19-9.休暇の予定
私はノアちゃんとハルちゃんを連れて別荘に転移する。
別荘の建物は、先日爺さんに来てもらって、
二人で大きな物に建て替えた。
その時に、全員で入れる大きなこたつを設置する事にした。
今の季節はみんなにも大好評だ。
私は全員にこたつに集まってもらって、
暫く休むことになったのを伝える。
「やったぁー!!
アルカ!アルカ!」
隣に座っていたアリアが大はしゃぎで抱きついてくる。
相変わらず私の膝の上で丸まっていたハルちゃんが身を固くする。
この騒がしい場所に連れてきてしまったのは申し訳ないけど、
ハルちゃん自身が私から離れようとはしなかった。
長い事一人だったから人恋しいのかしら。
それにこの子、
私の力にビビってただけじゃなくて、
人見知りでもあるのね。
『私達の同類だね!』
『私はもう、人見知りを卒業したと思うわ』
『ふっふっふ!甘いね甘すぎる!
そんな簡単に直るものじゃあないんだよ!』
『何千年も抱えている人が言うと重みが違うわね』
私はアリアの頭を撫でながら、続きを話す。
「えっと、ざっくり予定を決めてみたんだけど、
何日かはハルちゃんと仲良くなれるようにゆっくりしたいの。
それで、その後は皆と一人ずつデートしたいのだけどどう?」
『「「「「「「賛成!」」」」」」』
ニクスも行くの?
私の一人歩きにならない?
「各自行きたいところがある場合は考えておいてね。
勿論、私に任せてくれても良いからね」
『「「「「「「は~い!」」」」」」』
「順番はどうしようかしら」
ピシィッ
何かが張り詰めたような音を聞いた気がする。
「アリアいっちば~ん!」
「リヴィもいちばん!」
「私は最後が良いわ」
「私は何番でも良いです」
『私も何番でもかまいません』
『私も~』
「ルカも・・・一番が良い」
「え~と、アリア、ルカ、リヴィが一番が良くて、
セレネが最後、他は何番でもってところね。
じゃあ、一先ずセレネは確定ね」
「ふふふ。ちなみに行先はアルカにお任せよ。
沢山経験を積んで楽しませてね」
「私達を練習台扱いする気ですね」
『まあ、セレネらしい姑息な手だよね』
「何とでも言うが良いわ!
アルカとの極上の一日の為ならどんな言葉も気にならないもの!
それに、最後なら次の日の予定を気にする必要もないものね!」
「子供達の前で止めてください」
『色欲聖女』
『セレネは少し抑えて下さいませ。
私の体はアルカ様のものだと言っているのにいつもいつも・・・』
「セレネ、ちょっと来なさい。
アルカ、私達は席を外します。
私の行先もアルカにお任せでお願いします」
「待って!ノア!違うの!」
「アルカみたいな事言ってないで行きますよ。
自分で歩かないのならこのまま引きずっていきます」
「わかった!立ち上がるから!ノア!」
結局、セレネはそのまま引きずられていった。
「さあ、気を取り直して、
一番の皆はどうする?
いっそのこと、皆で行く?」
「う~ん」
悩むアリア。
「いいよ~」
快諾するリヴィ。
「なら三人分で三日間ね」
目ざといルカ。
「流石ルカね!それが良いわ!」
「わかったわ。
じゃあ、最初の三日間はアリアとルカとリヴィとね。
折角だからどこかに旅行にでも行きましょう」
「「「やったぁ!」」」
飛び上がる三人娘。
「じゃあ、その次はレーネ、
ニクス、ノアちゃんの順で良いかしら」
『『了承です!』』
1~3日目:幼少組
4日目:レーネ
5日目:ニクス
6日目:ノアちゃん
7日目:セレネ
こんな所かしら。
ハルちゃんとの時間とか、
間に休息も挟む事とか考えたら、
二週間くらいはかかりそうね。
何だか休暇とは言えない気がしてきた。
『家族サービスは大変だね。
これだけ大家族だと』
『そもそも、ニクスはどうするの?
私が一人でお出かけするだけになっちゃうわよ?』
『そうだね~
なら、頑張ったご褒美をフライングで少しだけあげようか?
一日、心の表層で私の事を好きにするとか?』
『遠慮なく貰うわ。
何しようかしら~
今から楽しみだわ~』
『やりすぎたら即終了で追い出すからね』
『好きにして良いって言ったのに!?』
『私の為のデートでもあるんでしょう?
アルカが楽しむだけじゃなくて、
私の事も楽しませて欲しいな』
『ニクス!わかった!
ニクスを楽しませる事に全力を尽くすわ!』
『本当にわかってる?』
『私もアルカ様にお任せします』
『わかったわ!
レーネの事も楽しませてみせるわ!
期待しててね!』
『はい!』
「アリアお買い物行きたい!」
「ルカは抱っこして欲しい」
「リヴィはね~うんとね~」
三人ともデートに思いを馳せている。
可愛い。
さて、ハルちゃんと親睦を深めつつ、
皆とのデートプランも考えていくとしよう。




