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17-8.変質

私達は準備を整えてレーネの住む人魚の国に転移した。


アポイントも無いけど仕方あるまい。

流石に海中と連絡を取る手段は思いつかなかった。


小型転移門なんか開いたら海水が勢いよく吹き出すことだろう。



『普通に出来ますよ?念話の・・・

失礼。なんでもないです。

危ない危ない。つい癖で話すところでした。

もう心の奥底では無いのです。

下手な事を言えば権能判定されてしまうところでした』


『その判定って何がするの?

上位の神様でもいるの?』


『答えられません』


『私のこと愛してくれてるんじゃないの?

そんな私の知りたいことを教えてくれないの?

私のためなら何でも出来るんじゃなかったの?』


『卑怯です!なんですかその言い分は!

私だって言えるなら言ってるんです!』


『私ニクスの事嫌いだもの。

だからニクスになら嫌味くらい言うに決まってるじゃない。

大嫌いで、けれど愛しているわニクス』


『ひえ!なんですかこの感情!こわ!

深!キモ!何でこうなったんですか!?

ノア達に向けてるのと全然違うじゃないですか!?

こんなはずじゃなかったんです!

もっと純粋な気持ちが欲しいんです!』


『何言っているの?

あなたが無理やり育てたのでしょう?

あなたの気持ちに応えるなら必要だったのでしょう?

似た者同士仲良くしましょう。

本当に愛しているのよニクス』


『わかりましたから!

もうその感情強制的にぶつけて来るの止めて下さい!

何感情の制御出来るようになってるんですか!?

あの空間に長くいたせいですね!

そんな私にしか効かない技術何のために生み出したんですか!』


『ニクスに私の気持ちを知ってもらう必要があるもの。

それに、一方的においた出来ないように対抗する手段は必要でしょ?

これは教育でもあるのよ?

もうあんな悪質な手段は取らせないわ。

私のニクスにはちゃんと手段を選んでもらうの。

私のニクス。私の可愛いニクス。

もうあなたは私から逃げられないのよ?

そうよ!元の体になんて帰らないで、

このままここにいてはどうかしら!

素晴らしいとは思わない?

一生あなたは私から逃げられないの!

一生側に居続けるの!

そのためには躾が必要ね。

元の体に帰りたいなんて考えなくさせてあげるわ。

いくら神の心が強くたって、

私にも永遠に近い時間が有るのだもの。

世界の終わりまで共にいましょう。

愛しのニクス』


『・・・ごめんなざい!

ゆるじでぐだざい!

もうあんなごどじまぜんから!』


『あらあら泣き出してしまったの?

ニクスの泣き声もなんだか心地良いわね。

好きな人はイジメたくなるって言うものね』



少しの間ニクスをイジメて楽しんだ。

私にこんな部分があるなんて知らなかったわ。






「ニクスに何をしたんですか?

なんだか悲鳴が聞こえてきましたけど」


「それに恐怖も感じたわ・・・」


「ちょっと躾をね。

またあんな手段とられたら堪らないもの」


「アルカなんだか変わりましたね」


「躾って・・・

相手は神様でしょ?

しかも心の中でどうやって?」


「聞きたい?

今は遮断しているけど、

ニクスの泣き言を垂れ流しにしてみる?

あまりオススメはしないけど」


「いっいえ。結構よ。程々にね」


「アルカを本気で怒らせると怖いんですね・・・」


「ノアちゃんにこんな事するわけないじゃない。

というかニクス以外には出来ないわ。

手段じゃなくて気持ちの問題でね」


「なんだか雰囲気が少しいつものアルカに戻りましたね。

意図的に切り替えているんですか?」


「ニクスの事を考えている時と、

ノアちゃんとセレネの事を考えている時で気持ちが違うのはわかるわ。

けれど、それ以外はよくわからないわね。

少なくとも今ニクスにしている事を二人にしたいなんて絶対に思えないわ」


「まだ続けてたのね・・・」


「今まで通りのアルカでいてくれるならそれで十分です」


「・・・アルカこわくない?」


「どうしたのリヴィ?

怖くなんて無いでしょ?

リヴィの事が大好きなアルカのままよ?」


「・・・ほんとうに?」


「ええ。おいで。抱っこしてあげる」


「うん!」


「リヴィが妙に静かだと思ったら、

アルカに怯えていたのね・・・」


「なにか本能的に感じ取ったのでしょう」


「ノアは感じないの?」


「たぶんセレネと同程度です」


「一応用心しておきましょう。

アルカの主観では数年間も経っているのだし、

なにか妙な変化もあるのかもしれないわ」


「ええ。何時でも手助け出来るようにしておきましょう。

なにかズレているのかもしれません」


「どうしたの二人とも?

内緒話なんかしちゃって。

なにか気になることでもあったの?」


「いえ。レーネどうしてるかなって思ったの」


「私達も久しぶりですからね。

大体一年くらいでしょうか」


「そうね楽しみだものね。

私なんて何年ぶりかしら。

変な態度とらないように気をつけなくちゃね」


「安心して下さい。

私達が側にいます。

アルカが変なことしそうになったら止めてあげます」


「だから気にしないで良いのよ?

気楽にいきましょう。

折角の再会なのだもの。

楽しい気持ちで会いたいわ」


「そうね。

ありがとう二人とも」


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