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19-18.顛末

「流石にいきなり寝室に知らない女連れ込むのはどうかと思うわ」


「私だよ!」


「ヘメラさんでしたっけ?」


「セレネ良い加減にしてください。

今はニクスなんかより、

責めるべき相手が他にいるはずです」


「なんかって言った!?」


「そうね。今はアルカの事よね」


「それで?

もう一度言ってくださいアルカ。

ハルとどうしたいですって?」


「・・・ハルちゃんとの交際を認めてください」


「はあ~~~」


「まあ、なんかこうなる気がしていたわ。

ハルに対しては異様な入れ込み具合だったものね」


「アルカ軽薄?」


「この場合は尻軽と言うのでは?」


「ノアお姉ちゃん!ルカに変な言葉教えないで!」


「すみません。アリアの言うとおりですね」


「アルカまたうわき?」


『そうなんです。リヴィちゃん。

もうすぐ婚約発表の式典もあるのにどうしましょう。

やはり、全員で参加するべきなのでしょうか』


「王様もやっぱレーネ返せって言うんじゃない?」


『アルカ様!なんとかして下さいませ!』


「はい・・・誠心誠意謝ってきます・・・」


「それでどうにかなるとも思えませんが」


「ともかく、エイミーさんには流石にまだ言えないわね」


「また倒れてしまいますからね」


「でもへパスの所には行くよ?

私の指輪のサイズ、念の為確認しておきたいし」


「もう出来ているかもしれませんよ?」


「ほら、ノアまでニクスの脱線に乗らない。

アルカを詰めるのが先でしょ」


「そうでした。

さて、今回の問題はハルに手を出した事ですね」


「皆、私の体がここにあることは気にならないの?」


「どうでも良いです」


「どうでも良いわね」


『もっと大事な事があります』


「酷い・・・」


「で、結論としては、

ハルを五人目の嫁に迎え入れたいと」


「そうです。その通りです!

お願い皆!ハルちゃんとの仲を認めてください!」


「おねが」

「します」


『「「はぁ~~~~~」」』


「お姉ちゃん達!それは流石にハルが可哀想よ!

アルカはたくさん叱って良いけど!」


「まあ、そうですね。

ハルもまた被害者なのでしょう」


「とはいえ、流石に早すぎるわよ。

最短記録じゃない」


『向けられる想いの強さでも私は追い抜かれてしまったのでしょうか』


「心の中で見ていた私でも流石にこれは無いと思うよ」


「そもそも、見た目も話し方もルカより年下なくらいですよ?

アルカに良心の呵責は無いのですか?」


「うぐ・・・」


「そうよ!ハルが良いのなら私達とも今すぐ結婚して!

良いでしょアルカ!」


「いえ、それは・・・」


「アルカ、ルカよりハル好き?」


「その・・・」


「リヴィおとななれるよ!」


「うぐ・・・」


「ちょっと、収拾つかなくなるから、

ニクスは子供達、連れて行ってくれない?」


「何で私なの!?

私もアルカの嫁の一人だって認めてくれたんじゃなかったの!?」


「ニクス。

私はあなたにもアルカの事を頼んだはずです。

だというのにこの体たらく。

もうあなたの出番は終わりました。

大人しく下がっていてください」


「・・・はい。仰るとおりです」


肩を落としたまま子供達を連れて引き下がるニクス。



「それで、アルカはどういう経緯でそう望んだのですか?

たった一日で何故心奪われてしまったのですか?」


「・・・たぶん、一目惚れです」


「アルカはハルの容姿が好きなの?」


「そうじゃなくて!

いえ、勿論容姿も好きなんだけど!

それだけじゃないの!」


「ハルちゃんの心が綺麗だったから。

優しくて寂しくて辛くて。

そんなハルちゃんの心に踏み込んで行ったら、

もう愛しくて堪らなくなったの」


「ハル」

「も」

「アルカ」

「すき」

「やさし」

「から」


「アルカ」

「ハル」

「の」

「こと」

「たくさん」

「かんがえ」

「くれた」



「・・・どうやら本気の様ですね」


「少なくとも調子に乗ってついって感じではなさそうね」


『けれど、アルカ様はこのペースで増やしていくのですか?

私が嫁入りしてから一月程度しか経っておりませんよ?』


「月一は勘弁して欲しいわね」


「好きにしろとは言いましたが限度があります」


『半年後にはまた建て直しが必要になってしまいますね』


「流石にそれは・・・」


「よく言えますね?」


「ごめんなさい・・・」


「ハル」

「こども」

「だめ?」


「まあ、そうですね。

流石に幼すぎるように見えます。

人間の文化では受け入れづらいのは事実です。

私達が言えたことではありませんが」


「わかった」


ハルちゃんはそういうなり、

黒い霧に包まれる。



「これでいい?」

「ハル皆より」

「年上だよ?」


霧が晴れると、

ハルちゃんの姿は二十歳くらいにまで成長していた。



「なんか話し方もマシになったわね」


「というか、問題は見た目だけでは無いんですが」


『ハルちゃ、ハルさんは、

私達に受け入れて貰うために何かしたいと思ってくれているのですね』


「ちゃんでいい」

「ハル」

「おばあちゃんだけど」


「まあ、数百歳は生きているのでしょうけど」


「それ言い出すとなにか別のラインを超えませんか?」


『ニクスの方が年上でしょうし今更では?』


「子供好きなのか年増好きなのかハッキリしない?」


「セレネ、言葉が過ぎますよ。

年増はダメです。失礼です」


『ともかく、アルカ様は見境が無いのですね』



「アルカ。そしてハル。

私から提案する条件は一つです。

ハルが私達を認めさせてください」


「流石に話が急すぎて、

私達はハルの事を何も知りません」


「これから仲良くしましょうという意味で家族に迎えるのは認めました」


「ですが、私達と同じ扱いをするという話はまた別です」


「まずは互いを知りましょう。

そうでなければ判断のしようがありません」


「セレネとレーネもそれで良いですか?」


「まあ、そうね。

一先ずはそんな所でしょう」


『異論はありません』


「ありがとう」

「ハル頑張る」


「その間、ハルは元の姿に戻って構いません。

というか、人間社会と関わる時だけその姿になってくれれば十分です」


「うん」


ハルちゃんの姿が元に戻る。



「さて、ハルへの話はそんなところでしょう。

ハルにはわるいですが、少しアルカの部屋にいてください。

まだアルカとは話があります」


「うん」

「アルカ」

「がんば」


そう言って、ハルちゃんは転移した。



「少し外で話しましょうか」


「久しぶりに私達の相手でもしてもらいましょう」


『私の成長も御覧ください』


「折角ですからニクスも呼んであげましょう」


「それはどっちで?」


「流石に、私達ではニクスとアルカまとめては無理でしょう」


『では、ニクスにはこちら側についてもらいましょう』


「まあ、あの駄女神一人なら、

後で言葉責めでもすれば、お仕置きは十分ね」


「という事で行きますよアルカ」


「・・・はい」

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