表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

275/1362

16-6.力

「何じゃその体たらくは!

本気でやらんか!!」


「そんな事言ったってぇ~!」


ルネルに転がされながら必死に逃げ回る。

魔法の使えない今の私がまともに攻撃出来るわけがない。

転移も無しに近づく方法なんて見つからない。



「大した実力も無いのに転移なんぞに頼るからじゃ!

強力な魔法に頼りすぎるにはお主の悪い癖じゃ!」


「良い機会じゃ!

魔法を取り戻しても転移の戦闘利用は禁止する!

この言い付けを破ることは決して許さぬぞ!」



「酷い!!!」


期限は!?

ルネルを越えるまで?

実質一生じゃない!?

そんなぁ!!




『やっぱおかしいって・・・』


ニクスのボヤキが聞こえる。


セレネとノアちゃんも一緒に拉致られた。

連帯責任のようだ。


私一人では辛すぎるから二人には悪いけど一緒に頑張ってもらおう・・・



『ニクス!助けて!何とかして!』


追い詰められすぎて神頼みまでしてしまう。



『・・・大丈夫です。

殺意はありません』


『そんな事はわかってるわよ!

それでも助けてってば!』


『わた』

「集中せんか!」


ニクスの言葉を遮って、

ルネルの怒鳴り声が響く。


なに今の!ニクスの妨害したの!?

今なにかいいかけてたわよ!!

ルネルいったい何やったの!?



「力に頼るなと言うておるのじゃ!

お主ほんと良い加減にせい!」


神頼みしたのバレてるの!?


更に苛烈さを増したルネルに投げ飛ばされていく。



気を失っても叩き起こされ、

結局、数日間に渡ってしごかれることになった。










----------------------








気が付くと、

いつかのように教会のベットに寝かされていた。

両隣にはセレネとノアちゃんも寝ている。


二人の寝顔を暫く眺めて、

ようやく地獄が終わったのだと実感が湧いてくる。


よく私魔王化しなかったわね・・・


二人の事じゃなければ問題ないのかしら・・・



『邪神もあの人には目を付けられたく無かったのでは?』


『ニクスも苦手?』


『・・・はい。

アルカとの繋がりを辿られました。

この世界の住人に攻撃されたのは初めてです・・・

あの方なら邪神倒せるかも・・・』


ルネル・・・

もうツッコまないわ。



『まあ、大丈夫よ。

ちょっかいかけない限り、

ルネルが自分からなにかしたりはしないから』


『・・・そうですね』


『少し雑談でもしてましょう。

やっとゆっくり休めるのだから、

あの地獄はもう思い出したくないわ』


『もう十分寝ていましたよ?』


『気持ちの問題よ。

良いから、ニクスの好きなものでも教えて?

まずはニクスの事をもっと知りたいの』


色々聞きたい事はあるけど、

まずは仲良くなろう。

話はそれからだ。


話す気があるのならとっくに教えてくれているのだろう。


私の心は見えているはずだ。

伝える意思が無くても勝手に読み取って言葉をくれる事は既に何度もあったのだから。


この考えも知っているのだろうけど、

別にやましい気持ちは無いのだから気にする必要はない。



『ありがとう。アルカ』


『私は・・・』


それからニクスは少しずつ話せる事を話してくれた。


普通の雑談でも言葉に詰まる事も少なくはなかった。


おそらく本当に話せない事が多いのだろう。



それでも、ノアちゃんとセレネが目覚めるまでは会話を続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ