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3-8.王都

私はギルド長から呼び出された。



「魔法大学の件、話が付いたぞ。」


「ありがとう。助かるわ」


「これが紹介状だ。いろいろと大変だろうが頼んだぞ。

お前だけが頼りだ。」


「大丈夫。安心して。

ノアちゃんも、セレネも、クレアだっているし皆頑張っている。」


「そうだったな。最近はクレアとノアが一緒にいる事も多いな。

しかもよく面倒を見ている。あの調子なら安心だ。」


「クレアはノアちゃん気に入ってるからね。」


「そこにはなんとも言い難い所だが・・・

まあ、ノアなら上手くやるだろう。」


「ええ。じゃあ行くわね。

またしばらく町を離れるからよろしくね。」


「ああ。」



私はギルド長の元を後にする。

最近、我ながら働き過ぎじゃないかしら。


ともかく、これで少しでも前に進めると良いのだけど。




私は家に帰ると、ノアちゃんとセレネに告げる。


「準備が整いました。

明日からまた旅に出ます。

二人共、問題ない?」


「「はい!」」


うん。良いお返事。



こうなる事は前から決まっていたので、

いつでも旅立てるよう準備万端だ。


今回の旅路は前回程ではないし、

馬車も頻繁に出ている。


なんせ、目的地は王都だ。



王都にある魔法大学に向かう。

そこで転移魔法と魔力運用の効率化について調査するつもりだ。


なので、旅の行程よりも向こうでの滞在期間の方が不明瞭だ。

場合によっては、向こうに部屋を借りることになるだろう。



ちなみにこの家は私の所有物だ。

ドワーフ爺さんにも協力してもらった力作だ。

この世界には無い部分も多い快適な家なので、

王都とはいえ、それなりに良い部屋でなければ我慢できないだろう。私が。


幸い、資金は潤沢だ。

気に入る賃貸が無ければ最高級ホテルでも構わない。

二人を守る意味でもそっちの方が良いかもしれない。



ともかく、それくらい長期で再び町を離れるつもりだ。



新しい生活にようやく慣れてきたセレネには悪いけど

まあ、言っても仕方ない。置いていくわけにもいかないのだし。



という事でその日は早く寝て、

翌日は朝早くから旅立った。






----------------------






王都ついたぞー!


まあ、旅の様子は前回と似たようなものだった。

少しだけセレネに体力ついたかなってくらいだ。


セレネが毎日、体力作りを頑張っていたとはいえ、

結局そんなに長いことあの家にいたわけでもない。

急には体力もつかない。


前回の旅よりも少し暖かくて快適だったのは良かった。



「それじゃあ、一先ず宿を取りに行こうね」


「「は~い」」


二人共良いお返事。可愛い。

初めて訪れた王都に興奮しているようだ。


なんせ、セレネが暮らしていた大都市よりも大きいのだ。

またノアちゃんの尻尾がクネクネしている。


「二人共。人が多いから絶対に離れないようにね」


「「は~い」」


返事をするなり、私の手を片方ずつ掴む二人。

まあ、多いとは言え流石に向こうの世界ほどではない。


東京とかと違って、人口に対して道幅も広い。

なにせ、車線など無いのだ。

馬車と人が同じ道を歩いていく。

一応、大通りの真ん中は馬車を優先しているが。


私達が三人で手を繋いで歩いてもそうそう邪魔にはならないだろう。

二人共まだちっちゃいしね。


お手々も小さくて可愛ええのう。ぐへへ

あ!嘘!まってごめんなさい!

冗談だから手を離さないで二人共~!



私達は王都の中心部、王城に近い位置にある大きな建物を目指す。



「お客様。当ホテルは~」


「これ」


目的のホテルに入るなり、

私達の服装を見て場違いに思ったのか、

待機していたホテルマンが近づいてきた。


私はいつも通りコミュ障を発揮して、

冒険者カードを提示する。


「いえ、そんなものを見せ・・・!!

大変失礼致しました。すぐにご案内させて頂きます。」



良かった。

流石、最高ランク冒険者は伊達じゃないな。


この世界でも数人しかいないだけのことはあるようだ。

それでも魔王の眷属にすら刃が立たないのだから困ったもんだ。




無事部屋を確保出来たので、

今日はゆっくりして、魔法大学には明日行く事にする。


何日滞在することになるかはまだわからないので、

賃貸探しも観光も今日する必要は無い。


明日大学でヒントを得られそうだと判断したら

長期滞在する事になるだろう。



その日は三人でホテルの高級料理を楽しみながら、

部屋で旅の疲れを癒やすのだった。

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