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24-9.変化

 私はレーネを抱えて、別荘のレーネの部屋に転移した。

流石に今は私の収納空間にレーネの水着のボトムスまでは入れていなかった。

なので、普段レーネが訓練用プールで利用しているものを取りに来たのだ。


 まあ、レーネなら私のでも履けるだろうけど。


 式典の最中、私のトップスは人魚の国で用意してもらったものを身につける事になっていたが、ボトムスは流石に存在しなかった。人魚の下半身は魚だもの。

それでボトムスだけはいくつか事前に準備していた。

まだ履いてないのもあるし、別にレーネにあげてしまっても良かったのだけど、どうせ着替えるために転移するなら変わらないと判断してレーネの部屋に来る事にした。


 私はレーネをベットに寝かせて覆いかぶさる。



「着替えに戻ったはずですよ?」


「そうなんだけどね」


「その手はなんですか?

 まだ式は途中ですよ?」


「もしかして契約前より綺麗に喋れてる?」


「……ええ。そのようです。

 それより、手を離して下さいませ。

 あと少しの辛抱です。

 数時間もすればお好きにして構いませから」


「本気で嫌なら払い除けて構わないわ」


「……五分だけですよ?」


「無理かも……」


「ハルちゃん。お願いします」


 レーネの合図で私の中に戻ったハルちゃん。



『アルカすてい』


「少し体が重いわ。

 ハルちゃんだけじゃないわね?」


『マスター冷静になるのです!

 落ち着くのです!』


『……ママ。ダメ。じぶんでおもってる』


「……わかったわ。ありがとう。皆。

 そうよね。流石に今の状況でレーネを帰さなかったら皆心配するものね。

 ちゃんと事情を説明しに戻らないと」


「落ち着いて下さって何よりです。

 さあ、着替えて直ぐに戻りましょう」


「うん」


 私がレーネの上からどいて解放すると、レーネは立ち上がって服をしまっている収納の側に向かう。



「見過ぎです。恥ずかしいです。アルカ様」


 私の視線はレーネの丸出しのお尻に釘付けだ。

何であんなに綺麗なのかしら。



「もうお風呂で何度も見せてくれたじゃない。

 それに人魚の時も下には何も身につけていないわ」


「そうですね?

 何故私はこんなに恥ずかしいのでしょう?」


 レーネはそんな疑問を口にしながらも、前かがみになって収納に手を伸ばす。

うむ。良い。



『ハルちゃん。録画して』


『もうとってる』


 流石私のハルちゃん。

ご褒美に後で縛り上げてから抱き締めてあげよう。



『たのしみ』


『…………ナノハも』


 ちょっとまだナノハに手を出す覚悟は出来てないわ……



『……考えておくわ』


『えぇ……おかしいのです……』


 哀れサナ。

性的嗜好の違いで家出する未来も遠くないかもしれない。



『そんな理由嫌なのです……

 頑張って理解するのです……』


 無理しないで……



 レーネの生着替えをたっぷりと楽しんでから、私はレーネを抱きしめる。



「戻りますよ。アルカ様。

 お尻から手を離して下さいませ」


「うん。行きましょう」


「何故そう言いながら手を入れているのですか!?」


「ダメ?」


「ダメです!」


「仕方ないわね。

 着替えるだけなのに少し時間をかけすぎたものね」


「アルカ様のせいです!」


 私はレーネを抱えて人魚の国に転移した。



 広場に戻った私達は、真っ先に王様の下に赴いてレーネの状況を伝える。

とは言え、隷属契約とは流石に言えないので、単に契約したとだけ伝えた。

王様達は特に不安がっている様子もなく、レーネの力が大きく増した事に興味を持ったくらいだった。


 今のレーネは、聖女であるセレネにすら匹敵する程の力を持っている。

おそらくレーネがそこまでの力を得るに至ったのは、ハルちゃんとの契約で私の力が大きく増していた為だろう。


 もしかしたら、ハルちゃんと同じようにハルちゃんズ全員がダンジョンコアの力も取り込めば、もっと強くなれるのかもしれない。

まあ、そこまで強くなる必要性の方が無いのだけど。


 私はご両親と話すレーネを残して、家族の下に向かう。

契約の事はわかっているだろうけど、一応説明しておこう。



『正直、元のレーネの力は大した事なかったはずですが、アルカのこの変わり様はどういう事なのですか?』


『え?そんなに?』


『ねえ。やっぱり私とも繋いでよ。

 羨ましくて我慢出来ないわ。

 心は繋がなくても良いから。

 力なんて要らないから。

 ハルお願い。人間にも使える契約魔法を作って頂戴』


『がってん』


『ダメですよ!何考えてるんですか!?』


『ノアは融通効かなすぎなのよ!

 私の気持ちはわかってるでしょ!

 この際、アルカとの繋がりさえあれば何でも良いのよ。

 ただ、アルカの存在が感じられるだけで良いの。

 心さえ繋がなければ問題ないはずでしょ?』


『ですが……』


『ノアも繋げとまでは言わないから。

 お願いよ。見逃してよ』


『……』


『ノア。セレネの頼みを聞いてあげて。

 術の内容は私がちゃんと確認するよ。

 使う前も、使った後も監視を続けるよ。

 危険だと判断したら、どんな事をしても断ち切るから。

 私だけでは不安なら深雪もいるから。

 だから出来るだけの事をしてみようよ』


『ニクス……』


『……わかりました。

 なら、私も繋いで下さい。

 それなら認めます』


『ノア!ありがとう!』


『アリアも契約する!』


『ルカも!』


『リヴィも!』


『私もするわ!』


『わかったわ。全員としましょう。

 勿論、お姉ちゃんも契約するからね』


『ニクス、本当に大丈夫なの?

 そのまま本物の神に近づいたりしないわよね?』


『それは無いよ。力があれば神になれるわけじゃないよ。

 それに、私の使徒である限りは半神のままだよ。

 地上で代行者として在り続けるには必要なことだから。

 深雪の不安に思うような事は起こらないし起こさせない。

 アルカの事も皆の事も絶対に守り通してみせるよ』


『そう……』

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