22-15.暇つぶし
「カノンの家族って何人くらいいるの?」
「まさかもう妹達に手を出す気?」
「なんでそんな話になるのよ!?
とりあえず話題を変えようと思って気になったことを聞いてみただけよ」
「その情報も知らないほうが良いんじゃない?
もう増やすのは止めようよ。
深雪までは許すからさ」
「そうよ。
いくら何でも十人もいれば十分でしょ?
週イチだって足りないじゃない」
「どうして信用してくれないの!?」
『ひごろのおこない』
「ハルちゃん!?」
「アルカの全てを肯定してくれるハルまで呆れてるんだよ?
少しは自分の行いを顧みようよ」
「うぐ……」
「なら、アルカが前に考えていた島を開拓する件を話し合うのはどうかな?」
「なにそれ面白そうね!
聞かせてアルカ!」
「もう……
えっと、今って未開拓地に住んでるじゃない?
あそこ以外にも拠点を作っておこうかなって思ったの。
未開拓地がいつまでも未開拓のままとは限らないし、そもそもあそこは魔物に囲まれた土地だしね。
それに何より、近くに海がないの。
海産物も欲しいじゃない?
だから、どこかに良い感じの無人島を探しておきたいの」
「良いわね!是非やりましょう!
アルカ達なら船なんて必要ないものね!
新鮮な海の幸が取れるのも魅力的だわ!
そして夏は海水浴!
アリアとハルちゃんの水着も楽しみにしてるわ!」
「私のは?」
「もう!そんなの言うまでもないでしょ!」
「もうカノンったら~」
「刺し身作ってよ刺し身!」
『ハルもたべる』
「先ずは島を探しに行きましょう!」
「どうやって探すの?」
「私とハルちゃんで飛んでいくわ。
カノンも一緒に行きましょう!
きっとカノンの目利きも必要よ!
今日選んでくれた着物もすっごいセンス良かったし!」
「ふふ。当然よ!商人だもの!
それはともかく、空を飛ぶの?
それはそれでワクワクするわね!」
「私はお留守番なの?
いつでも一緒にいてくれるんじゃなかったの?」
「はいはい。ニクスも連れて行くわ。
二人くらいなら余裕よ!」
「約束だよ!また置いて行ったら嫌だよ!」
「そんな事したっけ?」
「前にハルと一緒に出かけちゃったじゃん!
最初に私が降臨した次の日に!」
「そうだったわね。
あの島国を見つけた日ね。
ニクスも来てくれていればもっと楽だったのに」
「アルカが置いて行ったんでしょ!?」
「ごめんごめん。
次はちゃんと一緒に行くから」
「いっそ全員では行けないの?」
「飛行魔法の制御がなぁ」
『ハルできる』
「そっか。ハルちゃんなら……
でも、それより良い事思いついたわ!
リヴィに頼んでみない?」
「リヴィちゃんに?
どういう事?」
「リヴィは大人になれるのよ。
多分今のリヴィならドラゴンにも変身できるんじゃないかしら。
大人のドラゴンになってもらって、私達全員を背中に乗せて貰いましょうよ!」
「そんなに大きくなれるの?」
「たぶん」
「一度試してみないとね。
制御に失敗して、海上で変身解除とかしちゃったら大変なことになるよ?」
『リヴィけいやく』
『せいぎょ』
『ハルてつだう』
「それもそうね。
いっそ、リヴィとも契約してしまおうかしら」
「その為にはノアと話を付けなくちゃね」
「契約って?」
「私とハルちゃんが契約してるんだけど、それをすると私との間に繋がりができて、力を送り込んだり、相手の状態がわかるようになったりするの。
あと、ハルちゃんがリヴィの補助とかも出来るんじゃないかって」
「レーネとはいつするの?」
「式典の後ね。
本当なら結婚まで待つべきなんでしょうけれど、レーネも待ちきれないみたいなの。
まあ、私もなんだけど」
「私とは出来ないの?」
「うん。人間とは無理なのよ。
出来るのは魔物に近い存在だけなの」
「レーネがそうだなんて驚きだわ」
「まあ、レーネはレーネだから。
私にとっては可愛い婚約者だもの。
あまり関係ないわ。
むしろお陰で契約も結べるのだし嬉しいくらいね」
「レーネって可愛い顔してるわよね」
「カノン?まさかもう手を出すの?」
「アリアとルカとハルも候補なんでしょ?」
「私はアルカ一筋よ!
アルカと一緒にしないでよ!
ただ思ったことを言ってみただけよ!」
「そう?なんだか、カノンは大きな胸が好きみたいだから、レーネのも触ってみたいのかと思ったのに」
「それは……」
「もうレーネの事そういう目で見るの止めない?
セレネといい、失礼だとは思わないの?」
「ニクスは興味無いの?私の胸も」
「アルカの事で興味持ってないわけ無いでしょ!」
「もうしょうがないな~」
「ほんとに何食べたらこんなになるの?
何で私にはついてないの?」
「私の胸の中で喋るの止めてくれない?
くすぐったいわ」
「ニクス交代!次は私!」
「カノンも一緒に来ちゃいなさい!」
「わ~い!!」
『ハルもおおきくなる?』
「二人で挟んであげましょう」
『おけ』
「こっちもでか!」
「やわやわ~」
「あなた達何してるの?」
「あ!お姉ちゃんおはよう!
元気になった?」
「ええ。迷惑かけてごめんなさい。
それより、少し離れなさいな。
ハルまで何してるのよ」
「お姉ちゃんも一緒に混ざろうよ!」
「いやよ」
「ノリが悪いな~
仕方が無い。お姉ちゃんには今度ゆっくり二人きりの時にしてあげるね」
「ハルもする」
「二人とも何言ってるのよ。もう……」




