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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
3.白猫少女と研究課題

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3-1.帰り道

私達は、未だ帰路の途中にあった。

既に、往路の倍以上の日数が経過している。



「すっすみません・・・ハアハア、

がっ頑張ります・・・ゼーゼー」



いや、もうわかってたけど、セレネ体力無いなぁ。

まあ、あの環境で十分な運動してるはずないし当然なんだけど!


「大丈夫だから、一度休憩しましょう。」



私達は道の脇にいつものテントセットを設置して中で休息する。


「すみません・・・足を引っ張ってしまい」


最近丁寧な口調が抜けてきたのにまた戻ってしまった。


「大丈夫よ。気にしないでセレネ。ゆっくり行きましょう。

それに次の町に着いたら後は馬車旅だけだから。」




この世界にも定期便は存在するのだけど、

私達の町とセレネがいた町は遠すぎて直通便など存在しない。

いくつかの町を経由して乗り継いでいくしかないのだが、

それでも馬車が通っていない区間も存在する。

その時は歩いて行くしか無いのだ。


しかも、馬車での旅は出発するタイミングに合わせなければならない。

数日目的地に向かう馬車がないなんて事は当たり前で

中継地点でも相当な日数を取られてしまう。


もちろん馬車の向かう先が真っ直ぐ私達の町の方角に向かうわけでもない。

時には回り道もしていかないと馬車を乗り継げない。



もうぶっちゃけ歩いた方が早いのだけど、

セレネの体力の無さは折り紙付きだ。

私がずっとおぶっていくという手も無いでもないけど、

そこまであからさまにセレネに罪悪感を抱かせるような手段は取りたくない。


幸い、セレネはこんな風に自由に旅をするのは初めてだ。

私達が通常より遥かに時間をかけている事には気付いていない。



「セレネ!家に着いたら私と一緒に運動しましょう!

きっとすぐに体力も付きますよ!」


「ありがとう。ノア」



ノアちゃんに元気づけられてセレネが笑顔になる。




「セレネは聖女の力の使い方も調べないとね

まだエルドス達にも狙われてるのだから。」



力を付けて、自分の身を自分で守れるようにするのが一番だ。

私が常に側に居られるとは限らないのだから。


今は毎日お祈りをしてもらっている。

私から言われてやっていても意味はないかもしれないけど、

試さないよりはマシだろう。


神様だって、魔王の復活が近くなれば向こうから接触してくるかもしれない。


世界を守るために勇者が力を授かっているのだから、

もしかしたら信仰心は二の次なのかもしれないし。


勇者が必ず信心深いわけでは無いだろうし、

神なんて戦ったら楽しそうくらいにしか考えていない

クレアに勇者の力が引き継がれているのだから。



クレアがある程度、勇者としての力を継いでいたのに対して、

聖女が欠片も力を発揮できないのはどういう理由なのだろう?


使い方を知らないというのはあるだろう。

聖女は徹底してその手の知識から遠ざけられてきた。


対して、勇者であるクレアは常に実戦に身を置いてきた。

本能的に力の使い方を身に着けていても不思議はない。クレアだし。





教会は魔王の力を利用する為に、

封印に干渉できる聖女の血を欲してきた。

聖女が血族を絶やさなかったのも教会が絡んでいるはずだ。



そこまで考えて恐ろしいことを思いついてしまう。

教会は聖女の血を絶やさないように子を生む事を強制してきたのだろう。

当然、聖女に対して気など使わないだろうから、

若い内から無理やり産ませていったはずだ。


それに対して、勇者の血筋はなんの干渉も受けずに自由に生きてきた。


聖女は勇者に比べて重ねた世代の数が圧倒的に多いのかもしれない。

仮に勇者が10代目なら、聖女は30代目みたいな感じに。


だから聖女の方がずっと力が薄いのかもしれない。

でもそうすると血も薄まりそうな気がするから思い違いかもしれないけど。




いずれにせよ聖女が力を取り戻すには、

再び神と接触して新しい力を授かるしかないのだろう。


なら、セレネに信仰心を持ってもらう事は無駄にはならないと思う。

信仰心なんてものが、必要にかられて身につくものなのかは疑問だけど。


まあ、なにはともあれまずは形からだ。

出来ることは全てやっていくしか無い。

なんせ、相手は魔王なのだから。




私はなんのためにこの世界に呼ばれたのだろう。

もしかしたら、この時の為だったのだろうか。

魔王の封印が解けかけている事を察した神の差し金だろうか。


力を失っているとはいえ、勇者も聖女も既に存在するのに

私がいる意味はなんだろう。

現状から推測するなら、聖女を導くこと?



そもそも、今回の事も関係無いかもしれないし、

何一つ神の意図など関わらず、偶然転移してしまっただけなのかもしれない。




本当にわからない事だらけだ。



でも、今はとにかく目の前にいる二人の守護者でいつづけよう。



ノアちゃんとセレネは絶対に私が守って見せる。

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