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24-10.成長?

 私達は再びレーネの部屋に戻ってきた。

一日目の全日程が終了して、後はもう寝るだけだ。


 うちの子達は結局、全員家に帰ってきた。

わざわざ寝泊まりする部屋まで用意してもらっておいて悪いけれど、流石に海底で一晩眠る勇気はなかった。


 いや、一名だけ希望者はいたのだけど、誰も付き合ってくれる人がいなかった為に一緒に帰ってきたのだ。

アリアは本当に怖いもの知らずだ。

けれど、寂しいのは苦手だ。

可愛い。


 今はレーネと二人、並んでベットに腰掛けている。

今は本当に二人きりだ。

ハルちゃんズも私の部屋で眠っている。



「レーネ。愛しているわ」


「ふふ。嬉しいですが、先程からそればかりですね。

 あんなに求めて下さっていたのにどうしたのですか?」


「そうね。どうしてしまったのかしら。

 正直もうとっくに我慢の限界だったのだけれど、いざその時になると返って冷静になってしまったわ。

 レーネにもっともっと幸せになって欲しい。

 その為にどんな話をしたら良いか、どんな雰囲気を作ったら良いかって考えだしてしまったの」


「心の赴くままに私を求めて下さいませ。

 それが一番幸せになれると確信しております」


「本当に?

 怖くなってしまっても止められないのよ?」


「その心配はありません。

 契約のお陰でアルカ様の気持ちは全て伝わっております。

 これがある限り、恐怖に怖気づく事などありません。

 それ以上に幸せを感じることが出来るのですから」


「隷属契約ではそこまでの感情は伝わらないはずよ?

 心が繋がっている感覚と意思と感情の伝達は別の話よ?」


「いいえ。おそらく私に限っては異なります。

 人魚の念話は厳密には魔術とは違うのです。

 聖獣化の影響でこの感覚も大きく向上しました。

 その上で、実体としての繋がりまであるのです。

 今は上手く制御できないので精度にムラがありますが、使いこなせばアルカ様の心を詳らかにする事も可能でしょう」


「それは……」


「ノア達には言えないと考えましたね?

 それには同意します。当面は内緒に致しましょう。

 この契約を解かれては堪りませんから。

 ですが、どうか今は私の事だけをお考え下さいませ」


「ごめん」


「さあ、この件はここまでと致しましょう。

 それより、少しでも長くアルカ様と触れ合いたいのです。

 どうか、覚悟を決めて下さい」


 レーネはそう言うと私を押し倒して覆いかぶさる。

そのまま、レーネは私にキスをする。



「まさかレーネからしてくれるなんて思わなかったわ。

 今まですぐ真っ赤になって加減してほしいなんて言っていたのに」


「アルカ様が土壇場で怖気付いてしまわれたからではありませんか」


「そんなつもりは……」


「アルカ様。私は挑発しているのです。

 落ち込んでいないでやり返してくださいませ。

 何でも望むままにして良いのですよ?」


「レーネ!」


 私はレーネと上下を入れ替えてキスをする。



「ふふ。その調子です」


「レーネ!レーネ!レーネ!」


「アルカ様。愛しています」


 そこからはあっさりと我を忘れてレーネを貪り尽くした。




「まさか初めての夜に泣かされるとは思いませんでした」


「怖くなっても知らないよって言ったじゃない」


「そうですね。

 少しばかり気が大きくなっていたようです。

 自分の経験の少なさを甘く見ておりました」


「私を焚きつける為に頑張ってくれたのもあるでしょう?」


「それをわかっていて止めてくださらなかったのですか?」


「だからこそじゃない。

 そうまでして頑張ってくれたのだから、応えないとだわ」


「アルカ様!もう一度しませんか?」


「嬉しいけれどもう寝ないと明日、というかもう今日だけど、大変なんじゃない?

 主役が居眠りしているわけにはいかないでしょう?」


「そうですね……

 では眠らせて下さい。またアルカ様の手で」


「それは気絶してただけよ……」


「今度は目覚めるまで続けたりしないでくださいね?」


「むり」


「ノア達ともいつもここまでしているのですか?」


「考えるのはダメって言ったじゃない」


「今だけ許可します。気になります。

 普段はどんな事をしているのですか?」


「……ノーコメント」


「大丈夫です。言葉にする必要はありません。

 少し読み取れました。

 その調子で思い出して下さい」


「誘導尋問はダメ!」


「試しにハルちゃんにしたやつ私にもしてみて下さい」


「どうして皆極端な方に行っちゃうの!?」


「アルカ様のせいでは?

 アルカ様が何にでも応えてしまうから歯止めが効かなくなっていくのでは?」


「うぐっ……」


「しかも、私とニクスにだけはどれだけ止めてくれと頼んでも止めてくださらないのですね。

 セレネにはやられっぱなしなのに何故なのでしょうか。

 惚れた弱みですか?」


「もう聞かないで!」


「仕方ありませんね。

 私はアルカ様と違って嫌がることを続けたりはしません」


「また挑発しているの?

 直ぐに止めてくれと言う割には随分強気なのね?

 ハルちゃんのに興味を持っていたし、レーネって」


「ダメです!それ以上は言わないで下さい!」


「でももう伝わっているのでしょう?」


「それはそれです!」


「仕方ないわね。口ではなく手を動かせって事ね」


「アルカ様!?寝るんじゃなかったんですか!?」


「寝かせてあげるわ」


「やっぱり良いです!気が変わりました!」


「もう遅いわよ」


「アルカ様!」

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