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17-22.変わらないもの

ノアちゃんの用意した美味しいお昼ご飯の後、

私は娘達全員を連れて買い物に繰り出した。


途中で二組に別れる事にした。


ノアちゃん、セレネ、リヴィは、

一旦、日用品と食料の買い出しだ。


私、アリア、ルカは、

服や雑貨を揃えていく。


途中で合流してから最後に爺さんの店だ。

あそこなら何でも作ってくれるから、

良いものが見つからなければお願いしてしまおう。



私はアリアとルカの手を握って目的の店に向かう。


何だか妙に見られている気がする。

アリア達が可愛すぎるからかしら。



『多分チョーカーのせいだよ。

アルカがまた奴隷でも買ったのかって思ってるんだと思う』


『なんでそんな事わかるの?』


『視線から何となく』


『あなた人見知りのくせにそんな技能あったのね』


『アルカとは違うもの。

私はこれでも神様だよ?

どれだけの人を観察してきたと思ってるの?』


『まあ、そう言われてみればそうよね。

変なスイッチ入るとは言えちゃんと喋る事もできるのだし』


『アルカとは年季が違うからね。

何千年もかけて鍛え上げられたんだから』


『なら人見知りを直す方が早かったんじゃない?』


『どうやっても変わらないものもあるの!』


『・・・まあそうね』





服屋に辿り着き、

アリアとルカに合うものを探していく。


この子達どんな服でも似合うわね!

やっぱり素材が良すぎるわ。

着せ替えが楽しくてたまらない。


ノアちゃんはボーイッシュな感じで、

セレネは意外と清楚系だ。

セレネ本人の好きなものは可愛い系だけど、

聖女としての印象とかもあるのだろう。


この子達はどんなのが良いのだろう。

本人達はどれを着ても満更では無さそうだ。

逆に困ってしまう。



『アルカが何でも可愛い可愛い言うからだよ。

二人はアルカの反応を見て喜んでるの』


『そういうニクスはどれが良いと思う?』


『私は快適なのが一番かな』


『ニクスが質素なの着てるのってまさかそんな理由なの?』


『寝転がった時に邪魔にならなくて良い服だよ?』


この神様にはガッカリだわ。

そんなんばっかじゃない。



『ってそうじゃなくて!

ニクスの好みじゃなくて、

二人の服よ!』


『う~ん。アリアは可愛い系で良いんじゃない?

ルカは・・・

そもそもルカのサイズなんてそんなにいくつも種類は無いじゃん』


『まあそうなんだけど』



「これ」


ルカが持ってきた服を受け取ってみる。

ルカが選んだのはデニムパンツみたいなやつだ。

素材は違うけど、

ともかく厚手のしっかりした生地のやつだ。


こんなの良くサイズあったわね。


あと、ちょっと予想外だ。

ルカはこういうのが好みなのか。

今度他の店でも探してあげよう。



一通り選び終えて、

次の店に向かう。


コップや食器類、

その他の生活雑貨を買い揃えていきながら、

何が足りなかったのか記憶していく。



「アルカ!これ!」


今度はアリアが何か持ってきた。


なんだろうこれ?

うさぎかしら。


なんとも言えない造形の木彫りの人形だ。

まあ、アリアが欲しいのなら良いんだけど。


了承するとアリアは飛び跳ねて喜んだ。

無邪気で可愛い。

流石、我が家の精神年齢暫定ワースト一位だ。


リヴィはあれで意外としっかりしている。

少なくともアリアと一位争いが出来る程度には。

まあ、リヴィはまだ実年齢三歳なのだけど。



ルカもこういうのいる?

いらない?

そっかぁ。



そう言えばうちの娘達は何だかんだこういうの欲しがらないわね。

セレネも好きだろうけど、

それより服や装飾品とかの方を欲しがる子だ。


リヴィも興味なさそうだし、

ノアちゃんはナイフの方が好きだろう。



アリアが一番年相応な気がする。


『逆だよ。アリアだけ幼いんだよ。

アルカの世界でのイメージとは違うんだよ。

この世界ならルカくらいの年齢で働いてる子も珍しくないんだから』


『お姫様だしそんなもんじゃないの?』


『そんなわけないって。

本当なら姫なんて小さい頃から厳しく躾けられるんだから。

そもそもアリアって元は孤児だったんでしょ?

それでこの精神性を維持してるなんて奇跡みたいな話だよ。

何かそういう星の下にいるのかもしれない』


『神様のくせに曖昧な事を言うのね』


『たまにいるの。

わかりやすく言うと、幸運の女神に愛された子。

本当に宝くじに当たるような確率を何度でも引き寄せるの。

そういう子には何かしら役割があったりもするんだよ』


『言うほどアリアの人生って幸運にも思えないのだけど』


なにせ、幼くして母親を失い、

保護された孤児院も潰れて、

小さな妹と二人きりで彷徨っていたくらいだ。


『それでも何度も奇跡が起きたから今ここにいるんだよ』


『それはニクスの管轄外なの?』


『うん。これ以上は言えないけどね』


『アリアが私と出会ったのも運命だと思う?』


『うん。きっと必要だからだよ』


『わかった。気を付けて見ておく事にするわ』


『そこまで気にしなくても大丈夫。

きっと悪いことにはならないから。

けど、アルカが気になるなら、

私もなにか教えられる時は言うね』


『ありがとう。ニクス』

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― 新着の感想 ―
続きが気になり、ここまで読破しました‼️ メインはノアちゃんとセレネだと思うのですが、個人的にアルカとニクスの絡みが面白かったです>.< ですが、1番好きなキャラはグリア先生です。 彼女もアルカハー…
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