18-26.顛末
パーティーの翌日、
私はここ数日の出来事を思い返していた。
アリアとルカと一緒に、
沢山話をして過ごした。
話の途中でレーネの住む人魚の国に行くことになり、
紆余曲折あって、レーネも私のお嫁さんに加わった。
近い内にレーネとの婚約発表の式典が行われるそうだ。
人前に出るのは少し憂鬱だけど、とにかく頑張ろう。
その後は、幼少組も含む全員分の指輪を用意する事になったのだ。
色々開き直る事にしたとはいえ、
流石に調子に乗りすぎだろう。
昨日はエイミーにも叱られた。
この件は、また皆が大きくなったら改めて話す必要があるだろう。
指輪の作成を依頼しに行った次の日は、
リヴィが大人の姿に変身していて大騒ぎになった。
リヴィが自力で力の制御を出来るようになった為、
一応この問題は解決したはずだ。
ニクス曰く、私の力を大量に取り込んでしまったらしい。
それもあって、今のリヴィは生半可な干渉を受け付けないようだ。
訓練で様子を視てみる必要はあるが、
リヴィが強くなったのは喜ばしい。
できる限り一緒に寝るようにするのも良いかもしれない。
多分、今回と同じように密着して眠れば更に強くなるはずだ。
けど、あんまり急激にはやらない方が良いのだろうか。
万が一力の制御が出来なくなれば危険だ。
少しずつ様子も見る事にしよう。
リヴィの大人モードの姿には驚いた。
ノアちゃんも大人になったらああなるのだろうか。
『違うよ。
あれはリヴィの素質が反映されてるだけだよ。
将来のリヴィがああなるってだけで、
ノアはノアなりの成長になったはずだよ。
まあ、もうノアは成長しないけど』
『そもそも、リヴィは自分の意思で成長段階を操作出来るようになったのよね?』
『そうだね。
自力でその領域にまで至るなんて、
育て上げればルネルにすら迫るんじゃないかな。
あの人の底を見たことがないから断言は出来ないけど』
『リヴィって私達の中で一番才能があるのね』
『そもそも聖獣化したドラゴンだもの。
あくまで素体が人間のアルカ達が、同じレベルになるはず無いじゃない』
『ルネルを脇においたわね』
『あんなの真面目に考える方がおかしいよ』
『酷い言い草ね』
『人間と機械で計算速度を競ってるようなものだよ。
アルカがどれだけ頑張ってもどうにもならないって』
『私もかなり強くなったはずなのにね』
『それで思い出したけど、そろそろまたルスケアにも行くよ』
『そんなに頻繁に行くの?
まだ一月も経ってないじゃない』
『必要なの』
『わかったわよ』
『頑張ったらご褒美あげるからね』
『また深層に引きずり込んでくれるの?
それなら頑張るわ』
『もっと良いものだよ』
『?思いつかないのだけど』
『考えなくて良いから。
ただ楽しみに頑張って』
『無茶苦茶言うわね。
まあ、そこまで言うなら信じるわ』
『もう少しすんなり信じてくれない?
アルカ私のこと本気で好きなんだよね?』
『疑うの?』
『別に疑ってないけど・・・』
『ちゃんと証明するから中に入れて!』
『必要ないよ!』
『どうせすぐに追い出せるんだから、
そんなに頑なにならなくて良いじゃない』
『もうこの話はお終い!』
『はいはい』
ともかく、ようやく少し落ち着いたのだろうか。
この町に戻ってきてから、
次々にイベントが発生しててんやわんやだった。
けれど一通り片付いたはずだ。
当初やろうと思っていた事に着手するとしよう。
でも、その前にデートも行きたいなぁ。
セレネの喜ぶ顔が見たい。
ノアちゃんの喜ぶ事をもっと知りたい。
レーネにもまだまだ人間の世界を見せてあげたい。
アリア、ルカ、リヴィと出かけるのも良いだろう。
いっそのこと、一人ずつ行ってみようかしら。
それぞれの好きな事をもっと知りたい。
そうするとまた一週間はかかるだろう。
流石にマズイだろうか。
それぞれの指輪が出来た頃にでも誘えるように、
今から予定を空けられるように頑張っておくとしよう。
『私の番は?』
『体取り戻さないと無理じゃない』
『・・・早く何とかしてね』
『もちろん頑張るわ。
ところで、
神に首輪付けても良いの?
アリアとルカの時みたいに、
誰かに怒られたりしない?』
『・・・さあ?』
「18-2」の誤字報告を下さった方、ありがとうございます!
とても助かっております!




