21-6.説明会
「え!?何この美少女!?アルカの妹!?え!?本人?え!?どういう事!??なになに何なの!?!!」
私を一目見て壊れるカノン。
「カノンお姉ちゃん・・・」
「アリア初めて見た時みたい」
「アルカちいさい?なんで?」
『アルカ様!今度こそ私に抱かせてください!』
そう言えば、レーネにはさせてなかったわね。
そう思った私はレーネに近寄り、豊満な胸に顔を埋める。
いやまあ、普通に抱きついたら、身長足りなくてそうなっちゃっただけなんだけど。
「アルカ様ぁ!!!」
レーネも大興奮で抱き締め返してくれる。
これは中々~
今度またゆっくりやってもらおう。
『ハルがやってあげる』
『おとなハルもおおきい』
そう言えばそうだったわね。
是非お願いするわ。
でも、これは子供の姿でやるのに意味があるのよね。
変身もハルちゃん任せだからなぁ~
『そのためには』
『アルカへんしん』
『じぶんでして』
多分出来るはず・・・
久々にインチキスキルが火を噴くぜ!
『かいせきする』
できるの?
『ハルもほしい』
頑張って~
『うん』
「全員落ち着いてください!
レーネはもうアルカ離して!こっちにください!」
あれ?
ノアちゃんまで正気を失うと進行不能になるので、仕方なく私はいつものサイズに戻る。
私は周囲から降り注ぐブーイングの嵐を掻い潜って、ダイニングテーブルのお誕生日席に着席する。
「さあ、話を始めましょう。
早くしないとカノンの行方不明騒ぎになってしまうわ」
私の対面にカノン。両脇に家族達が渋々着席する。
私の右手にセレネ。左手にはニクス。
セレネの隣にはノアちゃん。ニクスの隣にはレーネと続く。
ハルちゃんはまだ私の中だ。
安定の特等席である。
「ありがとう。皆。
まず、今回のお客様を改めて紹介するわ。
アリアとルカの姉で、カノンって言うの。皆宜しくね」
私の紹介に合わせて自己紹介をするカノン。
どうやらかなり話しなれているようだ。
流石は起業家お姫様だ。
「はい!」
カノンの紹介が終わった直後に手を挙げるアリア。
「どうしたのアリア?」
「アルカはカノンお姉ちゃんもお嫁さんにするの?
先にそれだけはハッキリさせておいて」
「少なくとも、今の私にそのつもりは無いわ。
今回はあくまでも、お仕事を一緒にやりませんかっていうお誘いなの。
誰かあと気になる事はあるかしら。
無いようなら話を進めさせてもらうわ」
「はい!」
「どうぞアリア」
「どうせ時間の問題なんだからカノンお姉ちゃんも誘いましょう!私お姉ちゃん大好きなの!」
「アリア。その話は後にしましょう。
先に真面目な話をさせて頂戴」
「ひどいわ!私は真面目よ!
ルカもそう思うでしょ!?」
「アリア。着席」
「なんでよ!?」
「アリア。後でゆっくりアリアのお話も聞いてあげるから。
今はアルカの話を聞かせてほしいの」
「カノンお姉ちゃんがそう言うなら・・・」
渋々腰を降ろすアリア。
「他はないわね。なら始めるわ。
まずはカノンにも私達の状況を説明させてもらうわね」
私は自分達の事情を簡単に説明する。
寿命の事。敵の事。ニクスの事。
流石に喋り過ぎかとも思ったけど、最低限その程度は知らせておかないと趣旨が伝わらないし、危険もある事は理解してもらわねばならない。
試用期間等を設けるのも難しいだろう。
簡単に結果の出るような事でも無いし、私達には評価基準すら無いのだから。
カノンの能力や人柄はニクスの直感を信じる事にする。
私も人柄については問題視していないし。
「ここまでで疑問はある?
他の子達もなにか気になった事とか足りない事があれば言ってね。」
「正直信じられない事ばかりだけど、ともかく一度最後まで話を聞くわ」
「わかったわ。カノン。
その辺りも後ででも質問してくれて良いから。
他には誰かある?」
「はい!」
「セレネどうぞ」
「わかってるとは思うけど、敵の事は後でもう少し詳しく伝える必要があるわ。
全てを知ってもらうのは難しいけれど、それでも可能な限りの危険は伝えておかないとフェアじゃないもの」
「わかった。後で機会を設けましょう。
セレネもその時は宜しくね。
場合によっては教会の事も伝えなきゃだし」
「もちろん」
「他は無いわね?
じゃあ次は・・・」




