18-1.遊び方
私は今日一日をアリアとルカの為に使うと決めた。
本当はもうとっくに動き始めているつもりだったけど、
こちらもどうしても必要なことだ。
「アリアは何がしたい?
今日は何でも聞いちゃうわ」
「じゃあお嫁さん・・・ごっこ?」
いや、聞かれても・・・
というか、やっぱり諦めて無かったのか・・・
一応、言い切る前に思い直してくれたようだ。
『ぐふふ。アルカ!チャンスだよ!
遊びにかこつけて好きにしちゃおうよ!』
『ニクスってもしかしてアリアの事好きなの?
なんかやたら唆そうとするわね』
『正直女神より美少女とか反則だと思うの』
『ちゃんと自分の事客観的に見れたのね』
『アルカは私の事なんだと思ってるの?』
『ポンコツ、腹黒、うっかり、残念女神、』
『もう良いよ!もう終わり!』
『ニクスの事なら一日中言えるのに』
『それ絶対半分は悪いとこでしょ!』
『九割くらいはあるんじゃない?』
『そんなの聞きたくなかったよ!』
「ルカは?
出来ることなら何でも聞くわ」
「アリアのしたい事で良いよ」
「じゃあねぇ~う~んとねぇ~」
悩み始めたアリア。
今までノアちゃん達とは何してたっけ。
何かひたすら訓練してるか撫で回してるかしてた気がする。
後はダンジョン?
アリアもルカも興味無いだろう。
別荘は近い内に嫌と言うほど過ごす事になるから止めておこう。
流石に海に行くのにはそろそろ寒い時期だ。
海といえば、すっかり忘れてたけど、
海の向こうの島国とやらも探しにいかなきゃ。
醤油を補充する必要がある。
今度一人で飛んでいくとしよう。
その時はついでに良い感じの無人島も見つけておこう。
良いところがあったら、
開拓ついでにアスレチックとかも作ってみようかしら。
ボードゲームは最後の手段だ。
そもそもあれは私と遊ぶ必要がない。
二人だけで過ごさなきゃいけない時の為にとっておくべきだ。
今までアリア達の所に遊びに行っても、
大抵はお茶しながらお喋りしてるだけで終わってしまった。
特別な事は何もしてないはずだ。
『セレネ!ヘルプ!』
『どうしたの?』
『アリア達と何をしたら良いのかわからないの。
なんか良い遊びないかしら』
『今日はアルカが一緒にいてあげるのでしょう?
ならあなたが考えてあげるべきよ』
『うぐ・・・』
『頑張ってね。お母さん』
セレネは一方的に念話を終わらせてしまった。
ノアちゃんはこの件では役に立たない。
どうせ依頼でも行きましょうとか言うだけだ。
『何で私には聞かないの?』
『あなたも役に立たないでしょ?』
『そんな事言ってアルカも思いつかないくせに』
考え込んでしまった私とアリアを見かねて、
ルカが口を開く。
「いつも通りじゃダメなの?」
「いつも通りって?お話するって事?」
「うん。お話楽しいよ?」
「ルカあんまり話さないから
そこまで好きじゃないのかと思ってた。
そんなに楽しんでくれてたの?」
「うん。アルカ抱っこして」
「良いよ!おいで!」
私の膝に座るルカ。
「ルカいいなぁ~」
「アリアもおいで~」
私の膝にぎゅうぎゅう詰めで座る二人。
いくら小さいとは言え流石に厳しい。
それでも、私が二人まとめて抱きしめると、
きゃっきゃと笑ってくれる。
そして、そのままお喋りが始める。
やっぱりルカはあまり喋らない。
もっぱら喋るのはアリアだ。
私は相槌や聞かれたことに答えるのが大半だ。
けれど、ルカもどうやら本当に楽しんでいるようだ。
アリアが嬉しそうにしてるからかな?
お姉ちゃん大好きだものね。
『アルカの事もだよ?』
『流石にもうわかってるわよ。
それよりニクスも話しに入りなさい。
折角ならアリアと仲良くなったら?』
『うん!』




