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21-16.同窓会

 途中から、あまりの脱線の多さに焦れたグリアが会議の主導権を奪い取った。

お陰で一通りの話したいことが話せたから助かったけど。


 ともかく、そんな調子で一回目の作戦会議は終わった。

カノンとの約束の日までに後数回はする予定だ。


 とりあえずの方針として、私は収納空間の棚卸しと、かつて倒したドワーフの組織についてのレポートみたいな物を作ることになった。

これはカノンに危険と懸念を説明するのが目的だ。

未だ全滅していない以上、私とカノンの関係が漏れれば危険に巻き込まれる可能性も無くはない。

その辺りの事は正確に知って貰う必要がある。


 懸念の方は、先程の会議でグリアが言っていた事だ。

組織が暴走しないような体制づくりを考える必要がある。


 そんな感じでグリア指導の元、慣れない書類仕事をすることになった。



 ノアちゃんはいつも通り家を守る事に専念してもらう。

家族も増えて家事も大変なのに、非戦闘員組の指導をした上、自分の訓練も欠かしていない。

やっぱりノアちゃんは真面目な努力家だ。

本当に頭が上がらない。



「気にする必要はありません。

 私は好きでやっているのです。

 とはいえ、甘えさせてくれる分には遠慮なくいきます。

 最近セレネにやられっぱなしでしたしね。

 またアルカと二人きりでゆっくり過ごしたいです。

 早くデートにも連れて行ってくださいね?」


 ノアちゃんの望みなら何でも聞いちゃうわ!

私のお嫁さん可愛すぎる!



 もう一人のお嫁さんであるセレネは、結局暫くは教会で働くことになった。


 再びゴネていたけど、ノアちゃんとグリアのコンビには敵わなかったようだ。


 まあ、既にニクスが目の前にいる以上、セレネ本人には最早教会に拘る理由がない。ぶっちゃけ早く手を引きたいのだろう。


 とはいえ、自分で巻き込んだグリアに咎められては、そんな事は言い出せない。


 ノアちゃんもその辺りの事はわかっているのだろうけど、ニクス本人から頼まれたニクスの力を取り戻す事は、私達も一度引き受けたのだ。真面目なノアちゃんがそれを違えようとするはずがない。


 当のニクスは基本的に私の側で手伝ってもらう。

一応、ノアちゃんの状況次第では、訓練の監督役も手伝う事になった。


 レーネ、アリア、ルカ、リヴィは引き続き訓練だ。

特にアリアは驚くほど成長が早いとは言え、まだまだ先は長い。

目標は四人でノアちゃんに一撃入れられるようになる事だ。

もちろん、ノアちゃんが加減した上でだけど。

本気で走り回られたら誰も見つけることすら出来まい。



 私は訓練に刺激を与えようと思い、自室からクレアに連絡を取ってみた。

別にグリアが久々に名前を出したから思い出したわけじゃないんだからね!



「久しぶりにうちに来ない?

 ノアちゃんも会いたがってるわよ」


「それは良いけどよ。

 それよりお前の力はどうなってるんだ?

 なんかわけわからん事になってねえか?」


 クレアは小型転移門越しに私の変化を感じ取ったようだ。

 今の私は神の使徒であり、ハルちゃんとの繋がりもある。

 神力と魔力だけでなく、それらも合わさって、力の闇鍋状態だ。



「お望みなら私も相手するわ」


「よし乗ってやる!

 今すぐ繋いでくれ!」


 相変わらずのフットワークの軽さだ。

自由に生きすぎじゃない?

私はどんどん雁字搦めになってるのに。

ちょっと前まで同格の冒険者だったじゃない。


 私は小型転移門を広げて、クレアを迎え入れる。



「とりあえずノアちゃん達に会いに行きましょう。

 そういえば晩御飯はもう済ませたの?」


「いや。まだだ。

 久々にノアの飯が食いたい」


「まだ残ってるかしら。

 私達ちょっと前に済ませちゃったのよ」


「随分増えたみたいだな」


 クレアは家の中にいる人の気配を感じ取ったのだろう。

まだ私の部屋から出てもいないのに人数は把握しているようだ。


 私はクレア引き連れて、リビングに向かう。



「クレアさん!?」


 いち早く気付いたノアちゃんがクレアに抱きつく。



「うん?ノアお前、成長遅すぎねえか?

 最後に見た時から殆ど変わってねえぞ?」


 よく一目で気付いたわね。

クレアとノアちゃんが最後に会ったのは三年くらい前だ。

それから一年後くらいに不老魔法を使ったので、一年分くらいの成長はしているはずなのに。



「それは……」


 言葉を濁すノアちゃん。



「そういうクレアも殆ど変わってないじゃない。

 私と同い年だからもう……」


「やめろ!それ以上言ったら切るぞ!」


「クレアでも気にするのね」


「アルカだって変わってねえじゃんか」


「まあ、色々あるのよ」


「また妙な魔法でも使ったのか?」


「うぐ……」


「なんだ?教えろよ。

 私達の仲じゃねえか」


「そんな仲良かったっけ?」


「まあ、言うほどでもねえな」


「それにしてもクレアも丸くなったわね。

 五年くらい前までは殺戮マシーンかなにかだったのに。

 ノアちゃんのお陰で人の心が芽生えたのかしら」


「よし!今すぐ表出ろ!」


「良いけど。今の私に勝てるかしら」


「随分な余裕じゃねえか。

 ふざけた量の力を手に入れた位で調子に乗りすぎじゃねえか?」


「クレアさん。今のアルカ本当におかしな事になっています。

 私とセレネと一緒にやりましょう。

 少し懲らしめたかったんです」


「もう寝る所だったし明日にしない?」


「セレネは明日から教会でしょう?」


「明日から働かせるつもりなのに、この時間から激しい運動させる気なの?」


「いつも似たような事してるじゃないですか」


「全然違うわよ!」


「ほら、早く行くわよ。

 折角なら子供達にも参考に見てもらいましょう。

 だからあまり遅くならない内に済ませるわよ」


「その前に紹介くらいしなよ。

 クレア。私はニクス。あなたを勇者に指名した者です。

 その節は大変助かりました。

 そして、あの戦いに巻き込んだ事を謝罪します」


「……なるほど。これが神の力か。

 アルカに混じってるのはそれだな?

 どうりでアルカが調子に乗るわけだ」


「今のアルカは私の使徒です。

 勇者や聖女と似たような存在とお考えください」


「まあ、どうでも良いけどよ」


「じゃあ、他の子達も紹介していくわね」


私はレーネ達を紹介していく。

一通り済んだところで、家から出て訓練場に向かった。

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