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18-25.祝福

パーティーが始まって、少し落ち着いた所で、

私はエイミーに話を切り出す。



「エイミー改めて今日はありがとう。

祝福してもらえてとっても嬉しいわ!」


「それは良かったわ。

絶対にお嫁さん達を泣かせてはダメだからね」



「うん!

それでね、まずはレーネの事なんだけど」


『どうかここからは私にお話させて下さい』


レーネが自分の事を説明していく。


人魚の国の姫であること。

私達と出会った時のこと。

最初はレーネ自身の地上への憧れで、

私達に同行しようとしたこと。


私とノアちゃん達の関係を知って、

自分の想いに気付いたこと。

姫としての責務と私達と共に行きたいという想いで

板挟みになったこと。


それを知った国王が私に条件を出す事でレーネを後押ししたこと。

私に口説かれて決意したこと。


それらをレーネの視点でエイミーに語ってくれた。



「レーネちゃんの気持ちはよくわかったわ。

アルカも決して中途半端な気持ちではないのでしょう。

なら、私が言うべきことは、おめでとうだけね」


『ありがとうございます!』


「ありがとう。エイミー」


「けれど、アルカは良く考えるのよ。

ノアちゃんとセレネちゃんの事も含めて、

これは私だから、あなたの姉だから祝福するのよ。

他の人はそうではないと肝に銘じておいてね。

そんな周囲の視線からも、

必ずこの子達の心を守り通しなさい」


「うん。絶対に守り通すと誓うわ」


「ところでニクスさんの件はどうなってるの?

ノアちゃんとセレネちゃんと、

あとレーネちゃんの気持ちも聞いておきたいのだけど」


「ニクスの件も承知しています。

ニクスは私達にとっても必要な存在なんです」


『ノア!』


「私も同じ意見です」


『セレネ!』


『私はまだニクスの事をそこまで言える程の繋がりはありませんが、

ニクスは私を受け入れてくれました。

それに、アルカにとっても大切な人です。

ならば私に否はありません』


『レーネ!』


「そう。あなた達が納得しているのならとやかく言う必要はないわね」


『アルカのお姉様。

どうかご安心ください。

私もこの子達の幸せに尽力致します』


「そうですね。

神様がついていてくれるなら心強い事です」


「ニクスもそろそろ普段の話し方に戻したら?

私のお姉ちゃんにまで人見知りしてるの?」


『仕方ないでしょ!私だって!』


「・・・本当に神様なんですよね?

アルカのイマジナリーフレンドとかじゃ無いですよね?」


「似たようなものかも」


『そんなわけないよ!』


「でも、今のニクスって口出ししか出来ないですしね。

せめて前みたいに姿を表せれば良いのですが」


「たまには何か力でも使ってみたら?

祝いの余興くらいなら出来るんじゃない?」


『やるわけ無いでしょ!

神の力を何だと思ってるの!?』


「厄ネタ」


「災い」


「天災」


『全部同じような意味じゃん!』


「本当に大丈夫なの?アルカ」


「安心して。こう見えてもこの世界をずっと見守り続けてきた優しい神様だから」


『アルカぁ!』


「ちょっと、

マゾヒストで、

ポンコツで、

うっかりが多くて、

やたらしぶといくせに打たれ弱くて、

悪辣な手段も辞さない邪神みたいな存在だけど、

それでも心根は優しい子だから」


『アルカ!?なんでそれで安心出来ると思ったの!?

というかマゾじゃないよ!』


「他は否定しないのですね」


「マゾじゃないも無理があると思うわよ」


『今朝もそんな話しをしていましたね』


『イジメ反対!』



「まっまあ、仲良くしているのは伝わったわ」


「うん。私の大好きな子達だもの」


「アリアは?」


「もちろん大好きよ~」


「ルカは?」


「ルカも大好き~」


「リヴィは?」


「大好きよ~」


「アリアもアルカのお嫁さんだもんね!」


「婚約者!」


「リヴィも!」


「アルカ?まさかあなた・・・」


「・・・」


「アルカ?どうしたの?

指輪くれるって言ったよ?」


「ルカも貰う!」


「リヴィも!」


「ちょっと別室に行きましょうか。

ゆっくり話を聞かせてもらうわね」


「お姉ちゃん!信じて!

決してやましい気持ちは無いの!」


「こんな時だけお姉ちゃんって呼んでも無駄よ。

大丈夫。絶対に見捨てたりはしないわ。

どれだけ呆れ果ててもね」


「お願い!信じて!

ノアちゃん!セレネ!レーネ!

助けて!お願い!」


「「少し叱ってやってください」」


『どうかお手柔らかに』

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