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12-14.白猫少女の怒り

その日の夜、テント内で、

私はノアちゃんとセレネを前に縮こまっていた。


アリアとルカは今日のところはマーヤさんが預かっている。



「どうしよっかノア」


ノアちゃんは予想に反して淡々と話しはじめた。



「とりあえず、アルカには私達の気持ちをちゃんとわかってもらいましょう。

アルカが保護した経緯も、

高価な服を買い与えたのはたまたま見つけたのが高級店だったからというのも、

アルカの言う事を疑うつもりはありません」


「けれど、なぜ保護する前に私に連絡しなかったのでしょうか。

アルカなら何時でも連絡出来たはずです。

黙って決めれば怒られる事もわかっていたはずです」


「先に言ってくれれば、

先に相談してくれれば私は怒りを感じずに済んだはずです。

いきなり着飾ったあの子達を連れて眼の前に現れるよりずっと良かったはずです。

少しくらい嫉妬はするでしょうけど、

それで済んだはずなんです。

結果も変わりません。

私はアルカがあの子達を保護する事を止めたりなんてしません。

服を買い与えた事に文句を言っているわけではありません。

ただ一言相談して欲しかっただけなんです。

アルカ。わかりますか?」


「はい・・・すみません。

仰るとおりです」


「アルカは私が嫌な思いをするのが嬉しいんですか?」


「そんなわけないわ!ノアちゃんにはずっと笑顔でいて欲しいと思ってる!」


「じゃあ、どうして私の気持ちをもっと考えてくれなかったんですか?

あの子達を見た時に私がどんな気持ちになるかわからないんですか?

アルカにとって私達はその程度なんですか?」


「そんなはずないわ!」


「アルカは私達がアルカの事を好きなのだと

本当に真剣に考えてくれているんですか?

アルカが受け入れられないのはわかってます。

けれど、それとこれとは別の話ですよね?

私達がアルカの事をどれだけ想っているのかを真剣に考えてくれたら、もっと違うやり方が出来たと思うんです」


「・・・ごめんなさい。

ノアちゃんの言う通りです。

私は二人の気持ちから逃げていたんだと思う。

今はまだ受け入れるわけにはいかないからって

そこで考える事を止めてたの。

私は二人に酷いことをしたわ。

ノアちゃん、セレネ、ごめんなさい」



「アルカもわかってくれたみたい。

もう良いんじゃないノア?」


「そうですね。

けれど、アリアちゃんを見たら今度はセレネも怒るかもしれません」


「どうして?」


「アリアちゃんとっても可愛いんです。

アルカもそう思っているはずですから」


「ノアがそこまで言う程なのね。

まさか新たなライバルが出てくるとは思わなかったわ」


「それにもうすでにアルカに懐いていますから。

正直困っています。

アリアちゃん自身もとっても良い子なので、

絆されてアルカに受け入れるよう頼んでしまうかもしれません」


「ダメよ!

しっかりしてノア!

これ以上アルカの隣を譲る気は無いわ!」


「・・・頑張ります」


「ノア・・・本当に大丈夫よね?

嫌よ私。次にアルカの所に戻ったら、

十人くらいライバル出来てたりしないよね?」


「まあ、アルカの悪いところも含めて愛せるのはきっと私達だけです」


「それもそうね」


「そんなにいっぱいあるの?」


「お望みなら全部言っていきましょうか?」


「いえ、結構です・・・」


「じゃあ、その代わりに私が好きなところを言っていくわ!」


「そんな露骨なの許すわけ無いでしょ!」


「ノアも言ったら良いじゃない。

どっちが多く言えるか勝負しましょう!」


「望むところです!」


「止めて!そんな事されたら恥ずかしすぎて死んじゃう!」


「そんなわけないでしょう。大げさですね」


「じゃあ、私とセレネでノアちゃんの好きなところ言っていきましょう!」


「いいわ!アルカにだって負けないんだから!」


「ダメです!」




ノアちゃんごめんね。

ちゃんと考えるから。

今度は二人の気持ちを考えて行動するから。


ノアちゃんとセレネに嫌な思いをさせるなんてもう二度としないから。





「そういえばリヴィは?」


「あれ?連れ帰って無かったんですか?」


私は転移門を繋いでみる。



「あ!アルカ!」


転移門は何故かアリアの元に繋がった。


その瞬間背筋に冷たいものが走る。


「「アルカ?」」



誰かを基点にした転移門を開けるのは私が会いたい相手だけだ。

それも、ある程度私が心を開いている必要がある

いや、でも今はちゃんとリヴィを思い浮かべて・・・



「キュ!」


ああ、リヴィも一緒にいたのか。

良かった間違ってアリアに繋いだわけじゃなかった。



だから、二人とも・・・

勘違いだから・・・




ごめんなさい!


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