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12-8.発散

私は遅くなった晩ごはんを食べながら、

ノアちゃんとセレネに今日あったことを質問してみた。



「私は想像通り教会の事が中心ね。

まあ、グリアさんも知っていることだから、

今日でもう大体は終わっちゃったけどね」


「私はアルカの事を聞かれました」


「何で私の事をノアちゃんに聞くの?」


「本人以外の視点で、

なおかつ近距離で過ごした感想を聞いておきたかったみたいです」


まあ、わからないでも無いけど・・・

本人を除け者にしてまですることかしら。

一緒に聞いてもらっても良かったのに。



「えっと・・・

その、グリアさんがアルカの事に関してはアルカ本人の言う事は信用出来ないって」


え!?

私グリアから信用されてないの!?



「違うんです!

グリアさんはアルカの事をちゃんと信頼しています。

けど、自身の事は過小評価するから聞くなって。それで・・・」


まあ、言い分はわかるけども・・・

けどそんな事あったかしら?

グリアにそう思われるような事を言った心当たりが無いのだけど。



「さあ、もうお仕事の話しは終わりにしましょう。

私はアルカにたっぷり甘えたいの。

私達だけならさせてくれるのよね?」


「ええ。『甘え』させてあげますとも。

私だって二人にそうされたら嬉しいんだから。

けれどそれ以上はダメよセレネ。

なにか邪な気配を感じたら転移させるからね」


「そんな!無茶言わないで!」


「安心して下さいアルカ。

アルカの事は私が守ります」


「ノアまで酷い!」


「「ぷっふふふ」」


「二人とも!!」


「さて、じゃあついでにお風呂に入ってしまいましょう。

もう良い時間だからね」


「え~!!ここで良いじゃないですか!

今日は戦いも無かったのですし、

そんな毎日入らなくても良いはずです!

グリアさんもそう言ってました!」


「そっか・・・

ノアちゃんは私よりグリアの言う事を聞くのね・・・

悲しいわ・・・シクシク」


「そんなあからさまに悲しいふりしないで下さい!

そんなわけないでしょう!

アルカの事を誰よりも信じています!」


「じゃあ、お風呂行きましょうか」


「・・・それとこれとは」


「なら私とアルカだけで行ってくるわ。

ノアはそこで居眠りしてるリヴィとお留守番ね」


「!?ダメです!アルカは私のです!」


「まだ違うでしょ!

それにアルカは私のものになるの!」


「そんなはずありません!」


「あるの!」


「「ぐぬぬ!」」


「二人とも、もう止めて・・・」


「アルカ顔真っ赤!」


「今更そんな反応しなくても」


「でもこれは脈ありってことよ!

やっぱり共闘してまずはアルカを落とすべきだと思うの!」


「セレネそんな事を言っていると、

またアルカに叱られますよ。

やるならこっそりやるんでしょ?」


「二人とも良い加減にしなさい!」


「「はい・・・」」


「さあ、お風呂行くわよ。

ノアちゃんも一緒よ。

リヴィも起こしてあげましょう。

その方が喜ぶから」


「そうですね・・・」


私達はリヴィも連れて、

露天風呂に向かった。



「ノアちゃん。

やっぱりお腹触るのは無しにしない?」


「え?・・・」


ノアちゃんは心の底から絶望したって顔をする。



「セレネに触らせていないのだからやっぱり不公平かなって・・・」


「それはセレネが悪いんです!

私まで巻き添えは酷いです!」


「まあ、そう言われたらその通りなんだけど」


「私は純粋に好意を伝えているだけよ!」


「純粋にそのままぶつけてはいけないの。

普通はそう思ってしまっても心に秘めて接するものなの。

私達は恋人では無いのよ?

今は普通の家族なの。

家族として相応しい距離感を保ちましょう?

今すぐには制御が難しくてもいずれは慣れるから」


「じゃあ、親として発散の方法を・・・」


「セレネ!

何言ってるのダメに決まってるでしょ!

というかその言い方はあなた知ってるんでしょ!」


「何のこと?わからないから教えて?」


「セレネは私の手を触るのも禁止にするわ」


「ごめんなさい!

もう言わないからそれだけは許して下さい!」


「セレネは何回同じような事を言うつもりでしょうか・・・」


「ノア!」


「少しセレネには反省が必要ね。

寝る時には許してあげるから」


「そんなぁ!」


ノアちゃんはセレネが可哀想になったのか、

私のお腹から手を離した。



「ノアちゃん。尻尾をお腹に巻かれるとくすぐったいんだけど」


「そっちは自分で制御できないので仕方ないんです」


本当かしら。


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