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14-13.家族会議

私はノアちゃんが泣き止むのを待って風呂から上がり、

テントに設置したベットに転移する。


そろそろセレネも寝る時間だろう。

毎晩寝る前に頬にキスしに行っている。

就寝の準備ができたらパスを介してノアちゃんに合図がある。



「セレネが呼んでいます」


今日はもしかしたら呼ばれないかもと思っていた。

今朝の事もあるし、

ノアちゃんの精神状況を察して止めてしまうかもしれないと思っていた。



「今のノアちゃんを一人にしたくはないの。

一緒に来てくれる?」


「そんなのセレネに悪いです」


「セレネも心配しているでしょう?」


「・・・そうですけど」


「嫌だったら無理にとは言わないわ。

これで最後の確認にするから。

一緒に来てくれる?」


「・・・わかりました」


私はノアちゃんも連れて、

セレネの寝室に転移する。



セレネは私達を見るなり、

ノアちゃんを抱きしめる。


ノアちゃんとパスで繋がったセレネには、

ノアちゃんの感情が何時でも伝わっている。

先程の状況も伝わっているはずだ。


ノアちゃんはセレネのされるがままになっていた。



「セレネ少しお話しても良い?」


「その前にテントに移動しましょう。

明日一日はそちらに行けるようにしたから」


「わかった」


私は再び、セレネも連れて転移する。



テントに設置したベットに三人で腰掛ける。

ノアちゃんを挟んで横並びになっている。


またノアちゃんを抱きしめたセレネは

私に向かって質問する。



「今朝あんなに素敵な事があったばかりなのに、

どうして喧嘩してしまったの?」


「違っ!アルカは何も悪くないんです!」


「ノアは黙ってて」


「私が中途半端に振り回したせいよ。

セレネもごめ」

「謝らないで!!」


「私は今朝の事を謝られたくなんてない!

そんな事したらアルカだって許さない!」


「・・・」


「私は原因を聞いているだけよ。

ノアを通して大体の流れは察してはいるけれど、

あなた達がどう思っているのか言葉にして欲しい」


「それは・・・」


「私が嫉妬したんです。

今日は私が提案して、

少しだけレーネの冒険に付き合いました」


「その間、

アルカがレーネの事を見る度に、

話をする度に嫉妬したんです」


「私がやりすぎました。

それでアルカに叱られたんです。

それから私はアルカの事を無視してしまいました」


「それでも、

アルカは私の事を抱きしめて待っていてくれました」


「ノアちゃんが謝ってくれて、

私は改めて自分の想いを伝えたの。

けれど、ノアちゃんに話している内に、

自分がまた中途半端な事をしているんだって気が付いたの。

私がまた二人を振り回したの」


「アルカに謝らせてしまって、

私は悲しくなりました。

私はアルカが気持ちを示してくれた事が

嬉しくて堪らなかったんです。

なのに、それは間違いだったのかもしれないと思わせてしまったんです。

それで堪らなくなってしまいました」



私達の話を聞き終えたセレネはピシャリと言い放つ。



「アルカが悪い!」


「違っ!」

「良いからノアは黙ってて!」


「ノアがやりすぎてしまったのを

嗜めるのは悪い事なんかじゃないわ。

ノアも無視はやりすぎよ!

けれど、その後が問題なの!」


「ノアが無視したのも、とっても悪い事だけど、

それでアルカも不安になってしまったのかもしれないけど」


「それでも、

私達を想ってした事を

失敗したみたいに言わないで!」


「そんな事を言われたら

私だって泣きたくなってしまうわ」


「私達は本当に嬉しかったの。

きっとアルカが思っている以上に

ずっとずっと私達は嬉しかった」


「それなのにアルカに後悔されたら堪らないわ」


「失敗だったなんて言われたら泣いてしまうわ」


「気の迷いだったなんて言われたら、

アルカの事だって許せないわ。

それはいくらなんでも酷すぎるもの」


「自分の心の中でそう思ってしまうのは

わからないでも無いの。

アルカが私達の事を心の底から想って、

そう考えてしまうのはわかるの」


「けれど、

どうかそんな風に思ってしまっても、

言葉にだけはしないで。

私は、私達はそんな事を言われてしまったら、

悲しくて堪らないわ」


「それでも、

どうしても辛かったら、

せめて私だけに相談して。

私にだけ話して聞かせて。

頑張って耐えるから。

ノアにそんな酷い事はしないで」


「セレネ・・・」


「わかった。もう言わない。

だからありがとう。セレネ。

私達の事を想ってくれてありがとう」



私はノアちゃんと一緒に、

セレネを抱きしめる。


結局、セレネも泣かせてしまった。


どうしてどうしてどうしてどうして・・・

私は・・・




セレネが泣き止むまで抱きしめ続けていた。


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