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23-27.顛末

 式典の開始をレーネと二人で待ちながら、レーネとの思い出やここ最近の出来事を思い出す。


 レーネと出会ったのは地下の町での騒動に区切りがついて、旅立ちの最初に海に向かった時だった。


 今では十人もの相手と関係を結んだが、あの時はまだノアちゃんとセレネとリヴィしかいなかったのだ。

しかも二人の想いに応えてすらいなかった。


 海水浴の最中、海底で行倒れたレーネを保護し、セレネの希望で人魚の国に連れて行って貰う事になった。

そこで、レーネが人魚のお姫様だとも知ったのだ。


 暫くレーネとおとぎ話の船を探索したり、地上に連れて行ってみたりと、親睦を深めながら楽しい時間を過ごしたのだった。


 そんな時に、レーネの父である人魚の王様に頼まれて、レーネを地上に連れだすという話になった。


 その件でセレネと会話をしている最中に、セレネとノアちゃんに嫌われてしまうのではないかという私の不安がきっかけで、邪神騒ぎが起きたのだった。

そのせいで一旦レーネとは別れて、再会は約一年後まで待つ事になってしまった。


 再開する頃には、ノアちゃんとセレネに加えてニクスとも結ばれ、レーネも会えなかった一年の間、私の事を想い続けていてくれた。

それまでの出来事もあって吹っ切れた私はレーネとも結婚を前提に家族に迎える事にしたのだった。


 あれから数ヶ月、共に暮らしながらも、この式典まではと少しだけ距離をおいてきた。

レーネの希望もあって、ちゃんと婚約するまでは手を出さないようにしてきたのだ。

側にいれば我慢できなくなるとわかっていたもの。


 その間にもまた家族が増えていった。

ハルちゃん、カノン、お姉ちゃんと続いた。

まだお姉ちゃんも攻略途中なのに、新しい拠点用の島探しの途中で見つけたダンジョンをキッカケに、サナ、ラピス、ナノハの吸血鬼三人娘を保護する事になった。


 三人の事をまだ家族に紹介出来てはいないけれど、全員私と契約を結び、私のものとなった。

今私の体にはハルちゃん含む、四人の吸血鬼が同化している。

人として生き続ける為に、方舟計画とパンドラルカという組織作りを目指すことになったが、私が率先して人から外れていくようで、流石に我ながらいい加減にしろとは思う。

まあ、計画も組織もまだ大枠だけで、中身はこれからなのだけど。


 ラピスとナノハを回収する時は、久しぶりにレーネと二人きりで出かけることになった。

とはいえ、ダンジョンの最深部に直接乗り込んだくらいだけど。

この式典が終わったら、もっと二人の時間を作れるようにしよう。

今後は加減は必要だけど遠慮はいらないものね。



『ハル』

『かげんいらない』


『……ナノハも』


『じゃあ!ラピスも!』


『ボクも……?』


『賑やかになったわね~』


『のうないかいぎ?』


『脳ではないわよね』


『どこでも良いわ!

 あるじの中とっても心地よくて好きよ!』


『マスターの中安心するのです』


『…………zzz』


『気に入ってくれてなによりよ。

 これから何千年でも居ていいからね』


『それは素敵ね!』


『そう?』


『外でも中でもお支えするのです』


『サナはその話し方でいくことにしたの?』


『ご不満なのです?』


『いえ。好きにして構わないわ』


『感謝するのです!』


『変な喋り方ね!

 ぐらんふぁーべんの一員として相応しくなさい!』


『ぐらんふぁ?なに?』


『ぐらんふぁーべん』

『からーずのかわり』


『何語?』


 私の記憶から探し出したの?

記憶にないわよ?



『Grundfarben』


 ハルちゃん!?

何かいきなり流暢な発音した!?



『いみ』

『げんしょく』


『何でも良いんだけど。

 ……カラーズの方がわかりやすくない?』


『『『やだ』』』


 一人不参加なのはナノハね。

というか、ハルちゃんも混ざるの?

三人だけのつもりだったのに。

原色だと黒は含まれないけど良いの?



『かんがえなおす』


『え~!横暴よ!ママ!』


『提案したのオリジンなのです!』


『…………zzz』


 やっぱりハルちゃんの趣味だったか。



『ラピスは可愛いのが良いんじゃなかったの?』


 あと、ママ呼び調教に屈してしまったのね。



『そうね!考え直すわ!』


 なんか可愛いわね。こういうの何て言うんだったかしら。

アホの子?



『あるじ!』


 ごめん。つい。



『気に入ってたのです……』


 大丈夫よサナ。

きっとハルちゃんは次も似たようなの思いつくから。



『オリジン!信じるのです!

 カッコいいのお願いするのです!』


『まかせろ』


『可愛いのよ!』


『まかせろ』


 ハルちゃん適当に答えてない?


『…………ママ』


『なに?ナノハ』


『…………すき』


 嬉しいけど突然どうしたの?



『…………ママのなか、ねごこちいい』


『ふふ。ありがと。ナノハ』


『ラピスもあるじ好きよ!

 だからもう一度キスして!

 今度こそドキドキが手に入るかも!』


 ごめんね~また今度ね~



『そうよね……

 数日は出られないんだったわね……

 まあ良いわ!その間にもっと好きになるもの!』


 ラピスはポジティブね~



『マスター!ボクも好きなのです!』


『ありがと~サナ~』


 この子、さては流されやすいな?



『マスター酷いのです……』


 ごめんって。



『サナは面倒臭いわね!』


『バッサリ言い過ぎよ。ラピス。

 皆仲良くね~』


『マスターもそう思ってるんだ……』


 ほんとに面倒臭いわね。



『マスタぁ~』


『サナ。ごめんてば~。

 大丈夫よ。面倒臭いとこも含めて可愛いわ!』


『ますたぁ!』


『可愛いかしら?』


 ラピスは余計なこと言わない!



『は~い』


『アルカ』

『そろそろじかん』


『そうね。皆暫く大人しくしていてね』


『『は~い』』


 おや?二人しか返事がなかったぞ?

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