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21-2.ルームシェア

 何とか昼過ぎに自宅を出た私達は買い物に繰り出した。

まずはこの町で必要なものを買い揃えてから、服を買いに行くことにする。



「そういえば、無断外泊してしまったわね」


「だいじょうぶ」

「ハル、ノアに」

「つたえた」


「流石ハルちゃんね!ありがとう!」


「セレネからでんごん」

「おしおき」

「だって」


「まあ、もう一回も二回も変わらないでしょ」


「じゃあ、このまま一週間くらい逃避行する?」


「ニクス!?良いの!?

 そんな事言ったら本気で行っちゃうわよ!!」


「ダメ」

「みとめない」

「ノアとやくそく」

「きょうかえる」


「「は~い・・・」」


「それはそれとして、仕事が始まってもニクスは私に付いてきてね。

 基本的に側を離れるのは認めないわ」


「それは別に良いんだけど、突然どうしたの?

 ついさっきまであんなに優しくしてくれたのに」


「ごめんなさい。言い方が悪かったわね。

 別に命令しているわけじゃないの。

 私が一緒にいたいから付いてきてくれる?」


「うん。良いよ」


「もういく」

「みつめあって」

「ないで」


「ハルはアルカに抱っこされてるだけなのに偉そうだね」


「ハルせんよう」

「ニクスでも」

「ダメ」


「して欲しいなんて言ってないよ!」


「ニクスはその分、後で抱きしめてあげるわ」


「抱っこの代わりって聞くとなんか嫌!」


「こだわりがつよい」

「ニクスめんどう」


「まあ、良いじゃない。

 私、ニクスの好みは全部聞くことにしたの」


「アルカは極端すぎるよ!!

 そこまでしなくていいから!」


「そうね。特別扱いにならない程度にしておくわ。

 ニクスはそっちの方が良いのだものね」


「アルカちがう」

「ぜんぜんダメ」


「そうだよ!

 こんどはそっちに気を取られてるだけでしょ!」


「難しいわね」


「何も前提条件を考えなくていいの。

 もっと素直に会話しようよ」


「いえ、もちろんそれはわかっているのだけど、そうではなくて、私がニクスの為になにかしたいから、加減が難しいのよ。ついつい考えちゃって」


「アルカ・・・」


「ニクスちょろ」


「ハルには言われたくないよ!

 アルカに最短攻略されたじゃん!」


「ハルとアルカ」

「うんめいの」

「あいてだから」


「ね~」


「私とは違うの?アルカ?」


「・・・違くない?

 ニクスが私をこの世界に呼び出して無理やり落としたんでしょ?」


「何でここで裏切るの!?」


「あれ?違った?

 加減が難しいわね」


「アルカきちく」


「意識しすぎて空気読めなかったら意味ないじゃん!」


「アルカだし」


「ハルちゃん?なんで数日でそんな認識に?」


「アルカだし!」


「ごめんってば!許してニクス!」


「もう」


「もうじかんない」

「かいもの」

「はやくすませる」


「「は~い」」



 私達はまた生活雑貨を揃えて周り、ヘパス爺さんの店に向かった。



「今度はハルちゃんの指輪をお願いね。

 いつも通り頑丈なやつでね。

 それと色は黒系で、赤い宝石を付けて欲しいの。

 後は名前を彫ってほしくて・・・」


「結婚指輪だよね?

 そんな配色で良いの?」


「いい」

「アルカに」

「ハルのって」

「わかるやつ」

「してほしい」


「まあ、十個もしてたら被らないようにする為に仕方ないのかもしれないけど・・・」


「まだ二人の分を合わせても六個よ!」


「じかんの」

「もんだい」


「六個もしておいて、まだって言えるの?」


「うぐ・・・」


「もう次は作らんぞ」


「そんな!?」


「驚くってことはまだ増やすつもりがあると」


「ハルきにしない」


「まあ、ハルの立ち位置は唯一無二だから誰にも邪魔されないだろうけど・・・」


「ニクスも何時でも私の中に戻ってきてね!」


「ルームシェア」


「それはなんか嫌だよ!」


「ほれ、騒いどらんで続きを言え」


「そうね。えっと・・・」



指輪と雑貨の注文を終えて、次はいつもの服屋の近くに転移した。

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