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18-7.フラフラ

「ノアちゃん。セレネ。

話したい事があるの。

出来ればレーネとの件が進む前に済ませたい。

今から聞いてくれる?」



私はニクスから指摘された事も改めて考えた。

これまでの、ノアちゃんとセレネとの日々も含めて。


まずは全ての本心を二人にも伝える事にした。

その上でこの先どうしたいのかを話す事にした。



ノアちゃんとセレネは話を聞くことを了承してくれた。


私は自分の想いを語り始める。


最初に伝えたのは先程ニクスにも語った事だ。


その上で、私はレーネが望んでくれるのなら受け入れたいと思う。

ノアちゃんとセレネとニクスとレーネを同等に扱いたいと思う。


けれど、それでもノアちゃんとセレネの為だけに生きていたいという想いも失いたくない。

矛盾してるけど、そう努力し続けたい。


そして、私達のその姿を見て育ったアリアとルカが、

もしかしたらリヴィまでもが、

私を好きだと言ってくれるのなら、

私は受け入れたい。手放したくない。


きっと不老魔術も使うだろう。

永遠に失いたくなんてなくなるだろう。



けれど、もうこれ以上は無理。

だから、次に関わる相手が増えても、

絶対に家族としては迎え入れない。



昔のアリアとルカのように行き場がなくても今度こそ迷わない。

保護して、受け入れてくれる人を探すところまでだ。

そこでお終いにする。


けれど、今の私にそんな強さはない。

今の私では拒絶しきれずに受け入れてしまうだろう。


アリアとルカの時は偶然だ。

心の準備が出来ていなかった私に偶然時間が出来ただけだ。


それはわかっているから、協力して欲しい。


私も努力する。

もう迷わないように。

迷っても方角だけは見失わないように。


必ず強い心を持つから、

そんな私を許して見守ってほしい。



私の話を最後まで聞いてくれた二人は話し始めた。



「アルカ。本当に努力すればそうなると思うのですか?

いつかは、どんな相手でも拒絶できるようになると思うのですか?」


「確かにアルカには必要なことだけど、

けれど無理よ。アルカはそうはならない」


「ニクスの言っていた事は正しいのでしょう。

けれど、そうやって振り回されているからこそアルカなのです。

拒絶しきれずに受け入れてしまうのも、

一度受け入れた相手を手放せないのも、

そうして私達の事を振り回すのも」


『ノアはそれで良いの?』


「良くはありません。

何時までもフラフラしてないで私達だけのアルカでいて欲しいです。

けれど、それでもアルカの優しさを失いたくないのです。

甘くて優柔不断で頼りなくて、だからこそ優しい。

私達はそんなアルカを変えずに支えたいのです」


『セレネも同じ気持ちなんだよね?』


「ええ。異論はないわ」


『そっか・・・

そうだね。ごめん。

私はアルカの事しか考えてなかった。

あなた達は三人で一つなんだもんね。

ノアとセレネの気持ちを考えてなかった』


「いえ、ニクスはそれで良いんです。

私達だけではニクスの言う通りに周囲に不幸も振りまいてしまいます。

だからニクスはバランスを取ってください。

この世界の守護者として、

アルカの守護者として、

アルカの心とその周囲を守ってください」


『うん。良いよ。

お安い御用だよ』


「結局、何が言いたいかと言うとね。

アルカは心の赴くままに好きにやってね。

けれど同時に良く考えてね。

私達三人は、もしかしたらレーネも含めて四人は、

そんなアルカを支えて守るから。

追い詰められて辛くなったら慰めてあげるから。

アルカが決意したのなら応援するから。

けれど、アルカが強い心を持てなくても、

誰かを拒絶出来なくても、

私達は許してあげる。

衝動的に怒ってしまうかもしれないけど、

最後には絶対に許してあげるから。

だからやりたいようにやってね」


「ありがとう。

ノアちゃん。セレネ。

そしてニクスも」


「私達もアルカの事を言えないくらい、

一貫性がありませんね。

本当はアルカには私達だけを見ていて欲しいのに、

それと同じくらい誰かに好かれるアルカでいて欲しいのです」


「仕方がないじゃない。

私達が好きなのはそんな優しいアルカだもの。

欠点もいっぱいあるのにそれを含めて好きなのだもの。

私達もアルカの欠点に腹を立てない度量が必要だわ」


『流石にそれは甘やかし過ぎだよ。

アルカのためにならないよ』


「それはニクスが何とかしてください」


『無茶苦茶だよ!

私に尻拭いさせて二人はアルカと一緒に好き勝手する気だね!』


「さっきお安い御用って言ったじゃない」


『うぐ・・・

良いよ!神に二言は無い!』


「ニクスも割と似た者同士だと思うけど」


「二言まみれだった気がします」


『ひどい!?』


「三人ともありがとう。

私はレーネを受け入れるわ。

アリアとルカとリヴィも。

そう決心したわ。

それ以外の他の誰かまではまだ考えられないけど、

そっちはまずは適切な距離感を保つ努力をするわ。

皆手伝ってくれる?」


「何を調子に乗っているんですか?

リヴィはまだあげませんよ」


「アリアとルカだって、

今すぐ加えるのはダメよ。

ちゃんと成長するのを待ちなさい」


『正直ドン引きだよ。

ロリコンって言ったって限度があるよ』


「三人とも!

そういう意味じゃないってわかってるでしょ!」


「とか言って、

明日にはアリアにキスされてたりして」


「リヴィは私が守ります」


『三人の中ならルカが一番早いんじゃない?』


「もう怒った!

三人とも私に逆らえないようにしてやる!

絶対服従になるまでイジメちゃうんだから!」


「今日はダメよ」


「本来はアリア達の為に使うはずです」


「この調子なら明日もレーネの為に必要でしょうね」


「アルカの好きにさせてあげるのはそれ以降です」


「私達も楽しみにしてるからね」


『まあ、三体一で勝てるならだけどね』


「アルカが泣くまでイジメてあげましょう」


「私達のものだとわからせてあげないとね」


「絶対に負けないんだから!」


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