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12-9.役満

私達は布団に入り、

いつものように皆で仲良く寝る前の会話を楽しんだ。



「ノア寝ちゃったのね」


「ノアちゃんは朝も一番早いものね」


「アルカは眠れそう?

私はまだ眠れないかも。

なんだか今日はあまり疲れてないの」


「そんな日もあるわよね。

セレネからしたらここ数日は暇なくらいだったのでしょう?」


「そうね。でもとっても楽しい。

何と言ってもアルカの側にいられるんだから。

けれど、そろそろ戻ろうと思うの。

一番の目的は果たしたしね。

結果はそぐわなかったけど、

これ以上は時間も必要な事だし」


「そっか・・・

もっとセレネと一緒にいたかったなぁ」


「そんな事言われたら帰れなくなってしまうわ」


「そうよね。ごめんね」


「女神の信仰を集める為にも何時までも休んでいるわけにはいかないもの。

早く目的を果たしてアルカの所に帰ってくるわ。

ノアに先を越されるわけにもいかないんだから」


「そう言いながら、気を遣わせない為に

ノアちゃんが眠ってから話したんでしょ?」


「・・・そうよ。

私はノアの事も大好きだもの。

ノアに先を越されたくないのと同じくらい、

本当はノアの事も応援したいと思ってるくらいだもの。

だからギリギリまでノアに気を使わせたく無いの。

私が離れることを知ったら、

きっとノアは遠慮しちゃう」


「複雑なのね・・・」


「そう?シンプルよ。

私はアルカとノアが大好き。

それでアルカの事は誰よりも独り占めしたいの。

ただそれだけ」


「本当はノアの一番も欲しいけど、

それはアルカに勝てないってわかってるもの。

ノアもきっと同じはず」


「そっか」


「アルカ顔赤くなってるでしょ」


「暗いんだから見えてないじゃない」


「アルカの事なら見なくてもわかるの」


「そっか」


「今のは効いてそうね!」


「セレネがそうやって茶化すようになったのも、

隠せなくなっただけじゃなくて照れ隠しでもあるんでしょ?」


「・・・」


「私だってセレネの事はよくわかってるもの」


「・・・もう寝るね」


「セレネ可愛い」


セレネは私に額を押し付けるようにして、

布団の中に潜り込んでしまった。

きっと顔を隠したくなったのだろう。

セレネ可愛い。



そしていつの間にか私も眠りに落ちた。









----------------------








次の日セレネは昼過ぎまでここで協力を続けた後、

教会に戻っていった。


今後はとりあえず週一位でこっちにも来る事になった。


本人は教会に専念するつもりだったのだが、

ノアちゃんに乗せられる形で変更する事にした。


ノアちゃんも私のことだけでなく、

この地の件も引き合いに出してかなり強引にセレネを引き止めた。

しばらく協力するって言ったのにすぐに戻る事はセレネも気にしていたようだ。



ノアちゃんもセレネと離れたがっただけでなく、

私の事をちゃんとセレネと競うつもりなのだろう。


きっと二人とも私に選ばれなくても納得したいんだ。

それで本当にずっと一緒にいたいのだろう。


たとえ二番目でも同じように扱ってほしいと言った。

選ばれなくても側を離れないと言ってくれた。


どんな覚悟でそう言えたのだろう。

本当にその時の気持ちを想像出来ているのだろうか。


二人の賢さはわかっているけど、

感情に振り回されているところがあるのも事実だ。


選ばれなかった時の辛さが本当に想像できているとはどうしても思えない。

その上で一緒に居続ける覚悟も。


やっぱり私に二人のどちらかを選ぶなんて出来るわけがない。

私の気持ちだけでなく、

二人の気持ちも考えたらなおのことだ。


幸いまだ時間はある。

二人を同じだけ好きなのだと納得させるしかない。

二人の気持ちに反していてもそれが私の本心だ。



冷静に考えると我ながら最低だ・・・

ロリコン、二股、自分の娘


役満かな?




というか何でナチュラルに私も気持ちに答える前提で考えているの?

まだダメよ!

そんな気持ちになるわけにはいかないわ!

いくらなんでも流されすぎよ!



大丈夫。

まだ私は二人のことを娘として見れてる・・・・はず

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