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20-4.再現

「何で私の部屋にハルがいるの!?」


「私の部屋って、まさか私の心の中の事?」


「そうだよ!

もう次の女を住まわせてるの!?」


「どういう事ですかアルカ?」


『ハルちゃん。一回出てきてくれる?』


『・・・』

『うん』


ハルちゃんは渋々といった感じに承知してくれた。


私の体から黒い霧が湧き出してきたかと思うと、

一箇所に集まってハルちゃんの姿に変わる。



「ニクス」

「だめ?」


「ハルちゃん!良いのニクスの許可は要らないよ!」


「なんでそうホイホイと心を見せられるの?

アルカってやっぱり何かおかしいわよ?」


「セレネの言う通り普通は抵抗を持つものですよ?」


「ノアちゃんとセレネこそ私に見せられないの?

私は二人になら全て見せてもかまわないわ」


「うぐ・・・」


「何怯んでるのノア!

どう考えても見せられなくて当然よ!

好きだからこそ隠しておきたいことだってあるのよ!」


「そうですよ!

アルカだって前にそう言ってたじゃないですか!」


「それはそれよ。

ノアちゃんが心の中に住んでくれるならそれくらいは許容できるわ」


「セレネ・・・」


「わかった。もうそれは良いわ。

アルカとこの件で話しても無駄なのはわかったわ。

けれど、やっぱりアルカおかしいわ。

ハルに魅了でもされているの?

いくらなんでも急激すぎるじゃない」


「なんて事言うの!?

ハルちゃんはそんな事しないわ!」


「アルカ」

「ちが」

「セレネ」

「ただし」


「ハル」

「の」

「め」

「みると」

「すこし」

「すき」

「なる」


「それに」

「ち」

「すわれて」

「も」

「すき」

「なる」


「でも」

「ふつう」

「アルカ」

「ほど」

「じゃない」


「てきい」

「ない」

「ていど」


「え!?」


「眼の方は吸血鬼本来の能力じゃないよね?

変身の魔術と良い、

どうしてアルカの世界の吸血鬼の能力ばかり再現してるの?

ハル、君のお母さんの名前は何て言うの?」


「ママ」

「は」

「ママ」


「名前は知らないの?」


「・・・」

「うん」


「悪いけど、少し記憶を覗かせてもらうよ」


「うん」


ニクスがハルちゃんの額に手のひらをあてる。



「・・・ありがとう。

やっぱそんなわけないよね」


「ニクス。一人で納得していないでちゃんと話しなさい」


「ハルのお母さんの顔を見てみたんだ。

私は異世界から来た誰かかとも思ったのだけど、

そうでは無かった。

少なくとも私の知らない人物だったよ」


「なんでそう思ったの?

例の組織がハルちゃんの出生に関わってるなら、

そんなタイミングは無いでしょ?

それに、数百年前の人なら吸血鬼の能力なんて知らないんじゃないの?」


「出生の理由はあくまでも推測だよ。

他の可能性も考えておくものだよ。

もう一つの質問は・・・」


「アルカの世界とこちらの世界では時間の流れが違うからでしょ。

きっとこっちの方がずっと速いのよ」


「・・・」


「そう・・・だったの?

じゃあ、私のお母さんはまだ・・・」


『「「「「・・・」」」」』


「いえ。ごめんなさい。

なら尚の事よね。私は変わりすぎてしまったのだし」


「アルカ」

「むかし」

「もどり」

「たい?」


「えっと、否定はできないけど・・・

でも・・・」


「ハル」

「まかせて」


ハルちゃんはそういうなり、

再び私の中に入り込む。


『からだ』

『かして』


戸惑いながらハルちゃんの言葉に従うと、

私の体が魔力に包まれる。


一瞬、視界が真っ暗になった後、

再び見えるようになった光景に違和感を感じる。


眼の前にいるノアちゃんの顔が高い位置にある。



「アルカ!なんて可愛いの!?

ハルあなた良い仕事するわね!

私は認めてあげるわ!」


私を抱き上げて思いっきり抱きしめるセレネ。



「何馬鹿なこと言ってるんですか!

そんな簡単に認めて良いわけ無いでしょ!

それよりアルカを離してください!

私も抱きたいです!」


『その次は私にも抱かせてください!』


「じゃあ私も!」



『えっと、つまり?』


『アルカ』

『いま』

『こども』


『この』

『せかい』

『きた』

『ばかり』

『ころ』


『きおく』

『みて』

『さいげん』

『した』


『ハルちゃんはやっぱり凄いわね』


『ふへ』

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