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17-23.奥の手

ノアちゃん達と合流して、

今度はへパス爺さんの店に向かう。



「なんじゃまた増えたのか」


「新しい娘達よ。アリアとルカっていうの

こっちはリヴィよ。ドラゴンの時に会ったでしょ」


「アリアです!」


「ルカ」


「ルカ!ちゃんと挨拶して!」


「ルカです」


アリアお姉ちゃん厳しい。



「リヴィです!」


リヴィちゃんと待ってて偉い。

しかも学習してる!賢い!



「おう。儂の事はドワーフ爺さんとでも呼んどくれ」


「こんな小さな子達がちゃんと挨拶したのに~」


「・・・へパスじゃ」


「アルカ。そういうの良くないですよ。

お爺さんの気持ちも知っているでしょ」


ヘパス爺さんは現代で唯一残ったドワーフだ。

きっとドワーフだと名乗ることで仲間達まで忘れ去られるのを止めたいのだろう。



『それがわかっていて煽るなんて鬼畜だね』


『でもこの世界、爺さんに関係なくドワーフの事忘れてないでしょ?

六百年も経ってるのに普通に通じるじゃない』


『そんな心配いらないから、

自身の事も忘れ去られないようにしろと言いたいんだね。

中々面倒くさい事するね。

直接言ってあげればいいのに』


『うるさい。

そもそもドワーフの件はまだニクスの事許してないんだからね』


『許す必要はありません。

あれは私が選んだことです。

アルカはどうかそのまま、

私の事を嫌いでいてください』


『こんな時だけ女神モードにならないでよ!

そんな事されると責めづらいじゃない!

ニクスの卑怯者!』


『はい。そうですね』


『ニクスなんて嫌いよ。

けど、大好きだから信じてあげる。

きっと必要だったんだって。

だからって許さないけど』


『ありがとうございます。アルカ』


『もうその喋り方止めて。

私の大好きなニクスを返して』


『うん。ありがとう。アルカ』


『ふん!だ』


『ふふ』




ノアちゃんが装備の手入れをお願いしながら、

アリアとルカとついでにリヴィの必要なものも依頼していく。


幼少組三人もノアちゃんの周りで一緒に相談中だ。


リヴィは既に一通り揃っているとはいえ、

折角なら爺さんの作る良いものを使ってもらおう。



セレネは手持ち無沙汰だ。

流石に可愛らしいデザインでも防具には心惹かれないらしい。


まあ、セレネは自前の防御力が半端じゃないから防具なんて必要ないしね。



「セレネも杖とか探してみたら?

爺さんに新しく作ってもらってもいいし」


「ううん。あの杖は杖としての役割を求めてるわけじゃないから必要ないの」


まあ、それもそうか。

セレネが戦闘に杖を使い始めた理由は、

力のコントロールの為に、

物差し代わりにしたかったからだ。


既にそんなものは必要ないくらいには強くなったのだけど、

何となく癖で持つようにしているらしい。


魔法の杖と違って、

神力に作用する装備なんて存在するのだろうか。



『無くはないよ。

手に入れるのは無理だけど』


意味ないじゃん。



「折角なら何かギミックでも追加してみましょう。

セレネに杖術は無理だろうし、何が良いのかしら」


「私は堅実な戦い方が好みだから、

アルカみたいに何でもかんでもは取り入れないのだけど」


うん。知ってる。


セレネはただひたすらに神力の扱いを洗練させてきた。


結界の種類こそ豊富だけど、

それはあくまで戦術の基本を結界一つに絞っているからだ。


結界を力の壁に見立てて実に多彩な使い方をしてくる。

もはや結界ってなんだっけって感じだ。


まあ、セレネだからあそこまで効果も形も自由に変えられるのだけど。




ともかく、セレネは、

ノアちゃんみたいに接近戦なら何でも取り入れるタイプでも無いし、

私みたいな、力なら何でも身につけてきたタイプとも違う。


まあ、私も半分くらいは成り行きで身につけたのだけど。



きっとセレネが魔法使いなら、

一つの属性だけをひたすらに極めていた事だろう。


セレネは自分の弱点を良く理解している。

咄嗟の判断力では私達に勝てないし、

運動能力が致命的なので接近戦も不可能だ。


だから最初に自分の身を固めて、

相手の動きを阻害する戦術を好む。


絶対に近づけさせず、

一方的に攻撃したいのだ。



「銃でも仕込んでみたら?」


この世界にそこまでの精度の物があるかは知らんけど。

ともかく、銃も爆弾も存在自体はしている。


『そんなの無いよ。

銃って言っても大きな火縄銃程度だよ。

どっちかと言うと大砲みたいなのだよ。

杖に仕込むなんてその人くらいしか出来ないよ』


ヘパス爺さんなら出来るのね。

爺さんならそんな技術広めないだろうから安心だ。



「ノアに当たるわけ無いでしょ」


「それは流石に仮想敵が悪いんじゃないかしら」


「他の誰に使うの?」


むしろ何で最愛の相手に迷わず撃つ気でいるの?



「まあ、確かに私達が奥の手を使うような相手が想像つかないわね。

ルネルなら奥の手とか関係なく潰されるし」


「でしょう?

実力の近い相手が私達しかいないのだから、

あまり意味があるとは思えないわ」



神力がある限り私達に不意打ちなども効かない。

常に魔法も効かない強固な防壁を纏っているのだから。

まあ、覚視掻い潜ってくる敵自体思いつかないけど。


妹達を守るにしたって銃なんか構えるより結界使ったほうが早いだろう。



そんな話をしている内に、

ノアちゃん達も終わったようだ。


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