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17-25.報告

「神ねえ・・・」


「愛人・・・はあ~~~」


エイミーは顔を両手で覆って塞ぎ込んでしまった。


アリアとルカ、そしてリヴィの事を紹介し、

既に幼少組はノアちゃんとセレネに連れられて街に繰り出した。


おそらく屋台巡りにでも行くのだろう。


いいなぁ。私も一緒に行きたいなぁ。



『アルカのお姉様。

私はアルカから指輪を頂く約束もしております。

もし認めて頂けるのであれば結婚相手の末席に加えていただきたいのです』


ニクスが何故か余所行きモードだ。

認めて欲しいとか言いつつ、

誰の許可も気にしないくせに・・・



「・・・ノアちゃん達とは話がついているの?」


「・・・愛人としては認めてもらいました」


「はあ~~~~」


またため息をつく。

エイミーのあまりの落胆ぷりに、

ギルド長もなんと声をかけていいかわからない様子だ。



「それを私に言ってどうしたいの?」


長い沈黙の末、

ようやく言葉を紡ぎ出したエイミー。



「ノアちゃん達からの指示です・・・」


「あなたねぇ!」


そこからはブチギレたエイミーから、

長い事叱られ続けた。



「お前がそんな声出すの初めて聞いたぞ」


「人ごとみたいに言わないでください!

ギルド長もアルカの保護者でしょ!」


「すっすまん・・・」


いたたまれない空気が流れる。



「ニクスさん。

あなたはアルカだけでなく、

ノアちゃんやセレネちゃん、

それ以外の皆の事も幸せにするつもりがありますか?」


『はい。我が存在の全てにかけて。

あの子達の生末を見守り続けましょう』


「・・・信じます。

私の妹とその家族をお願いします」


『はい。承ります』


「アルカ。もう隠してる事は無いわね?」


「えっと・・・

近々もう一人家族が増えるかもしれません・・・」


「・・・そう。

その時はまた紹介してね」


「うん」


「アリアちゃん達に手を出すつもりは無いのよね?」


「私にそのつもりはないです・・・」


「言いたいことがあるならハッキリ言いなさい」


「・・・ノアちゃんとセレネは、

いつかアリア達も私を好きになるはずだと・・・」


「・・・好きになるって言ったってあなた達何歳離れてるのよ」


「あっ!」


「アルカ?思い出した事があるなら言ってしまいなさい。

今済ませられるのは済ませてしまいましょう」


エイミーは吐き捨てるようにそう言った。

私の知ってるお姉ちゃんじゃない・・・

私のせいだけど・・・


でも・・・

これは言っちゃいけないやつだよなぁ・・・



『いずれバレる事だよ。

今言ったほうが傷は浅いよ』


わかってるけど・・・



「アルカ。この期に及んで言い淀む程の事なのね。

もう無駄な抵抗は止めなさい」


「・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・不老魔法使いました」


「ふろう?なに?

ハッキリ言いなさい」


「私とノアちゃんとセレネはもう成長しません。

寿命もありません。

私が魔法で作り変えました」


「・・・」


「おい!エイミーしっかりしろ!」


気絶したエイミーを支えて狼狽えるギルド長。


私も気絶したい・・・



『させてあげようか?』


『冗談に付き合う気分じゃないの』



ギルド長の指示で他の職員によってエイミーは運ばれていった。



「他にはもう無いな?

無いと言ってくれ。

もうあいつは耐えられんぞ」


「・・・無いです。多分」


「それにしてもノアとセレネがなぁ・・・

いや、言われてみれば確かにおかしかったな。

前回見た時から変わらなすぎだった」



まあ、一年ぶりに一回会った程度で

いきなりそんな想像は出来まい・・・


とはいえ、

何度かあっていれば違和感くらい感じただろう。


二人は成長が止まるには早すぎる。

成長が遅すぎるのも違和感を感じやすい年頃だ。


まさに成長期って時期に止めてしまったのはやはり早計だったかもしれない・・・



『今からでも戻してあげようか?』


『これ以上冒涜したらルネルに顔向けできないわ』


『まあ、そうだね。

流石にそう何度もやられたら、

私もこの世界を守る神の立場として止めなきゃいけなくなるかもだし』


『ともかくもう帰りましょう。

エイミーには悪いことをしたわ。

また会いに来なくちゃ』


『私が体を取り戻した時も来ようね』


『嫌よ。あなたの本体を見たらまた倒れてしまうわ。

あんな幼い子に手を出したのかって思うに決まってるじゃない』


『私のほうがずっと年上なんだけど・・・』


『人間は見た目で判断するのよ』


『なんならアルカ好みの見た目になってあげようか?』


『・・・必要ないわ。今のが一番だもの』


『ふふ。知ってる』



ギルド長も、もう言う事は無いようだ。

くれぐれもエイミーに気を使うようにとだけ念を押されて、

私はギルドを後にした。

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