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1-2.冒険者

 私とノアちゃんの二人暮らしが始まった。


 ノアちゃんはとっても優秀だ。

経験は無かったが、直ぐに家事はマスターした。

そんなノアちゃんからお願いされた。



「アルカ、ダンジョンに行きたいです」


「ダンジョン?

 いいよ」


 ノアちゃんには要望があれば何でも言ってくれと伝えてある。

早速お願いしてくれたらしい。


 これは良いところを見せるチャンス!

強さにだけは自信があるのだ!



「どこ行きたい?」


「どこでも大丈夫です。

 少し動きたいだけですので」


 ノアちゃんは強くなるのが好きなようだ。

毎日、庭で訓練も欠かさない。

今度試合形式で一緒にやってみようかな?

仲良くなれるかもしれない。


 ちなみに、私は元々日本人だ。

この世界に来た時に目立たないよう、この世界風の名前を名乗ることにした。

それ以来、アルカと名乗り続けている。



「今日は装備、揃えよう」


「いいんですか!?」


「うん。行こう」


 ノアちゃんのテンションが上がる。

武器とかも好きなのだろうか。

この体格だとまだナイフくらいしか使え無さそうだけど。






 ノアちゃんを引き連れて馴染みの店に向かった。



「珍しい客が来たな」


 ドワーフのお爺さんが出迎える。



「この子の装備を一式見繕って欲しいの」


 今までノアちゃんと話す時と違う流暢な喋り方に、ノアちゃんが目を丸くする。



「普通に喋れたんですね?」


 グサッときた。



「ああ、こいつ慣れてないとまともに喋れんからな。

 最初は面倒な客が来たと思っとったもんだ」


 追い打ちがきた。

そうか、そう思われてたのか・・・



「あんま変なこと言わないでよ」


「そんな事気にしとらんで、はやく慣れてやらにゃあ可愛そうだろうが」


 おっしゃるとおりです。


 この爺さんとはこの世界に来た頃からの付き合いだ。

私はこの世界に来た時にこの町で冒険者になった。

世界中を旅したけど結局戻ってきてしまった。

なんだかんだお世話になった人が一番多いこの町は居心地が良い。


 そういえば、ノアちゃんの冒険者登録もしておかなくちゃ。

ギルド行きたくないな。

ギルド長いないと良いな。

会ったらきっと依頼押し付けられるだろうな。


 憂鬱になっている間にノアちゃんは爺さんと装備を選んでいく。


 ノアちゃんに合う防具も一揃いありそうだ。

幼い少女に合わせられる物まであるとは流石だ。

この爺さん意地悪だけど腕は良い。



「なんでこんなひらひらのまであるの?

 爺さんの趣味?」


「なわけなかろうが。

 需要があるから用意してるに決まっとる」


 相変わらず器用なもんだ。

しかも地味にセンスが良い。

この髭面からは想像も出来ない。



「お前さんも昔は似たようなもん付けとったじゃろうが」


 そういえばそうでしたね。

もうそんなの似合う年齢じゃない。

転移してきた時はまだ学生だったもの。






 ノアちゃんの装備選びが終わり、ギルドに行くことになった。



「アルカ、早く慣れてくださいね?」


「頑張る」


「試しに目を合わせて名前を呼んでみてください。

 練習あるのみです!」


 ノアちゃんが私を見上げてくる。

うっ可愛い!そんな目で見つめないで!


 気恥ずかしくなって直ぐに視線をそらす。


「ダメですよ。もうちょっと頑張ってください。

 慣れですよ慣れ!」


 ノアちゃんは私の顔を両手で挟んで無理やり向けさせる。

ノアちゃんの手やわらかいなぁ


 あっ無理・・・

私は逃げ出した。







----------------------






「やっと顔出したな!待っていたぞアルカ!

 お前にやってもらいたい依頼がたんまりあるんだ!」


 ギルドに着くなり、ギルド長に捕まった。



「嫌よ何も聞きたくない。今は忙しいの」


「何が忙しいだ。どうせまた引き籠もってただけだろうが。

 ところでその子はどうした?弟子でも取ったのか?」


「違うわ友達よ。

 今日はこの子の冒険者登録をしにきたの。」


「こんな事言ってるが本当かお嬢ちゃん?

 無理やり連れてこられたりしてないよな?」


「アルカの言うとおりです。

 私がお願いして来ました。」


「そうか!まあ、アルカの連れってんなら問題ないだろう!」


 ノアちゃんはギルド長に連れられて受付に向かう。

ギルド長自ら引率とは。VIPかな?


 ノアちゃん達から笑い声が聞こえてくる。

なんかもう既に盛り上がってるんだけど。

何あのコミュニケーション能力。


 私は混ざる気にならず、壁に寄って遠巻きに見つめる。




 しばらく待っていると、登録の終わったノアちゃんが戻って来る。



「アルカ!依頼受けましょう!

 アルカの戦ってるところ見てみたいです!」


 しまった!?

ギルド長になにか吹き込まれてる!

こんな事ならさっき割り込んでおけばよかった。


 ちくしょう・・・

あっさり見逃してくれたと思ったのにこっちが狙いだったか。


 ノアちゃんにキラキラした目で見上げられ、断りきれなくなった私は依頼を受ける事にした。




読んでくださり、ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
これから、ノアちゃんも準備が整ってくるのでしょうか? これから、どんな物語りになって行くのか楽しみです(((o(*゜▽゜*)o)))
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