表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

259/1362

15-5.お説教

「セレネ・・・」



「ごめんなさい・・・」


「謝るのは私にじゃなくてアルカにでしょう?

一体何をしたんですか?」


「ちょっとやりすぎてしまったわ」


「ちょっと?」


「とっても・・・」



二人がそんな会話をしている横で、

私はダンゴムシのように丸まっていた。


セレネはノアちゃんが起きるギリギリまで私の口を塞ぎ続けた。

ノアちゃんに続いてセレネにまで数時間もイジメられて、

私はもう息も絶え絶えだ。



その間、ずっと結界で体を拘束され続け、

ようやく開放された私は、堪らず蹲ってしまった。



「アルカ。ごめんなさい。

お願い。元気出して・・・」


「アルカ。元気出してください。

私もやりすぎました。

ごめんなさい」


二人が縋り付いてきても、

私は顔を上げられなかった。


今は二人の顔を見れる気がしない。




「・・・」


「アルカ・・・

そんなに嫌だったの?

私とするのはダメなの?」


セレネが泣きながら問う。



「・・・怖かったの」


私は顔を伏せたまま何とか答える。



「あの拘束結界はやりすぎよ・・・

今は魔法使えないんだから。

何の抵抗も出来なくて本当に怖かったの」


「ごべんなざい!!」


大泣きしたセレネに抱きつかれた。

私も泣きたい・・・


何とか体を起こして、

セレネを抱きしめる。


いつの間にか混ざって泣き出したノアちゃんと一緒に

三人で抱き合いながら落ち着くのを待つ。


何で被害者の私が慰めてるのかしら・・・



落ち着いた二人に改めて説教をする。



「二人ともあれはダメよ。

抵抗できないのは本当に怖いんだから!

大体、やるにしても長すぎよ!

何で二人ともあんな一方的に何時間も続けられるのよ!

いくらなんでも時間忘れすぎでしょ!」


段々ヒートアップしていく。

二人にここまで感情的に怒ったのは初めてだ。

まさかこんな理由になるとは・・・



「「ごめんなさい」」


また泣きそうになった二人を見て、

慌てて言葉を止める。



「今度、私も好きにさせてもらうから覚悟しておいてね」


「「うん!」」


何故か嬉しそうな返事が帰ってきた。

絶対わからせてやる。





結局、私も寝ることにした。

もう精根尽き果てた。


一人で寝てたらまた二人に襲われないかしら・・・


まあ、流石にもう反省しているだろう。



私達がバタバタやっている間、

リヴィは一度も起きなかった。


二人が私を膝枕する事で揉めだしたのを放置して、

リヴィを抱きしめて横になる。



なんて可愛い寝顔。

まるで天使ね。

今はあなただけが癒やしよ。


私のササクレた心にリヴィの寝顔はよく効いた。









目覚めると、とっくに日が昇っていた。


どうやら、神官さんは現れなかったようだ。



まずい・・・

本気でまずい・・・


身体能力に任せて下山するべきかしら。


けど一文無しの着の身着のままでは

家に帰り着くのも苦労するだろう。


ある程度の町に行けば

ギルドで適当な依頼をこなす事も出来る。


けど、それまでの間どうすれば良いのだろう。


私は魔法に頼りすぎていた。

素手のサバイバル知識なんて持ち合わせていない。


ノアちゃんもセレネも魔法は使えない。

神力で狩りは出来ても、火や水は生み出せない。



「大丈夫です。

私は魔法が無くても火は起こせます。

ナイフは持っていますので最低限の調理も出来ます」


「私は浄化が使えるから、

適当な水でも飲めるように出来るし、

服や体だって綺麗にできるわ」



二人とも私よりずっとたくましかった。



あれ?

今の私って本格的に役立たず?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ