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18-18.買い物

「さて、どうしましょう・・・」


昼食後、年長組で集まって話をしていた。


今日は予定が狂いっぱなしだ。

リヴィが自力で子供サイズになった事で、

全ての問題が解決してしまった。


やっぱりリヴィは天才かもしれない。



『正直こんなに早く習得するとは思わなかったよ。

ルネルの教育の賜物かもね』


「そう言えば個別レッスン受けてたんだったわね」


「遊んでもらってただけでしょう。

その言い方はどうなんですか?」


「ともかく、これでリヴィの事は気にしなくて良いのかしら。

自分で好きなサイズになれるなら、

わざわざ力を消費させて元に戻す必要が無くなったわね」


『リヴィちゃんが大人になっていた時もびっくりしましたけど、

更に驚かされましたね』


「リヴィは凄い子ですから」


『本当はそんなレベルの話じゃないんだけど・・・』


「まあ、とにかく良かったと思いましょう。

午前中の買い物は無駄になってしまったけど」


「いっそ、爺さんなら成長に勝手に合わせてくれる服とか作れないかしら」


「試しに聞いてみましょう。

毎度買いに行くわけにもいきませんから」


『私のお洋服も買って頂けますか?』


「もちろん!今日は私とお買い物デートよ!」


『嬉しいです!』


「じゃあ、私がお爺さんのお店に行ってきます」


「なら私が子守ね」



私達は、各々の役割を決めて動き出した。




私とレーネは、レーネの希望で

最初にチョーカーを買いに来た。


適当な路地裏に転移して、店に向かって町を歩く。



「お姉さん達ちょっと!」


突然若い男に声をかけられて、

レーネの手を握ったまま走り出す。



『先程の方、私達に用があるようでしたが、

よろしいのですか?』


『どうせただのナンパよ。

相手にする必要は無いわ』


『ナンパとはなんですか?』


『若い男が適当な女性に声をかけて遊びに誘うの。

こっちには何のメリットも無いわ』


『?』


『まあ、そういう人種もいるのよ。

気にしないで。レーネの事は私が守るから』


『はい!何から守るのかよくわかりませんがお願いします!』



それからも何度も声をかけられた。

レーネはよっぽど目立つらしい。


レーネの胸が目的かしら。

私は目立ちにくい服装にしてるけど、

レーネはまだ新しい服を買えていないので、

以前購入した胸元の空いたワンピースだ。


もう秋になってるのに、

何時までも夏服でいさせるわけにはいかない。

チョーカーの次は服を買いに行くことにしよう。


レーネ本人はどうやら寒さに強いようだ。

元々人魚だからなのだろうか。



そんなこんなで、ようやくチョーカーを扱っている店にたどり着いた。



店に入ると以前と同じように店員が私達を見て驚く。

別に話をする気も無いので気にするまい。



『アルカ様どれが良いのでしょうか』


『レーネに似合うのはね~』


私はレーネに合わせて念話で返す。

それが何だかちょっとだけ楽しい。

二人だけの秘密の空間みたいに思えてくる。



『これはどう?』


私は青い宝石の付いたものをレーネに当ててみる。

う~ん。もう少し見てみようかしら。


レーネにも見てもらって、

感想を貰いながら選んでいく。


結局、最初に手に取った青い宝石の物にした。

貝殻とか魚とかの装飾は無いようだ。


レーネのを選び終わると、

今度はリヴィの新しいのを探し始める。


今朝、リヴィが大人になった時に、

チョーカーも一緒に千切れてしまったのだ。


リヴィは元々尻尾に付けていたので、

寝る時も外していなかったらしい。


まあ、他の子達も誰も外してないんだけど。

流石に邪魔じゃない?



『外すわけ無いじゃん』


『ニクスのも選んでおこうか?』


『鎖付きの探してくれるんでしょ?』


『ここにはないわね。他で探しましょう』


『冗談だよ!ここのでいいよ!』


『神に二言は無いんじゃなかったの?』


『いじわる!』




結局、リヴィの分はまた鈴の付いた物を購入した。

たまに尻尾を揺らして音色を聴いて楽しんでいたので、

きっと喜んでくれるんじゃないかと思ったのだ。


それに、ノアちゃんもリヴィに違うのを買ったら良い気はしないだろう。

リヴィにプレゼントした時は微妙な反応をしていたけど、

それはそれだ。

ノアちゃんはそういう子だ。



ニクスのはどうしようかしら。



『このドクロっぽいのとかどう?』


『いじわる』


『というか何でこんなのあるの?』


『知らないよ!』


『じゃあこれは?』


『あ・・・うん!それが良い!』



ニクスが気に入ったのは魔女の帽子と箒みたいなデザインだ。

敢えて、ニクスのイメージではなく、

私のイメージで選んでみたら気に入ってくれたようだ。

別に私はこんなコテッコテな格好はした事ないけど。

一応、魔女は何度か名乗っているので問題あるまい。



『それにしても、これの作者ってどんな人なのかしら。

ドクロやら魔女やら、この世界では珍しいセンスじゃない?』


『う~ん。流石にそれだけじゃなんとも・・・』



ようやく選び終えた私達は会計を済ませて、

店を後にする。



また、ナンパをかいくぐりながら路地裏に入って、

自宅に転移した。

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