23-14.熱意
私とカノンが私の部屋に転移すると、セレネが私のベットで寝そべっていた。
「ただいま~」
「おかえり~」
「待って!セレネ!
服も着ないで何してるの!?
アルカはなんで普通に挨拶交わしてるの!?」
「別に何もしてないわ。
帰りを待っていただけよ」
「セレネだし
でも、シーツかけてた方が唆るかも?
いや?でもお腹も良いしな~
待って、やっぱりお尻も見たい。
悩ましいわね……」
「ふふ。好きに見ると良いわ」
「やめなさい!
もう服着て皆の所に行くわよ!
あんまり遅いとノアに怒られるわよ!」
「そうね。残念だけどここまでね」
「やっぱり太ももが……
セレネもう少し足の角度を」
「アルカ!いつまでやってるのよ!」
「ああ。ごめん。
セレネ。続きは食後にね」
「良いわよ」
「良くないわよ!」
「そうだ!
カノンも服脱いで一緒に並んでくれる?
カノンのつるペタっぷりが際立って最高に映えると思うのよ」
「嫌よ!なんでその理由で了承すると思ったのよ!?」
「カノンのスレンダーボディは完璧なのよ!
嫌がる必要なんて無いわ!」
「私のじゃダメなの?」
「そんなわけ無いじゃない。セレネの美乳も最高よ」
「もう知らない!」
「待ってカノン!ごめんなさい!
調子に乗りすぎました!」
私はカノンを追って部屋を出る。
部屋を出て直ぐの所で追いついて背中から抱きしめる。
「ごめんなさい。暴走しました」
「もう。わかったから離して」
「私の事嫌いになってない?」
「なってない」
「本当?」
「信じてくれないの?」
「信じる」
「なら行きましょう。
お腹すいたでしょ?」
「そうね。
キスして良い?」
「本当に反省してるの!?」
「ごめんなさい……」
「もう!」
カノンは私の頬にキスをして、私の手を引いて歩き出す。
「今日ね、島探しの件で下見してきたの。
いくつか候補を見つけたらか、カノンも一緒に見に行きましょうね」
「二人きりで行ってくれる?」
「もちろん!
次の休みに行きましょうね!」
「元々予定しているデートとは別枠でお願いね」
「じゃあ、全部諸々終わってからね。
式典、改築、デートって続いてその後だから一月後くらいになりそうね」
「随分と先になってしまうわね」
「まあ、ゆっくりやりましょう。
時間だけはいくらでもあるんだから」
「そうね。楽しみだわ」
「そうそう。
カノンにいくつか頼みたいことがあるのよ。
後で時間を貰えるかしら」
「わかったわ。食後にね。
でもセレネとも約束してるんだったかしら?」
「セレネとは寝る前に会うから大丈夫よ」
「そう……」
「カノンもいつでも来て良いからね」
「いつかね!」
私達は夕食を食べてから、少しだけ今日あった事を話し合う。
「セレネとカノンは知らないから改めて最初から説明するけど、今日島探しの途中でダンジョンを見つけたのよ。
そのダンジョンが少し厄介でね。
明日私とハルちゃんとノアちゃんの三人で行ってくるわ。
最深部まで行ってハルちゃんがコアを掌握するつもりよ。
少し不自然な所があるから、もしかしたらまた妙なことに巻き込まれるかもしれないわ。
とりあえずこんな所かしら」
「厄介って?」
「やたらとタフな魔物ばかりなのよ。
それと、以前コアに操られた魔物みたいに、意思を感じなかったの。
どの魔物もどれだけ傷ついても、迷いなく攻撃を続けていたわ」
「あの組織の?」
「そう。カノンには資料で説明しただけだったわね。
ダンジョンコアを使って何らかの命令を下された魔物は真っ直ぐに目的を果たそうとするのよ。
自分の意思は無く、本能すらも無視して動き続けるの。
例えば、今回の場合は近づいてくる者を始末するようにって命令されていたんじゃないかしら」
「それはどうなの?
軍隊みたいに使えるならともかく、ダンジョン内なら行動の制限にしかならないんじゃない?」
「そうね。
実際、単調な動きしかできないのは楽だったわ。
けれど、それは私達が強いからね。
普通の冒険者なら、やたら頑丈な魔物がなんの駆け引きもさせてくれずに突っ込んでくるなんて、それなりに厄介なはずよ。
最初に戦ったゴーレムなんて、頭を落とされても怯まなかったし、腕を消し飛ばしても、瞬時に自分の体で押しつぶす方法に切り替えたし。
ともかく躊躇が無い分、判断が速いってメリットにもなっていたわ。
まあ、あんな所まで行ける冒険者がいるかは知らないけど」
何せ、大陸からもかなりの距離があったし。
「なるほどね……」
「まあ、その件は任せるわ」
「セレネはそう言うと思ったわ」
「もちろん必要ならいつでも呼び出していいわよ」
「ありがとう」
「私も特に出来ることは無いものね。
気を付けてね。アルカ、ノア、ハルちゃん」
『「「うん!」」』




