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12-7.歯止め

私はエミリーに無人の部屋に連れ込まれた。


エミリーは純粋に私達家族の心配をしているようだ。

いろいろと質問されながら、エイミーを安心させていく。

まあ、会議中の発言といい、

先程の手のつなぎ方といい、怪しい要素満載だものね。



「アルカはもう巣立ったとはいえ、

私はこの世界でのあなたの保護者だと思っているの。

だから、アルカが道を踏み外すような事は止めてあげたい」


「大丈夫。誓ってやましい事は無いわ。

二人は少し難しい年頃なの。それはわかってるから。

私まで一緒になって羽目を外したりはしないわ」


「そうよね。ごめんなさい。

少し心配しすぎたわ。

けれどあの子達は本気よ?

アルカがしっかり見守ってあげてね?」


エイミー鋭い・・・

二人の異変にちゃんと気付いてるようだ。

ノアちゃんとはともかく、

セレネとはそう何度も会ったわけじゃないのに。



「そうね。それもわかっているわ。

私だってあの子達に想われて嫌な気はしないけど、

保護者として譲れないものもあるもの」


「安心したわ。

なにか困ったことがあったら何時でも相談してね。

力になれるかはわからないけど、

悩みを聞く位はできるのだから」


「ありがとう」


「じゃあ、ノアちゃん達の所に戻ってあげて。

そろそろ待っている頃じゃないかしら」


「そうね。

内容はどうあれ久しぶりにゆっくり話せて嬉しかったわ。エイミー」


「今度ゆっくりお茶しに来てね。

久しぶりの里帰りとでも思って」


「ありがとう。

孫二人も連れて行くわ」


「私がお婆ちゃんみたいに言わないでよ!

ほら、くだらないこと言ってないで早く行きなさい」


「うん!またね。お姉ちゃん!」



私はエイミーと別れて、

ノアちゃん達の所に向かった。




「「アルカ!」」


私が辿り着くと、二人が駆け寄ってきた。

そして、さっきのセレネと同じように、

私の前で急停止する。



「帰りましょう。

リヴィはどこか知ってる?」


「あれです・・・」


ノアちゃんが指した先には、

休憩中らしき女性達に囲まれて撫で回されているリヴィがいた。

本人も満更でも無さそうだ。

やっぱり、あなた男の子なの?



私の不安はなんだったのだろう・・・

普通に受け入れられてるじゃない。


皆その子魔物よ?

ちょっと警戒心が薄くて無邪気でのん気だけど。

確かに可愛いけどドラゴンの子供なのよ?

そんな簡単に受け入れられるものなの?

ブレス吐けるのよ?



まあ、受け入れて貰えた事自体は良しとしよう。

場合によっては私達もここに拠点を移す事が出来るようになったのだから。



「そういえば結局、リヴィは何で呼ばれたのかしら。

ノアちゃん達はなにか知ってる?」


「どうやら魔物と親睦を深めている事も

ギルドに認識させるつもりのようです。

要はアルカの脅威度のかさ増しですね」


「・・・流石に不味くない?

万が一リヴィに目を付けられたら危険よ。

リヴィはまだ自分の身を守れないのだし」


「そうですね。

けど、なにかあっても、

アルカなら何とかしてくれるので大丈夫です」


根拠が・・・

いや、信頼されるのは嬉しいけど!

流石にリヴィは抱き寄せる魔法じゃ無理じゃないかしら。


多分あれはノアちゃんとセレネ専用よ?

それくらい特別な気持ちが無いとダメな感じがする。



私の感情って本当に家族愛だけなのかしら。

あんなインチキ魔法が使える程の強い想いって・・・


いや、考えるまい。

私まで歯止めが効かなくなればあっという間だ。



本当に後4年も耐えられるの・・・

さっき、エイミーにもああ言ったばかりなのに。



「リヴィ帰るよ」


セレネはリヴィを回収に向かったようだ。

最近ノアちゃんより一緒にいる気がする。

リヴィとセレネも相当相性が良いのだろう。



む・・・


ダメよ。流石にリヴィに嫉妬するのはおかしいわ。

リヴィも家族なのだから。


私の内心を知ってか知らずか、

ノアちゃんが手を握ってきた。

今度は普通の握り方だ。


セレネは恋人繋とかどうやって知識を得ているのだろう。

性的な衝動もちゃんと理解しているようだし・・・

この世界に薄い本とか流石に無いよね?

流石にこの世界の教育の事まではわからないけど。


もしかして本能でやってる?

それとも聖女の記憶にあったの?

でも戦っている最中の事しか継いでないようだし。


なにか恋愛小説でもあるのかな。

本だってそれなりに高価だから、

流石にそんな娯楽向きのは出回ってないと思うのだけど。



「アルカ行きますよ。

何時まで考え事しているんですか?」


「そうね。行きましょう。

私もお腹ペコペコだわ」


私は戻ってきたセレネとリヴィも連れて、

私達の拠点に転移した。


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