16-19.家族会議?
「やっぱ信仰集めるの止めない?」
『そんな事したらアルカの事攫います』
「私のこと攫うって」
「出来もしないくせに」
『手段を選ばなければいくらでも。
アルカが命を落とせば干渉出来るのですから。
それに災いを扱うのは得意です』
「手段はあるって。
私の命を奪って手元に置くって」
「やっぱあんた邪神じゃない!」
『アルカの守護神です』
「いつ転職したの?」
「アルカ?」
「なんでもないわノアちゃん。ちょっと間違えた」
『アルカの愛人でも良いですよ?』
「なんか邪な気配を感じるわ!」
『聖女のくせに神の違いもわからないなんてまだまだですね』
「アルカ、ちょっとニクス引きずり出せないの?
あの神官がやってたみたいに一時的に降臨させるだけでいいから」
『アルカの体を貸してくれれば出来ますよ』
「なにするの?」
「ちょっと何発か」
「ダメよ!体は私のなの!
出来るのはニクスが乗り移る事だけよ!」
「・・・それでも良いわ。
よく考えたら、そろそろアルカにも何発か入れておいても良いと思うの。
中身がニクスならやりやすいわ」
「DV反対!」
『暴力聖女!』
「でぃーぶい?」
「これは通じないのね・・・
暴力反対!」
「アルカはそれだけの事をしている自覚を持って下さい。
なんでプロポーズした直後に他の女性とトラブルになっているんですか?」
「はい・・・すみません。
私が悪いのです。お好きになさって下さい」
「なんでノアには素直なのよ!」
「淡々と指摘されると流石に・・・」
「そんな事指摘されなくても気付きなさいよ!」
「仰るとおりです・・・」
『アルカ!アルカ!やっぱり私に乗り換えましょうよ!
私ならアルカが何をしたって許してあげます!
なんならセレネとノアも一緒に受け入れてあげますから!』
『あなたは一度落ち着きなさい。
仮にも神様でしょ?
私達より遥かに年上なのでしょう?
なんでそんな子供みたいな事言ってるのよ!
さっき自分で子供じゃないって言ってたじゃない!』
『仕方がないのです。
これは私の性質です。
逆に言えば何時までも子供でもいられるのですよ?
アルカにとって理想の存在ではありませんか?』
「何時まで泥棒猫と話してるの!
良い加減にしなさいアルカ!」
「泥棒猫はやめません?
意味はわかりますけど・・・」
「こっちは通じるんだ・・・」
「ともかく、第三婦人も愛人も認めないわ!
不倫なんてもってのほかよ!
本当にわかってるの!?」
「私にそんなつもりは無いってば!
さっきも説明したでしょ!
今のところ私は言い寄られてるだけなの!」
「今のところってなによ!
やっぱり満更でもないんでしょ!」
「だからそんなんじゃないってば!」
『私のこと嫌いですか?絶対に好きになることはありえないのですか?』
『あなたは少し黙ってて!
今はそれどころじゃないの!』
『大丈夫です。もうわかりました。
とりあえず満更でもないのはあながち間違いでもないようです』
『ニクス!!』
「アルカ!!良い加減にしなさい!
何でこのタイミングであの女が喜んでるの!?
やっぱりあなた!」
「だから違うの!私にはセレネとノアちゃんだけ!」
「アルカぁ・・・」
「ノアちゃん!?泣かないで!大丈夫だから!
私が愛してるのは本当に二人のことだけだから!
お願いだから信じてよぉ」
「・・・ごめんなさい。やりすぎたわ。
だから二人とも泣き止んで・・・」
『や~い!な~かした~!』
「こんどは嘲笑?
何か気が抜けたわ。
ニクスってただの子供なのね。
アルカ。ごめんなさい。
私が悪かったわ。アルカの言う事信じるから」
「本当に?信じてくれる?
私のこと嫌いにならない?
ずっと好きでいてくれる?」
「大丈夫だから。
安心して。大好きよアルカ。
何でちょっと幼児退行してるの?」
『あなたが追い詰めすぎたのでは?』
泣き続ける私とノアちゃんを慰めるセレネ。
泣いて有耶無耶にするのは我ながらどうかと思うけど、
ノアちゃんに泣かれて自然にあふれ出してしまった・・・
私もだいぶ情緒がおかしい・・・
まだ昨日のが抜けきっていないのかしら・・・