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21-1.三人

 私はニクスとハルちゃんとの三人だけで自宅の風呂に来ていた。

何故かいつもの露天風呂から追い出されてしまったのだ。


 今日は徹底的に三人きりにしてくれているらしい。

風呂の件だけでなく、食事もわざわざ部屋まで運んでくれた。

きっと、ニクスに気を使っているのもあるし、私がまた暴走しないように、ニクスとの関係を改善しろとのメッセージも込められているのだと思う。

ならばありがたく、この時間を活用するとしよう



「ニクス~、痒いところはな~い?」


「子供扱いは嫌だよ!」


 ニクスは意外と細かいことを気にする。

恋愛的な事だけでなく、子供扱いも年寄り扱いも嫌がるようだ。

まあ、要は年頃の少女として扱って欲しいのだろう。

ならもう、からかうような事はせずにそう扱おう。



「ごめんね。悪気はなかったの。

 少し浮かれていたんだわ。もう言わないから」


「ううん。髪洗ってくれてありがとう。アルカ。

 とっても気持ちよかった。これからは毎日やってね」


「ニクス!!!」


「ほら、もうはしゃいでないで湯船に入ろう。風邪引いちゃうよ」


「うん!」


 ニクスの髪に付いた泡をお湯で洗い流してから、自分の事も済ませて、二人と一緒に湯船に浸かる。

そして、先に洗われて寛いでいたハルちゃんを抱き寄せて、ハルちゃんの綺麗な長い黒髪を纏める。



「ありがと」


「どういたしまして。ニクスもやる?」


「おねがい」


「うん!」


 私は同じようにニクスの綺麗な金髪も纏めていく。



「二人とも、本当に綺麗な髪ね~」


「これもアルカの」

「すきなだけさわって」


「ありがとう!ハルちゃん!

 あとでブラシもしてあげるからね~」


「うんおねがい」


「私もして」


 私はニクスを振り向かせてキスをする。



「違う!そっちじゃなくて!」


「うん。それはわかってるんだけどね。

 大丈夫。ブラシも喜んでやらせてもらうわ!」


「もう。別に良いけどさ」


「じゃあもう一回!」


「一回で良いの?」


「何回でもしたいけど、ニクスはあまりしつこくされるの嫌かなって思って」


「・・・そんなことない。

 今はもう違うの。いっぱい触って欲しい」


「ニクス!!」


「でも、こわくしないでね・・・」


 あかん鼻血出そう。

ニクスの上目遣いは刺激が強すぎる。



「もちろんよ!」


「ハルはこわく」

「していいよ?」


「ハルちゃん!!」


「アルカ!こっち見てよ!」


 ニクスは私の顔を両手で挟んで自分に向けて、キスしてきてくれた。



「!?」


「あ!」


「アルカ!」





 私は気がつくと、また自室でニクスに膝枕されていた。

どうやら、風呂で倒れたらしい。



「アルカ。ごめんね。大丈夫?」


 心配そうに覗き込むニクス。



「大丈夫だからもう一回」


「もう」


 渋々な風の真っ赤なニクスが私にキスをしてくれる。



「今度は気絶しなかったね」


「ニクスからあんな強引に来てくれるなんて思ってなかったから。とってもびっくりしちゃったの。

嬉しすぎて興奮したのもあると思うけど」


「そっか」


「ハルも」


 私の上にいつの間にか現れたハルちゃんが、私の唇に自分の唇を重ねる。



『ハルちゃん!ハルちゃん!ハルちゃん!』


『アルカ!』

『アルカ!』

『アルカ!』


「ハル長すぎ!交代!」


 一度のキスで数分くらいしがみついていたハルちゃんに、ニクスがしびれを切らして要求する。



『ハルちゃん!GO!』


『がってん』


 上体を起こしたハルちゃんが、そのままニクスの唇も奪う。



「!?!?!?!?!?」


 混乱したニクスを二人で押し倒し、顔中にキスしていく。

ニクスの眼の前で私とハルちゃんもキスしたりを交えながらそんな事を続けていると、次第にニクスも自分からキスするようになり、三人で混じり合っていく。










 いつの間にか日が昇っていた。

結局、一晩中続けていたようだ。



「一回寝ましょう。買い物も行かなきゃだし、お昼までには起きれると良いのだけど」


「調子に乗りすぎだよ!というか何で私ハルにまで!」


「いまさら」

「それに」

「ニクスたのしんだ」

「ハルもニクスすき」

「だからいい」


「私はそんな簡単に割り切れないよ!」


「ニクスもいっぱい」

「ハルにした」


「もう言わないで!何か流されただけなの!」


「ニクスは気を付けてね。

 多分あなた、快楽への耐性が低すぎるわ。

 その癖頑丈すぎていくらでも応えてくれるのだもの。

 セレネに目を付けられたら部屋から出してもらえなくなるわよ」


「今のところそんな心配いらないよ!」


「そうかしら?時間の問題だと思うけど」


「なんで!?」


「確かに今のセレネはニクスを嫌っているけど、セレネだって優しすぎるくらい優しいんだもの。

 何時までも嫌いって感情は続かないのよ?

 しかも当の私がニクスを愛しているのだもの。尚更だわ。

 それに今度はセレネと三人で同じような事をすれば吹っ切れる可能性は高いわね。

 多分、前の私と同じようになるんじゃないかしら。

 ニクスの事が嫌いだけど、それはそれって」


「やらないよ!?」


「それはどうかしらね。

 セレネは私に良く似てるから」


「アルカ・・・まもってくれる?」


「わかったわ!例えセレネだろうとも私のニクスには触れさせないわ!」


「アルカちょろい」

「セレネいちばん」

「セレネゆうせん」

「たのまれたら」

「ことわれない」


「うぐ・・・」


「アルカ!?信じていいんだよね!?」

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