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16-12.楽しみ

最後にアリアの部屋だ。


魔力が足りなくて事前連絡は出来なかった。

いきなり転移する事にはなるけど許してくれるだろう。



「・・・アルカ!!!!」


私が転移すると、

丁度アリアの直ぐ側だった。


今はルカと遊んでいたようだ。


私を見て飛びついてきたアリアと、

遅れて抱きついてきたルカ。



「ごめんね二人とも!

会いたかったよ!」


私も二人を抱きしめる。



『スケコマシ。ロリコン』


『ニクスも抱きしめてあげようか?』


『出来もしないくせに』


『いつか迎えに行ってあげる』


『・・・その時は指輪持ってきて下さい』


『・・・』


『冗談です。セレネにこれ以上嫌われたくありません』


ニクスはセレネの事をよく気にしている。

これも理由は教えてくれない。



私は暫く二人と過ごして、

また来る事を約束した。


今度こそはノアちゃん達も連れてこよう。





レーネのところはまた次回だ。

あそこは転移だけでなく、

水中の環境適応用の魔法や、

場合によっては人化魔術も必要になる。


その為には魔力が全然たりない。


適応魔法の方はともかく、

人化魔術の魔力消費はかなり多い。


まだ暫く待っていてもらおう。


そうでなくとも、

ノアちゃんとセレネとも、

レーネの受け入れについて話し合わなければいけないのだし。

結局、邪神騒ぎのせいで有耶無耶になったままだ。


というか、そのせいで話しづらかったのだ。

いったいどうやって切り出そうかしら。




『いくらなんでも節操無さ過ぎでは?

セレネに刺されますよ?』


『どっちかと言うと監禁するタイプじゃない?』


『・・・何で少し嬉しそうなんですか?』


『気のせいよ』




そうして、教会に戻ってきた。

ようやく貯めた魔力はすっからかんだ。

また暫くは訓練と貯蓄に戻るとしよう。


早く指輪も受け取りに行きたいし。


ノアちゃんとセレネが喜んでくれるのが楽しみだ。

こんなにワクワクしたのは何時ぶりだろうか。


私はウキウキ気分のまま訓練に向かい、

ボコボコにされた。



訓練後、

体力を使い果たして身動きの取れなくなった状態で、

三人で中庭に転がっていた。


リヴィはルネルについていったようだ。

あれから益々仲良しになった。


流石のルネルも半年は持たなかったようだ。

今ではすっかり孫好きおばあちゃんだ。

しょっちゅう一緒に遊んでくれている。


訓練後の私達が動けない時間は特にだ。


私の葛藤は必要なかったのかもしれない。




「今日はどうしてそんなに機嫌が良いのですか?」


「久しぶりにアリアに会えたからじゃない?」


「それもあるけど、

今度すっごく良いことがあるの。

ノアちゃんとセレネもきっと喜んでくれるわ。

それが今から楽しみで仕方がないの」


「本当にどうしたのでしょう?」


「もうすぐ私の誕生日ね。

きっとアルカは素晴らしいものを贈ってくれるつもりなのね!」


「あ~」


「何その反応!?

忘れてたの!?」


「いえ、そんな事はないのだけど、

ちょっとタイミングが・・・」


「私も喜ぶなにかだそうですよ?

セレネの誕生日プレゼントの事ではないでしょう」


「それに、セレネのプレゼントはチョーカーって決まってるわよね?」


「そう言えばそんな事も頼んだわね。

いっそノアとは逆に、

誕生日にアルカ自身をプレゼントって、

してくれても良いのよ?」


「ちょっとそのセンスはなぁ」


「私はアルカのものが良いです」


「ノアはアルカのもの。

アルカは私のもの。

つまり二人とも私のものね」


『ジャイ◯ン?』


「ニクスはなんて?」


「セレネが大将だって」


「良くわかってるじゃない!」


セレネはそれで良いの?


「そうよ!先にノアを籠絡すれば良いのね!

そうすれば後はアルカの攻略に専念できるわ!」


「されませんよ!

私はアルカのものです!

セレネのものではありません!」


「ノア?忘れてしまったの?

そのチョーカーは私とアルカ二人からのプレゼントよ?

つまりノアは私のものでもあるの」


「そう・・・なんですか?」


あかん、ノアちゃんが流されかけてる。


「ノアちゃんは私のよ!

セレネにだってあげないわ!」


「ノアとの初めてのシチュエーションを一緒に考えてくれるんじゃなかったの?」


「なんで今その話出したの?

あと、初めてのキスのでしょ?

変な言い方しないで」


「別に変な意味は込めてないわ。

アルカは何を考えたのかしら」


「ともかく!

今度私に時間を頂戴!

きっと二人の事を喜ばせてみせるわ!

それまでノアちゃんとセレネの進展も無しよ!

二人で盛り上がったりしたら承知しないんだから!」


「自分はニクスとばかり話しているくせに」


「そうです!

最近のアルカはぼんやりし過ぎです!」


「だって、ニクスには私しか話し相手がいないのだし・・・」


「最初は確かにそれだけだったようなのに、

最近だいぶ怪しくなってきたのよね」


「半年もあればリヴィとルネルさんも仲良くなれるんです。

アルカとニクスだってきっと・・・」


「もうすぐそんな心配は吹き飛ぶわ」


「アルカ。もうそれ以上は喋らないで。

私、なんだかアルカのしたい事わかってきたわ。

迂闊すぎよ。あまりバラすと台無しだわ」


「・・・はい」


『立場弱いですよね。アルカ』


『違うの!セレネが強すぎるの!』


『セレネのものになるのも時間の問題ですね』


『うぐ・・・』

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