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2-9.一日目

一日目の野営予定地に到着した。



私はいつもより小さい二人用のテントを設置した。


「こたつ出さないんですか・・・」


ノアちゃんが絶望していた。



こたつを出すにはある程度大きなテントが必要だ。

一応、名ばかりとはいえ護衛の立場で

勝手に隊列を乱すわけにはいかない。


大勢の前で屋外にこたつを設置する勇気も無い。


「ごめんね。温かいの食べて元気出して。」


私は収納魔法に仕舞っておいた、

温かい状態の食事を出していく。


護衛任務中の為にあらかじめ作り置きしておいた物だ。



その時、近づいてきた教会関係者の男が声を荒げる。


「お前達!何をしている!」


「食事」


コミュ障モードを発揮した私が完結に答える。

完結すぎ?


「何か問題がありましたか?」


ノアちゃんが補足してくれる。


「食料は教会より配膳されている!

勝手なことをしていないでお前たちも受け取ってくるが良い。」


「いらない」


「私達は自分で用意したものがありますので。」


高圧的な態度にノアちゃんもカチンと来ているようだ。

完全に塩対応だ。


「教会の施しを拒絶するのか!この不信心者めが!」


男は肩を怒らせて去っていった。


なんだったんだろう今の。


というかこの場合でも施しって言うの?言わなくない?

依頼主が護衛に食事提供してるだけだよ?


まあ、退屈な道のりに機嫌が悪かったのかもしれない。

気にしないでおこう。




「美味しそうなものを食べていらっしゃいますね?」


今度は聖女がやってきた。


「食べる?」


「宜しいのですか!ありがたく頂戴致します。」


「聖女様は皆さんから離れても良いのですか?」


そういえばこの聖女、護衛も付けずに来たわね。

周囲は味方しかいないとはいえ、一人で出歩くのは不用心だ。


「すこしくらいであれば問題ないかと。」


というかこの二人声も似てるな。

脳がバグりそう。


「なら、こっちも美味しいので食べてみてください!」


「ありがとうございます!ノア様!」


「様なんて止めてください!ノアで結構です。」


「では、ノアさんとお呼び致しますね!

ノアさんとは是非仲良くしたかったのです!

宜しければこのまま少しお話致しませんか?」


「よろこんで!聖女様」


「ノアさん、わたくしの事はセレネとお呼びください。」


聖女の名前ってセレネっていうのか。知らなかった。


「では、セレネ。宜しくです!」


「はい!」



美少女二人が仲良くお話してる!

尊い・・・



聖女改め、セレネとノアちゃんの会話は弾み、

結局、お側付きが迎えに来るまで続くのだった。





その後、テントに入って寝る段階になって、

ノアちゃんが何も言わずに紙切れを差し出してきた。


私は受け取って内容を確認するとそのまま魔法で燃やした。



「明日野営時にお話したい事があります。

私を連れ出して頂けないでしょうか」




それはセレネからの伝言だった。


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