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13-9.変化

「ノアがこっちを気にしてる」


セレネと食べさせ合いながらイチャイチャしていると、

突然そんな事を言い出した。



「何か連絡があるの?」


「そうじゃなくて、

私の感情が伝わってやきもきしているみたい」


「ノアちゃんとしている時はセレネの事言ってなかったよ?」


「すっごく集中してると気にならなくなるからだと思う。

アルカの事に夢中すぎて蔑ろにされているのね。悲しい」


「セレネは私に夢中になってくれないの?」


「そんなわけないよ。

けど、まだ足りてないのかも」


「それは誘っていると解釈するからね。

覚悟はできてる?

まあ、出来てなくてももう関係ないけど」



「きゃ!」


私は膝に乗っていたセレネを抱き上げて、

そのままソファに移動する。



「ノアがまた荒れるよ?」


「じゃあ止めてもいいの?」


「そんなのダメよ!」


「夜はノアちゃんにもするから安心して」


「今そんな事言わないで!

私だけを見てよ!」


「セレネから言ってきたんじゃない」


「それは!」

「あっ!やめ!」


私はソファにセレネを寝かせて上から覆いかぶさる。


セレネの頬に、顔中にキスをしてから、

少し服をまくりあげて、お腹にもキスをしていく。



「や!あ!ダメ!」


そこでセレネから頭を押しのけられてしまう。



「どうしたの?」


「・・・まだそっちは嫌」


「そうね。流石に家族でやることじゃないわよね」


私はセレネを起こして、

横に並んで腰掛ける。



「ずっとしてみたかったのに。

なんだか怖くてたまらないの」


「ごめんね。

きっと私がやりすぎたせいだわ」


「たぶんそれだけじゃないと思う」


「そっか」


「少しお話をしましょう。

こうして甘えているだけでも今は十分」


そう言ってセレネは私の膝に倒れ込んできた。


私はセレネを膝枕しながら、

二人で話しを続ける。



結局その日はもうそんな雰囲気にはならなかったけど、

それでも、とっても楽しい時間だった。



夕方になるとセレネは帰っていった。

いつもなら晩御飯を食べてお風呂に入っていくのに、

今日はどうしたのだろうか。

もしかしてノアちゃんに気を使ったのかな?


けど、ノアちゃんは何時でも私と一緒だからそこまで気にしなくても良いのに。

セレネ優しい。




ノアちゃんを迎えに行くと、

家の外なのに私を見た瞬間に抱きついてきた。

どうやらモヤモヤが抑えきれないようだ。


グリア達に少しどら焼きをおすそ分けして、

私はノアちゃんを連れて転移する。



「セレネにもっと優しくしてあげて下さい」


家に着くと、

ノアちゃんから思っても見なかった言葉が出てきた。

ついさっきまでベッタリだったのにどうしたのだろう。



「どうかしたの?

セレネならとっても喜んでくれていたけど」


「最初はそうでした。

けど、途中からセレネの心の中はグチャグチャでした。

不安や緊張、喜びや期待。それに少しの恐怖。

いろんな物が混ざってわけがわからないです。

一体何をしたんですか?」


ノアちゃんが抱きついてきたのは、

嫉妬心じゃなくて、

セレネの心にあてられて不安になっていたからか。



そっか・・・

セレネは・・・


私は今日あったことや、

最近の様子からセレネの心境を想像して言葉にする。



「きっと変化が怖いのだと思う。

私達との関係。

私からの見られ方。

自分の気持ち。

そんなのが急激に変わりすぎて、

心がついていけていないのだと思うの」


「けれど、それは怖いだけじゃなくて、

嬉しいことでもあるし、

不安なことでもある」


「私との関係が進展して嬉しい。

けれど変わり方が想像を超えすぎて怖い」


「私から強い感情を向けられて嬉しい。

けれどその感情が大きすぎて怖い」


「私の事が好きなのに、

いざとなると思うように行動できない。

それが不安でたまらなくなる。

私に失望されてしまったらどうしよう」


「きっとセレネはそんな風に考えていたのだと思う」


「私がちゃんとそこまで想像して導いてあげるべきだった。

けど、二人に想われている事が嬉しくて、

舞い上がって、そこまで考えていなかったの」


「ノアちゃんもごめんね。

もっとちゃんとするから。

セレネの気持ちを教えてくれてありがとう。

セレネとの約束を破らせてごめんね」



「なんとなくわかりました。

私も心当たりはあります。

約束については二人の為に必要なことなら仕方がありませんから」


「ありがとう」


「私が練習相手になりますから、

セレネにはやりすぎないでくださいね」


「・・・ノアちゃんがやりたいだけでしょ?」


「晩御飯抜きにされたいのですか?」


「ごめんなさい。

でも、今日は止めておきましょうか。

セレネの事を少し落ち着かせてあげたいし、

ノアちゃんからも伝わってしまうでしょう?」


「・・・確かにその通りです。

少し頻度を減らしましょう。

セレネに合わせるのも必要です」


「私も調子に乗りすぎたわ。

一緒に頑張って我慢しましょう」


「・・・はい」




「13-8」の誤字報告を下さった方、いつもありがとうございます!

とても助かっております!


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