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24-11.セキュリティ問題

 翌朝ノアちゃんに叩き起こされて何とか身支度を整える。

正直眠くてたまらない。レーネを虐めている最中は全然眠気を感じなかったのに。

その結果、結局寝たのはついさっきだったし……


 私は一人で自室に戻ってハルちゃんズを回収し、希望者を連れて再び人魚の国に転移する。

今日は、ノアちゃん、ニクス、アリア、リヴィ、の四人と、私、レーネ、ハルちゃんズだけだ。


 セレネ、カノン、ルカ、お姉ちゃんは同行しない。

セレネとカノンは仕事に行くことを選んだ。


 セレネは仕事より式典参加の方を優先するかと思ったけれど、セレネにとっては想像以上に退屈だったのと、二日目以降はそもそもレーネが関わるイベント自体無いので、わざわざ見に来る理由もなかった。

何だかんだ人魚の国観光も既に十分経験しているしね。


 カノンは元々仕事に行く予定になっていた。

どうせ観光するのなら式典が終わってからにしたいそうだ。


 どうやらルカは怖くなってしまったらしい。

初めて行った時も海底自体にも怖がっていたけれど、今回は更にリヴィのうっかりや、酔っぱらい集団の大騒ぎ等、子供が怖がる要素は満載だ。

むしろ一緒に騒いでいるアリアがおかしいのかもしれない。


 お姉ちゃんはルカの付き添いで残ることにした。

人数多い方はノアちゃんに任せたいだろうしね。


 クレアとグリアは当然のように留守番だ。

まあ、こっちはわかってた事だ。


 セレネとカノンの送迎もお姉ちゃんに任せる事になった。

お姉ちゃんは人の記憶を覗くことで、自分が行ったことのない場所にすら転移できるそうだ。


 流石はハルちゃんのお母さんだ。

私のようなイメージした魔法を使えるとか言うインチキ能力は持っていないのに、自己研鑽だけで辿り着いたらしい。

正直、意味がわからない。

私はまだまだだ。



『ハルもできる』


『うん。そうだと思ってた』


『ラピスもできるわ!』


『ハルのきおく』

『うえつけた』


『もう二度とごめんよ!』


『苦しいと噂のあれね……

 もしかして私にもできるの?』


『おすすめしないわ!』


『むり』

『ハルちゃんズ』

『ハルのコピー』

『みたいなもの』

『だからできる』


『なるほど~』



 私達は王様たちへ挨拶してから、自分達の席に着く。

まあ、席とは言っても椅子があるわけじゃないのだけど。

なんせ人魚の国だもの。

椅子ではなく、石というか。

流石に、でっかい貝殻は無いらしい。


 ともかく、レーネと並んで式典二日目の開始を待つ。

今日は昨日時間が無くなって出来なかった演目から初めて、それが終わり次第、希望者が各々芸を披露する。

私とレーネの役目はそれを見届けることだ。

一応、主役に向けてお祝いの気持ちを披露している形なので、私達がここにいる意味はあるのだ。

騒ぎたいだけの人が大半だろうけど。


 ぶっちゃけここからが一番辛いだろう。

もうやることも無いのに見ているだけだ。

しかも寝不足だ。一晩中ハードな運動までしていた。

レーネとお互いに居眠りしないよう見張っていよう。

私にはハルちゃんズもいるけれど。

最悪、レーネが保たなそうならラピスを派遣しよう。



『任せてあるじ!』


『ありがと~』


『アルカは』

『ハルが』

『せきにんもつ』


『おねがいね~』


『もうねむい』

『しっかりする』


『は~い』


『うむむ』

『きけん』

『がんばる』


 私の中でもぞもぞし始めるハルちゃん。

全身に奇妙な落ち着かない不快感のような感覚が広がる。



『ハルちゃんストップ!

 目醒めた!これムリ!』


『オリジンやめるです!

 気分悪いです!』


『……ねれない』


『なるほど!そうすれば良いのね!

 次は私も手伝ってあげるわ!ママ!』


『うまくいった』


『うん。まあ。

 気付けには十分だったわね』


『むふぅ』


『アルカ様、今のは一体何ごとでございますか?』


『ハルちゃんが張り切ってたの。

 レーネにも伝わってしまったの?』


『覗いておりましたので』


『私とハルちゃんズのやりとりまで?』


『ええ。集中すればいけそうです』


『だいじょうぶ』

『ひつようなら』

『ハルがはじく』


『そんなぁ!?』


『大丈夫よハルちゃん。

 レーネに見せられないものなんて無いわ』


『…………』


『きゃー!ハルちゃん!

 凄いです!えっ!そんな所まで!?

 きゃー!きゃー!』


『なにしてるの?』


『まるひえいぞう』

『ながしこんだ』


『やめなさい』


『アルカねっと』

『せきゅりてぃ』


『ウイルスの間違いでしょ!?』


『かみひとえ』


『意味がわからないわ!』


『うむむ』

『しかたない』

『かってに』

『せんべつする』


『たれながし』

『ダメ』


『ハルが』

『はずかしい』


『みんなも』

『はずかしい』


『アルカだけ』

『よくてもダメ』


『そうね……

 そのとおりだわ。

 何でもかんでも見せてしまったら、他の子達のプライバシーも無くなってしまうものね。

 ハルちゃんに私の心のセキュリティは任せたわ』


『がってん』

『さいきょうのまもり』

『こうちくする』


『不正アクセスしたからって攻撃してはダメよ?』


『ひぞうえいぞう』

『ながしこむ』


『それはやめて……』

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