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15-13.もう一つの力

『ようやく繋がりました』



突然、私の脳内に声が響く。



『けれど、思っていたよりずっと早かったです。

心を開いてくださりありがとうございます。アルカ様』


『ニクス?』


『そうです。

そしてこれが、アルカ様に授けたもう一つの力です。

あなたは今、私がこの世界に干渉する為の端末のような状態です。

あの神殿のある領域と同じ力を持っているとお考え下さい』


『それが私を守るために必要だったの?』


『その通りです。

これで私が直接干渉できます。

とはいえ、今はそう長い時間ではありませんが。

私の力を取り戻してくださればその問題も解決します』


『今はどれくらいなの?』



『もう間もなく声を届ける事は出来なくなります。

当面はあなたを守るためだけに残りの力を使うことになるでしょう。

万全ではありませんが、少しだけご安心下さい』


『今回話しかけたのは、力の説明だけが目的ではありません。

あなた方が神力と呼ぶもう一つの力の使い方を体感してもらいます。

どうか体の力を抜いて、私に委ねて下さい』



『そんな事突然言われても・・・』


『大丈夫です。

あなたは既に私に心を開いてくださいました。

この力が使えているのならば可能なはずです』


『わかったわ』


私はニクスを信じて彼女に身を委ねる。



ニクスが私の心を通して体の感覚を操っているような感じがする。


そうして神力の操作を始めた。


最初は私の体を包むように。

そこから少しずつ広げていくように。

更に体から切り離して様々な形を作り上げる。


長い事そうしていたように感じるけど、

実際には一瞬で過ぎたようだ。



『これで大丈夫です。

いずれは以前の力も取り戻せます。

どうかご安心を』



最後にそう言って、

ニクスの気配が遠ざかった。






「「「アルカ!」」」


気が付くと、宿屋の一室で、

三人が私を囲んで心配そうに覗き込んでいた。



「大丈夫。

それよりほら!神力使えるようになったわよ!」


私は早速披露する。

ニクスのした事を思い出しながら、

体に纏わせていく。



「一体何があったのですか?

先程のアルカはもっととてつもない力を操っていましたよ?」


私の制御技術はまだまだのようだ・・・



「それに女神の気配を感じたわ。

まるでアルカに取り付いているかのようだった」


取り付くって・・・

まあ似たようなものだけど。


流石聖女。

まさかバレてるとは・・・



私は種明かしをした。

先程、ニクスから言われた事を伝えて、

神力が使えるようになった経緯を説明する。




「「アルカ?」」


二人の背後からゴゴゴって音がしそうな表情で、

私に迫ってくる。



「心を開いたってどういう事?

あなたまさかあんな短い時間でニクスにまで心を奪われたの?」


セレネの声音が攻撃的だ。



「やっぱり小さい子なら誰でも良いのですか?

ニクス可愛かったですものね・・・

私じゃ物足りないんですね・・・」


ノアちゃんは話している内に言葉の勢いが無くなっていく。

あかん。

本気で落ち込みモード入ってる。

最近このパターン多いな~




「二人とも落ち着いて!

そんなわけ無いじゃない!

ただちょっと、今度会えたらちゃんと話したいなって思っただけだから!

もしかしたらニクスも寂しいんじゃないかなって思ちゃっただけだから!」



「そんな思考に至った経緯は想像できるし同感もできるけど、

それはそれとして、何でパスが繋がる程に心が開けるの?

私達があの女神にどれだけ振り回されたと思ってるの?

アルカは見た目が幼ければ誰にでも心を開けるの?

何で私以外の存在がアルカの心と繋がってるの!?

しかも、あろうことか体まで自由にしたの!?

そんなの羨ましすぎるじゃない!

何なのあの女!

私のアルカに手を出してただで済むと思っているの!?」


セレネはノアちゃんと対象的にヒートアップしていく。

段々ヤンデレみたいな事を言い出した。

流石に聖女が女神をあの女呼ばわりはダメじゃない?



というか大丈夫?

セレネ、邪神の影響受けてない?

あなたが取り込まれたら詰みよ?




リヴィはあまりのカオスっぷりに泣き出した。





あかん・・・

どうやって収拾つければ良いのこれ・・・


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