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12-6.暇

結局、グリアの案を前提として今後の計画を決めていく事になった。



当然、グリアはそれ以外のプランも用意していた。

私に建国の必要性を説いたのはそっちが本命だったらしい。


一旦は二年以内に冒険者ギルドの専有地とする計画を進めていく。

状況によっては第二、第三案の方針に切り替えていくことになるだろう。


私は数ヶ月もしたらここを離れられるんじゃないかと思っていたが、

どうやら甘かったようだ。

ギルドの事を過大評価していたのかもしれない。


まあ、ギルドの対応自体は

慈善事業では無いので当然なのだけど。




この土地は私が一生面倒を見るのでないなら、

いずれはどこかに預けるのも致し方ないだろう。


というのも、

この国は必ず外と繋がる必要があるからだ。

例え自給自足が出来るようになったとしても、

それは変わらない。


それだけこの国が単独で生きていくのは難しい。

あまりにも詰みポイントが多すぎる。



その上で、どこかの国に預けるよりは、

私の影響が及ぶギルドが一番与し易いだろうとの事だった。

ギルドへの受け渡しは出来る限り恩を売るような形で進めていくようだ。


その辺りの細かい計画は、彼女たちに任せるとしよう。



という事で、

最低限国として成立する程度の体制作りを急ピッチで進めている。

それについては、基本的に私が何かをする必要はない。

第一段階では単にギルドへの影響力として名前を利用するだけだ。


本部への通達もテッサのギルド長さんがやってくれるらしい。

というか私が前に出てギルドと決裂するのが最悪のパターンなので、

絶対に何もするなとまで言われてしまった・・・




第一案でいく限り、

私がこの国を導くことなどないそうだ。

なんなら、へパス爺さんの方が向いているかもしれない。

この国の人達はドワーフを神聖視しているのだ。




結局私の役目はこれまでと変わらず、

人集めと雑用しかないようだ。


まあ、多少喋れるようになったからって、

コミュニケーション能力が高いわけではないし、

作業をしようにも事務経験があるわけでもない。


運搬系も私に頼っていては国が成長しないそうだ。


畑作りも計画立案が先に必要だから、

今日の所は何もしなくて良い。むしろするな。と言われてしまった。

第二段階の要だからだそうだ。




なんだったら暫くテントでぐーたらしていても良いらしい。

当面は毎日一回、転移で様子を見に来るだけでも十分と言われた。


むしろ、この地から出て何か事件解決でもすれば、

いろいろ予定が狂うから絶対に離れるなとまで言われてしまった。





そこまで言われるとちょっと面白く無い・・・

何か除け者にされているみたいだ。


ノアちゃんとセレネもどこかに連れて行かれた。


セレネは教会での事を聞かれているのだろう。


ノアちゃんはなんだろう・・・

能力面は私と大差なくない?





・・・寂しい。

いっそ、テントに戻って、

リヴィと遊んでいようかしら。

今日は全員で来てしまったから、

今は収納空間に入ってもらっている。

一日中入れておくと時間間隔がおかしくなって可哀想だし・・・





「リヴィア君を出してくれたまえ」


唐突に現れたグリアは、

私からリヴィをぶんどって、

再びどこかに行ってしまった。


あれ?

もしかしてリヴィにすら役割があるの?

なんで?



私は?



泣きそう・・・






私は結局居場所を見つけられずテントに転移した。




その後は禄に何もせずに夕方になり、

ノアちゃん達を迎えに行くことにした。



ノアちゃんは炊き出しの手伝いをしていて、

まだ帰れないようだ。


まあ、なんだかんだ数十人いるものね。

時間かかりそうだわ。



セレネは終わったようだ。

私を見つけるなり飛びつこうとして直前で停止する。

昼間言われた事を思い出したのだろう。


私はセレネの手をとって歩き出す。



「ノアちゃんはまだ忙しいみたいだから、

リヴィを迎えに行きましょうか」


「うん!」


セレネは指を絡めるように手を握り直して歩き出した。


う~ん・・・

アウト?

今は私も寂しいからセーフにしとく?


けど、ギルド長達に見られたらやっぱりかって顔されそう。


あ!

エミリーの事すっかり忘れてた!

やば!



「アルカ。これから時間良いかしら」


私が気付いた時には、既に手遅れだった。



「えっエミリー?

いっ今からリヴィを迎えに行くんだけど、

歩きながらでも良い?」


「何でどもっているの?

何かやましい事でもあるようね。

ちょっと二人だけでゆっくり話したいの。

セレネちゃんには悪いけど良いかしら?」


「いや~でも、ちょっと忙しいかな~?」


「アルカが暇そうにしていたのは知っているのよ。

それにノアちゃんもまだ帰れないでしょう?

大丈夫ノアちゃんに合わせて帰してあげるから」


「セレネ・・・」


「えっと・・・」


「セレネちゃん。悪いけど、ノアちゃんの手伝いをしに行ってくれる?

その方がきっと早く帰れるわ」


「・・・ごめんね?アルカ」


セレネは私の手を話して、ノアちゃんの元に向かった。


ずっと一緒にいてくれるって言ったのに!

そんなあっさり!



「さて、行くわよアルカ」

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