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23-23.調教

「なるほど。今度はそうきたのね。

 ハルの一日攻略、カノンの数時間攻略に続いて、

 お姉ちゃんは最初から攻略済みだから最短記録は頭打ち。

 だから同時攻略で新記録を目指そうと」


「私はまだ攻略されてないわ!」


「流石に無理がありますお姉さん。

 普通の人は妹のためだからって世界を渡ったりしないし六百年も頑張れません。

 しかも必要以上の干渉を控えるために、そこまでして再会した相手から逃げ出すなどどんな覚悟ならできるんです?」


「ノア言い過ぎだわ。

 お姉様の愛を揶揄するような言い方はダメよ」


「そうですね。カノン。

 言葉が過ぎました。すみません。お姉さん」


「アルカは私の部屋を何だと思ってるの?

 ハルだけで飽き足らず三人も増やすってどういう事なの?」


「ニクスの部屋?アルカの心は皆のものですよ?

 私も契約が済んだら中に入れてくださいね。

 ハルちゃんならきっと出来ますよね?」


「私とパス繋ぐのはダメって大騒ぎしてたくせに酷くない?

 いくら契約の繋がりは心への影響が少ないとはいえ、塵も積もればでしょ?

 この調子なら百人くらいならあっという間よ?」


「アリアも入ってみたいな~」


「ルカも」


「リヴィはいれる?」


「そんな事で一々呼ぶなよ。

 これ以上アルカの醜態なんて聞かせて何がしたいんだ?」


「同意する。

 私も下がらせてもらおう。

 アルカ君、ハル君を紹介してくれた事には感謝しているが、本当にいい加減にしたまえよ」


「まって!皆!ちゃんと話を聞いて!

 今回は理由があるのよ!もう一度頭から説明するから!」


「アルカ。そんな必要はありません。

 理由については納得していますし、行動も理解できます。

 アルカが説明した事を聞き流したわけではありません。

 先に言えなかった事情も今回は渋々飲み込みましょう。

 けれど、それはそれです。

 厳しい事を言えば結果が全てなのです」


「ならそれこそじゃない!

 まだ口説いたわけじゃないわ!」


「既にママと呼ばれる程に懐かれていたではありませんか」


「それは……」


「はい。解散。

 あとは三人娘とやらが元気になってからにしましょう。

 本人達も居ないのに話し合ったって仕方ないわ。

 アルカもお疲れ様。必要なことだったのは認めてるわ」


「セレネ……」


「大丈夫よ。そんな顔をしないで。

 クレアさんとグリアさんはともかく、私達はアルカの事を責めているわけではないのよ。

 ただ受け入れるのに時間がかかってしまうだけなの。

 アルカの事が好きだからこそなのよ。

 だから、アルカも頑張ってね。

 あくまでも保護しただけなのだと。

 その子達にまで恋してしまわないのだと、今度こそ証明して見せてね。

 たまには期待してあげるわ」


「セレネぇ!!」


「やり口が汚い……

 普段一番虐める癖に、思ってもいないことまで言って弱ってる所に付け込んでるよ」


「ニクス黙りなさい。昨晩の事忘れたの?」


「……今日は先に休ませてもらうね!おやすみ!」


「どういう事ですセレネ?

 遂にニクスにも手を出したのですか?」


「……私も今日はもう寝るわ!昨日寝不足なの!お休み!」


「私も失礼します。

 アルカ様。今日はありがとうございました」


「レー姉!待って!一緒に寝よう?」


「はい。行きましょう。ルカちゃん」


「アリアも!」


「リヴィも!」


「はい。皆で寝ましょうね~」


「「「「おやすみ~」」」」


「じゃあ、アルカ私も部屋に戻るわ。

 明日は寝坊しないでね!

 お酒の仕入れの件、朝から動くからね!

 おやすみ~!」


「ハルと挨拶できないのは寂しいわね。

 私も寝るわ。

 ノアちゃん、小春の事お願いね。

 二人とも、お休み」


 ノアちゃんと私を残して皆部屋に戻って行った。



「さあ、部屋に行きましょうアルカ。

 約束は守ってくれるのでしょう?

 今日は私が慰めてあげます」


「ノアちゃぁん!」


 その晩、ノアちゃんは私が好きな甘噛を沢山してくれた。

ノアちゃんのは加減が絶妙なのよね。


 私の腕の中で眠るノアちゃんを眺めながら我に返る。

何で私、浮気したと思われてるのに慰められてるの?



『ちょうきょうの』

『せいか』


『なんか嫌よそれ……』


『みんな』

『なれた』


『それもどうなの……』


『それより』

『ナノハ』

『すこしはなす』


『ラピスは?』


『ちょうきょうちゅう』


『程々にね?』


『…………ママ?』


『ナノハ!

 ちゃんと説明してなくてごめんね!

 体は大丈夫!?』


『……うん。ハルもやさしい』


『ママって』

『よばない……』


『……ママはママだけ』

『……ハルはハル』


 なんかごめん……



『ラピスのしつけ』

『がんばる』


 哀れラピス……


『……ママ。あのね』


 それから暫くナノハと話を続けた。

話し方はゆっくりだけど、意外とお喋り好きのようだ。

サナよりも私の記憶を読み取るのが上手いらしく、次々に知識をつけていく。

どうやら三人の中でも飛び抜けて優秀なようだ。

そんなところまでハルちゃんにそっくりらしい。

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