19-17.秘密
私はニクスとハルちゃんを両腕に抱きしめて横になる。
「少しは落ち着いた？」
「うん。ごめん。
やりすぎたわ」
「まったくもう」
「アルカ」
「おかし」
「ニクス」
「いたずら」
「した」
「せい」
「そうよね。
元はと言えばニクスがイタズラしたせいよね」
「うぐ・・・」
「ニクスはお詫びに私にキスして」
「さっき沢山したよ！」
「全部私からじゃない。
ニクスからもして欲しいわ」
「わかったよ・・・」
ニクスが少し体を持ち上げて、
私に覆いかぶさってキスしてくれる。
「ふふふ。しあわせ～」
「ハル」
「も」
「うん！」
ハルちゃんも同じようにキスしてくれる。
「なんでアルカはもうハルに完落ちしてるの？
出会ってからまだ丸一日すら経ってないよ？」
「何かもう運命だったんじゃない？」
「アルカ」
「すき」
「私もハルちゃん大好き！」
「もうもうもうもうもう！
どうして毎回こうなるの！
私の初めてなのに！」
「ニクス。落ち着いて。
ニクス大好き。愛してるわ。
こっちを見て」
「アルカのスケコマシ！ロリコン！」
「ニクス～」
「もうお終い！
また始めたら話ができないよ！
アルカは気にならないの！？」
「正直、どうでも良いかな。
ニクスがこうして腕の中にいるのだから、
それ以外に重要なことなんて無いもの」
「アルカ～」
「ハル」
「きになる」
「アルカ」
「ニクス」
「はなし」
「きく」
「そうね～
ニクスの話しを聞いてみましょうね～」
「アルカ」
「また」
「おかし」
「ニクス」
「せい？」
「知らないよ！？
でも、そうだね。
浮かれすぎて話にならないから、
どうせなら明日起きてから、
皆で一緒に話しをしようか」
「そう」
「しよう」
「でも」
「きになる」
「けど」
「ハルはどこが一番気になってるの？」
「ニクス」
「なんで」
「ハル」
「できる」
「おもった？」
「う～ん。
いきなり核心を突くね。
それについては正直話せる事は全然ないんだけど、
強いて言うなら正攻法だったからかな」
「せいこうほう？」
「ハルはちゃんと正面から玄関まで歩いて行ってくれたの。
玄関の鍵だけは私が持ってたからね」
「けれど、玄関の扉に行くまででも、
扉を開けるときでも、
どこかで無理やり押し通ろうとすると、
警備兵が飛んできて攻撃してくるの。
私が行こうとしても、
なぜか玄関に辿り着く前に追い返されたし、
アルカは出来たとしても強引にしか行けなかったんだ。
まあ、アルカにはまた別の方法もあったのだけど、
本人が気付かないことには私も言えないし」
「ハル」
「しっぱい」
「したら」
「あぶな」
「かった？」
「・・・まっまあ、上手くいったし良いでしょ！」
「ニクス」
「しんよう」
「だめ」
「ハル」
「きを」
「つける」
「そうよ。ニクスは強引な所があるからね。
それにうっかりも多いの。
ハルちゃんもあまり信用しすぎてはダメだからね」
「わかった」
「アルカひどい！？」
「二人の方が酷いじゃない。
いつまで話しているの？
私の相手もして頂戴」
「うん」
「アルカ」
「もっと」
「ぎゅ」
「して」
「キス」
「も」
「もちろん！ぎゅー！！」
私はハルちゃんを締め上げるくらいのつもりで抱きしめながらキスをする。
「ふへ」
「すき」
「すき」
「アルカ」
「すき」
「もうお終いだってば！」
「ニクスもぎゅー！！」
「苦しいよ！ハルと一緒にしないで！？」
「神様の方が頑丈かと思ったのに」
「たぶん、それはハルが魔物だからじゃなくて、
ハル個人の嗜好の問題だと思うよ」
「そうだったの？」
「ぎゅ」
「すき」
「くるし」
「きもち」
「苦しいのが気持ちいいの？
じゃあ、こうしちゃおう！」
私はハルちゃんに覆いかぶさって、
体重を預けるようにしてキスをする
「これ」
「すき」
「もっと」
「もう止めて・・・
いきなり目の前でそんなアブノーマルなの始めないで・・・」
「ニクスもやってあげようか？」
「嫌だよ！」
「しょうがないなぁ。
ごめんね。ハルちゃん。
また今度しようね」
「うん」
「ニクス」
「かわいそ」
「だから」
「ありがと！
ハルちゃん大好き！」
私はハルちゃんの上からどいて、
ハルちゃんとニクスの間に戻る。
また二人を抱き寄せて、
今度はニクスに優しくキスをする。
「もう私の感情グチャグチャだよ・・・」
「壊して治して繰り返せば強くなるんじゃない？」
「もう何千年もやってるよ！？」
「そういえばそうね。
精神に形状記憶でも付いてるのかしら」
「アホなこと言ってないでもう寝よう！
明日は皆で話し合いだよ！
アルカが早速ハルを手籠めにした事もね！」
「・・・もう少し隠しておかない？
秘密の交際ってドキドキすると思うの」
「それはただの浮気でしょ！
セレネに言いつけるからね！」
「冗談です・・・ごめんなさい」
