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2-18.顛末

私達は一度教会のある町に戻ることにした。



クレアは翌朝、朝食をたらふく食べると走って去って行った。

私達のペースに合わせるのはしんどかろう。

なんせこっちは幼女二人だ。両手に花だ。羨ましかろう。



セレネどうしよう・・・


魔王の行方もわからず、復活させようと暗躍している者がいる以上、

セレネを教会に帰して放置というわけにもいかない。


別にもう初対面時の警戒心や忌避感は持っていないのだけど、

一緒に暮らすのもなんか違う気がする。


かといって放置するわけにもいかない。

まだ狙われている事に変わりないのだ。


連れて帰るしかないけどな~なんだかな~

ノアちゃんとの愛の巣に入ってもらうのはな~





「アルカ!これからはセレネも一緒に暮らせるんですよね!」


はい。もちろんです!

ノアちゃん様がそうおっしゃるなら異論などございません。

たった今無くなりました!



まじで?ノアちゃんめっちゃ乗り気やん・・・

まあ、二人は仲良いしね・・・




仕方ない、腹くくるか。

大丈夫別に食い扶持の不安があるわけでもない。


ただちょっと、ノアちゃんとの二人での生活への未練が捨てきれないだけだ。


セレネに対して思う所も無い。


これからはちゃんとノアちゃんと同じように接する事が出来るようにしないと。

一緒に暮らすと決めたのなら、いつまでも他人行儀でいるのは最低だ。



「セレネ!歓迎するわ。私達の家に来てくれる?」


「はい!これからも宜しくお願い致します!」


「セレネも家族になるのだからもっと口調は崩してね。

すぐには難しかったら少しずつでも良いから。」


「頑張るます!」


「ぷっ」


「ノアさん酷い!笑うなんて!」


「いえ、ちょっと前にアルカも同じ事言ったなと」


クスクス笑い続けるノアちゃん。

今日もごきげんだ。



「セレネ。私の事はノアと呼んでください。

これからは私達も家族なのですから」


「うん。ノア!よろしくね。」


「はい。こちらこそ」


笑い合う二人の姿よき・・・




そうして、また数日かけて町に戻った。







----------------------






町へ戻ると、最初にギルドへ向かった。


ギルドで受付に話を通すと、

来た時に教会まで案内してくれた職員さんが現れた。


「アルカさん!無事だったのですね!」


先に戻ったであろう生き残りの冒険者から話を聞いたのだろう。


そして、続けて聞かされた話に驚いた。



教会で大事件が起きた。

現、枢機卿がエルドスを除いて全員殺害された。

エルドス枢機卿及び、ルキウス司教以下数名が行方不明となっている。

それ以外にも多数の死傷者が出ているとのことだった。



私(の代わりに喋ったノアちゃん)はこちらの状況を全て伝えた。

町を出発してから何があったのか

騎士団の襲撃の件と聖地での騒動について。



ノアちゃんが知らず私しか知らない事もあったので、結局喋る事にはなったけど。

セレネからの証言と先に帰還していた冒険者たちの証言もあった事もあり、

騎士団の襲撃については疑われる事は無かった。



しかし、聖地での騒動については事実確認等も含めて

現地に調査隊が送られる事になった。


まあ、行ったところで何も残っていないのだけど。


そもそも、枢機卿達以外にあの場所の詳細な情報を

持っていないようだけど、本当に何を調査するのだろう。



ちなみに、クレアは一応顔を出したそうだが、

ろくな説明をしなかったそうだ。

アルカが来るから任せる!だそうだ。

あんにゃろう・・・




結局、事情聴取や調査待ち等で一月近くを

この町で過ごすことになってしまうのだった。



結論としては、私達の証言通りとされ、

エルドス枢機卿及びルキウス司教以下数名が指名手配される事になった。

また、魔王の脅威への対策は国が主導していく事になった。


上層部が壊滅した教会は立て直しに苦労しているようだ。

枢機卿ごと教会の闇が丸ごと消えたのは不幸中の幸いだったかもしれない。


枢機卿が消えたからか、セレネの聖女解任はあっさり認められた。

本当にお飾りの立場だったようだ。

立て直しの旗印にするとか言われなくて良かった。




そうして、ようやく私達は帰路についた。



「1-3」の誤字報告を下さった方、ありがとうございます!

「1-12」の誤字報告を下さった方、ありがとうございます!

「2-10」の誤字報告を下さった方、ありがとうございます!

読んで頂けて大変嬉しく思っております!

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