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24-12.帰還

 終わった~!!!!!

いや、こんな風に喜んじゃダメだ。

沢山の人が私達の婚約を祝福してくれたのだ。

いくら人前にいるのが苦手だからって失礼すぎる。


 私とレーネはお互いの家族と共に、何時も王様と面会している部屋に集まった。

人間の城なら謁見の間にあたるこの部屋は、人間の国とは違い、広いだけで質素な空間だ。

王様の居る場所が高くなっていたりすらもしない。


 数日間に渡る式典の全日程が終わり、お互いの家族だけで最後の親睦会兼送別会のようなものが始まった。


 とはいえ、レーネは完全にこの国と縁が無くなるわけでない。

どころか、当面はレーネの部屋もそのままだし、レーネが望むのなら何時でも転移で連れて来るつもりだ。

ラピスでも貸し出しておけば、例え私が側に居れなくても何時でも帰ってこれるし。


 それに、私にはこの国を守護する役目もある。

レーネの憂いを無くす為の口実とはいえ、違えるつもりはない。

定期的に様子を見るつもりだ。

地下の町といい、こうして関わる人々が増えていくのだろう。



『セーレの成長も楽しみだものね!』


『ラピスはセーレが気に入ったの?』


『だって可愛いんだもの!』


『ラピスも可愛いわ』


『うふふ!抱き締めても良いのよ?』


『もう少しだけ我慢していてね。

 家に帰ったら相手してあげるわ』


『約束よ!今晩は寝かさないわ!』


『そういう意味じゃないわよ!

 ラピス。悪いけれど、私達はそういう関係ではないの。

 ハルちゃんのせいでその手の事に興味津々なのはわかるけれど、応えるわけにはいかないの』


『わかってるわ!

 先ずは、あるじを口説けばいいのでしょう?』


『今晩までに落とすつもりなの?』


『たやすいわ!』


『随分と甘く見られたものね!』


『せいとうなひょうか』


『ハルちゃん。娘共々お仕置きしてあげるわ』


『最初は一人が良いわ!

 でもあるじがどうしてもって言うならママと一緒でも良いわ!』


『いきなりマニアック』


『…………たのしみ』


 誰か増えてない?

というか、お仕置きって言ってるでしょ!

どうしてそっちに結びつけるの!?


『さいごそうなる』

『いつものこと』


『お仕置きとして今晩から暫くは別の部屋で寝ましょう。

 その間は同化もダメよ』


『やだ!ごめんなさい!』


 ハルちゃんが取り乱して普通に喋った。

ハルちゃんのそんな声は初めて聞いた。



『ハルちゃん。落ち着いて。

 わかったから。もう言わないから。

 そんなに驚くとは思わなかったわ。

 今までだって何度かあったじゃない』


『しばらくいや』

『いちにちくらい』

『がまんする』

『けど』

『れんぞくだめ』

『ずっとはだめ』

『なの』


 ハルちゃん……

もしかして、まだ……



『本当にもう二度と言わないわ。

 ごめんなさい』


『あとでぎゅして』

『いっぱい』


『うん。今晩はハルちゃん達の為に使うわ』


『ありがと』


『今はまだ私の為に使って下さいませ。

 婚約者の親前で他の女性といちゃつくのはお控え下さい』


『『『ごめんなさい……』』』


 レーネに指摘されて、ハルちゃんズとの会話を終わらせて家族の話に混ざる。

あれ?そういえばサナだけ喋ってない?



『マスター、ボクの事は良いのです。

 またレーネに怒られるのです』


 ちゃんと空気を読んでたのね。

偉いわ。サナ。



『ふへへ~』


 サナもチョロ可愛い。



 それから暫く談笑を続けてから我が家に帰還した。


 明日は一日休む予定だ。

久しぶりに一度もベットから出ずに過ごしてみようかしら。

でも、ご飯食べに出てこないとノアちゃんが怒るだろうなぁ。

いっそ、ノアちゃんも含めて全員引きずり込みたい。

けど、アリア達には刺激が強いかも。


 それはそれとして、早く大きな部屋を作るとしよう。

明後日には爺さんを迎えに行って、改築を始める予定だ。

二十人くらいで眠れる寝室を作ってしまおうかしら。

今のところ私とハルちゃんズも含めると、全員で十四人だ。


 流石に増え過ぎだ。

一クラス分の女子の人数と同じくらいだ。

寝室も最低でも教室くらいのサイズが必要になりそうだ。

ベットはどうしようかしら。

連結するか、特注で大きなものを作ってしまうか。


 シーツの洗濯とか大変そう。

毎朝転移で一箇所に集めるくらいはするべきだろう。

というか、使いやすい洗濯魔法を作ることにしよう。

きっとハルちゃんがやってくれる。



『まかせて』

『へやごときれい』

『してみせる』


『頼りにしてるわ!』


『ふへ』

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