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18-15.人化

私は慌てて服を探すが、

当然合うサイズなんて無かった。


体の大きさ以前に翼が大きすぎる。


仕方がなくシーツを体に巻き付けて、

全員でリビングに移動する。


私達がわたわたやっている内に、

アリアとルカも起きてきた。



「リヴィおっきいね~」


翼をペタペタ触るアリア。

あなた意外と肝が座ってるわよね。


ルカはちょっと腰が引けてるわよ。


まあ、この姿を見ては無理もない。

三歳児リヴィの翼と尻尾は小さくて可愛らしいが、

成体リヴィの翼はどう見ても魔物のものだ。



「なんでリヴィは人化魔術で完全な人間にはならなかったの?

レーネは水中で呼吸できなくなるくらいの変化があったのに」


『たぶんドラゴンとしての力が強すぎたからじゃないかな。

リヴィって魔物とは完全に別物なの。

わかりやすく言うと、聖獣ってやつかな。

どっかの神に飼われててもおかしくないレベルだよ』


「なんでそんな事に?

元々ただのドラゴンよ?」


『たぶんアルカとセレネとノアが近くにいたからじゃないかな。

魔力や神力を大量に吸い続けてたんだと思う』


「多分多分って、さっきから随分自信なさげじゃない」


『仕方がないよ。私だってこんなの見たことないもの』


「今までも吸っていたのなら何で今回だけ成長したのかしら」


『そっちはアルカの力が大きく増していたのと、

昨日の会話が原因じゃないかな』


「リヴィが大きくなりたいって言ってたやつ?」


『そうそれ。その気持が暴発したんだと思う。

もしかしたらいっぱい寝たら大きくなるって言われたから、

寝る事で大きくなるって条件づけたのかなぁ?

う~んそうすると・・・』


「ニクス。途中から独り言になってるわよ?」


『ごめんごめん。とにかくリヴィが力のコントロールに慣れるか、

急激に取り込んだ力が抜けきるかすれば、どうにかなると思うよ』


「それってどれくらいかかるの?」


『・・・わからないよ』


「まあそうよね。

戦闘訓練でもして発散させるべきかしら。

そのためには服をなんとかしないとね」


『服は一度ドラゴンに戻してから再度人間にしてみればなんとかなるかも?』


「そういえばそんな親切仕様があったわね」


『けど、多分ドラゴンに戻すのが無理じゃないかな。

見た感じとんでもない耐性を持ってるみたい。

魔力も神力も通らないと思うよ?』


「じゃあダメじゃない・・・」


『まあ、元がドラゴンの上に神力まで獲得してるからね。

生半可な術は通じないよ』


「じゃあどうするのよ・・・」


『とりあえずアルカとセレネは離れてた方が良いね。

これ以上力を取り込んだら元も子もないし。

後は、何とか翼を小さく出来ないかな。

これだけの力があるなら自力での完全人化もできると思うけど』


「リヴィ。翼って小さくしたり消したりできる?」


「う~ん。やってみる」


リヴィがうんうん唸りながら色々試し始めた。

ノアちゃんとセレネは側でアドバイスしている。


ちょっと暫く掛かりそうだ。


『とにかく、リヴィ自身の制御技術を上げるしかないよ。

もう訓練始めるつもりで別荘の方に行くしか無いんじゃない?

服はヘパスにでも頼んでおくとか』


「そっちは大体の採寸してビキニみたいなのでも作ってもらうしか無いかな・・・」


『まあ、今のリヴィを人前に連れて行きたくないのはわかるけど』


「まあ、それは私がなんとかするわ。

ともかく、今日はレーネの件を色々進めないと。

かといってこのままリヴィを放っておいたら、

この家では窮屈よね。

ノアちゃん。リヴィと待ってて欲しいんだけど、

別荘に行っててもらっても良い?」


「はい。それでお願いします。

万が一、人化が失敗してここで大人のドラゴンにでも変身したら大惨事ですから」


「その可能性もあったのね・・・

じゃあ、リヴィには一度試すの止めてもらって移動しようか」


そう言った瞬間、リヴィの体が光りだす。


「!?」


光が晴れると、翼と尻尾が消えて、

白いワンピース姿のリヴィが立っていた。

人化のついでに服も作ってくれたらしい。

相変わらず素材はどこから来てるのかしら。



「アルカ!できた!」


大興奮で私に飛びついてくるリヴィ。



「リヴィ苦しい!力強い!」


あとめっちゃ柔らかい!

これは下着着けてないわね!



「アルカ!ごめんなさい」


「大丈夫よ。そんなに落ち込まないで」


しゅんとするリヴィの頭を撫でる。

すっごい違和感。


自分より大きな女性に甘えられて頭撫でるなんて初体験だ。


というかなんで私に飛びついてきたの?

側でアドバイスしてたノアちゃんとセレネが

怖い顔でこっち見てるんだけど・・・



『アルカが頼んだ事だからじゃない』


まあ、それもそうか。



一応確認したらパンツは履いてた。

上はまあ、多少大きいとはいえなんとかなるだろう。

収納空間から調整の効くものを取り出してリヴィに着けさせる。

窮屈そうにしているがしかたあるまい。


完全人化が上手くいった以上、

ともかく、諸々予定を変更して服を買いに行こう。


ノアちゃんと相談して、別荘行きを延期する。



ノアちゃんとセレネに付き添いを頼んでリヴィには買い物に行ってもらい、

その間に私はレーネと一緒に人魚の国に行ってこよう。


アリアとルカにはどっちに付いていってもらおうかしら。


「こっちで預かるわ。

王様との話も色々あるでしょうし」


「ありがとう。セレネ。

よろしくね」


「任せといて。

アリア。ルカ。

今日は私と一緒にいましょう」


「「うん!」」



「とはいえ、まずは朝ご飯ですね。

すぐに準備するので出かける支度をして待っていて下さい」



『「「「「「は~い」」」」」』


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