品だけでなく、食料や調味料、その他消耗品等も補充したいそうだ。
何時もの買い出し日はまだだけど、人数が増えたので予定を早める事になった。
「お休み中の所すみません」
「ううん。
ラピス達のものも揃えなきゃだったし問題ないわ。
さあ、行きましょう」
「はい!」
最初にノアちゃんの指示で買い出しを済ませていく。
そろそろ、食事当番だけでもどうにかならないだろうか。
当のノアちゃんが他の人に任せるのを嫌がるとは言え、限度があるだろう。
十五人もの生活を支え続けるなんて生半可な事じゃない。
その上ノアちゃんは転移どころか、魔法も使えないのだ。
どうにかならないだろうか。
『かんがえがある』
『きょかほしい』
『了承!ノアちゃんの助けになるなら何でも認めるわ!』
『がってん』
『こんばん』
『よういできる』
『それは良いわね!
どんな方法なの?』
『ないしょ』
『おたのしみ』
『わかったわ!ありがとうハルちゃん!』
『ふへ』
思えば、この時にちゃんと話を聞いておくべきだった。
その後、ハルちゃんは夜になるまで一言も喋らず、準備を続けているようだった。
ノアちゃんの買い出しが終わった後は、いつも通りに生活用品等を買い集めていく。
爺さんにはまた増やしたのかと呆れられた。
明日からの改築の件を改めてお願いしてから、私達は家に戻る。
今日は服の購入は止めておいた。
ハルちゃんも結局、元の黒いドレス以外着ようとはしない。
どうやら、魔力で作っているものらしく、そもそも汚れたりもしないし、仮に損傷してもすぐに直るのだ。
ハルちゃんズは全員そうらしい。
まあ、そもそも魔物だしね。
無理強いはすまい。
たまに夜に来てくれれば十分だ。
というか、自分で作ればコスプレもノリノリだったし。
人間の何の効果もない服なんて、返って不安になるのかもしれない。
一通りの買い物を済ませて、食事や眠る支度を済ませた所で、ついにハルちゃんが口を開いた。
『できた』
『ノアとセレネよんで』
何でセレネも?




