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21-24.策士

『カノンさくし』

『きょうのながれ』

『ぜんぶよていどおり』


『やっぱり?

 私に会わせたい相手ってきっと王様よね?

 忙しいのに大丈夫なの?

 それに何で私の入城許可まで取ってあるのかしら。

 私から今朝連絡するまで一度もそんな予定無かったはずなのに』


『どっちでもいい』

『アルカくるなら』

『はいっていい』

『こないなら』

『こないだけ』


『きっと』

『このあともいっしょ』

『アルカいるばあい』

『いないばあい』

『ふられたばあい』

『ふられてないばあい』


『ぜんぶよてい』

『たててある』


『さいしょに』

『へやみせた』

『それもさく』

『アルカためされた』


『ようじんして』

『どこまでほんとか』

『わからない』


『きっとうそもある』

『ノアにみてもらうまで』

『しんようしない』


『う~ん。無理ね!

 私に疑っている事を隠すような、

 そんな器用な真似はできないわ!

 私は心の赴くままにやるから、

 後はハルちゃんに任せた!』


『しかたない』

『ハルのやくめ』

『ようじんする』


『ありがとう!ハルちゃん!

 そうだ。少しの間指輪を変身で消しておいてくれる?』


『わかった』

『アルカまなんだ』

『えらい』


『ふっふっふ!

 何度も同じ失敗をする私ではないのよ!』


『……』


『ハルちゃん?冗談だからツッコんで?

 何度も同じ失敗してるだろって言って良いんだよ?』


『アルカがんばった』

『えらいえらい』


『やめて!そっちの方が心に効くわ!』


『じゃあ』

『ちょうしのらない』

『しょうじんして』


『はい……』



「アルカ緊張しているの?

 大丈夫よ。私に全部任せておいて」


 私は過去に何度か王様と面談した部屋で、カノンと並んで長椅子に腰掛けていた。

カノンはこの期に及んで誰が来るのかは口にしない。

これも策略なのだろうか。

それともイタズラ心なのだろうか。



「本当にそれで良いの?

 娘さん下さいって私から言わないとじゃない?」


「平民同士ならそうなんでしょうけどね。

 けれど、アルカは王族どころかこの国の国民ですら無いのだもの。

 下さいって言われても、姫をあげたり出来ないわ。

 例え名ばかりの姫だってね。

 アリアとルカの時だって保護って大義名分があったでしょうし、連れて行ってくれと頼んだのもお祖父様の方でしょ?

 だから、今回話をするのは私の役目なの。

 この国の王族の一人として、国王様にお願いするの。

 私はこの人に嫁ぎたいので許可を下さいって。

 まあ、普通はそんな事許されるわけ無いんだけど、幸い私は生まれの問題でその辺りの制約は無いようなものだしね」


「けど、向こうもいい加減にしろって思うんじゃないの?

 アリアとルカだけに飽き足らず、こんな綺麗で優秀なお姫様取っていったら、恨まれるんじゃない?」


「なら諦めるの?

 あくまでも愛人兼、ビジネスパートナーとしての関係に留めておく?」


「そうじゃなくて、私も何か出来ないかなって話。

 カノンの家族と不和にならないよう、出来る事はしておくべきだわ」


「アルカ!そこまで想ってくれているのね!

 とっても嬉しいわ!今直ぐキスしても良いかしら!」


「ダメよ。ちゃんと許可貰ってから」


「もう。アルカったらイケずね。

 そんな事を言われたら益々したくなってしまうじゃない」


「私が言うのもあれだけど、なんでそんなにグイグイ来れるの?

 まだ出会ってから一緒にいた時間だけなら、数時間しか経ってないよ?」


『さいたんきろく』

『ハルまけた?』


「一目惚れなんてそんなものじゃない?

 それに前にも言ったけど、この国の王族は愛に生きる人が多いの。私も例外じゃなかったってことね」


「よくこの国今まで存続してきたわね」


「逆よ。愛があるから血が繋がるんじゃない」


「言ってて疑問には感じないのそれ」


「血を繋ぐだけが愛じゃないわ」


『だぶるすたんだーど』


「何でハルちゃんそんな言い方知ってるの?」


『さあ?』


「ほら、もう来るわ。

 アルカの気持ちはとっても嬉しいけど、少しだけ大人しくしていてね」


 投げキッスとウインクを放ちながらそんな事を言う。

こんな様になっている仕草始めてみた。

まさか、自分が向けられる立場になるとは。


 というか、やっぱりカノンのハシャギ方は素よね。

この辺りはアリアの姉って感じがするわ。


 容姿もアリアに負けず劣らずだし、本当にこの姫様奪って大丈夫なの?

絶対この国の王族達からは愛されてると思うんだけど。


 そんな心配を抱えていると、王様と宰相さんと知らない男性とメイドさんの計四人が部屋に入ってくる。



「お忙しい中お時間頂きありがとうございます。

 お祖父様。お父様」


 お父様!?じゃあ、あのメイドさんがお母様!?

家族総出で時間取ってくれてたの?

もしかして、一週間前の時点から?

まさか、一週間欲しいっていうのもこの時のため?

いや、王様の予定なんてそれでも足りないくらいだろう。

元々この日に何か予定があってそこにねじ込んだのかしら。


本当になんでここまで準備万端なの?

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