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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
12.白猫少女と悩み事

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12-5.会議④:計画

私は決意する。


「わかったわ。その提案を受け入れる。

国を興して国王を名乗る。

それで?その後はどうするの?

グリアはあれだけ反対していたのだもの。

もちろん策があるのよね?」



私がそう聞くと、

グリアは少しニヤリとしながら続けた。



「もちろんだとも。

長くとも数年以内には決着をつけてみせよう」



「具体的に説明してくれる?」



「まず第一段階だ」


「現状、我々にとっての生命線はギルドだ。

我々の手札の中で唯一国に対抗し得る力を持っている。

だが彼らは日和見を決め込んでいる」


「このままでは手を引くのも時間の問題だろう。

だからその前に彼らのケツを蹴っ飛ばしてやるのさ」


「アルカ君。

君は君の思っている以上に影響力を持っている。

その事をこの世界でギルドだけが正確に理解しているのだよ。

当の本人すらも除いてね」


「彼らが逃げ腰なのは、

そもそもとして目的がないからだ。

この地を本拠としていた組織の情報さえ手に入ってしまえば、

この地に干渉する口実を失う」


「だからまずは口実を作ってしまおう。

ギルドの調査中に構成員である冒険者がその地を勝手に支配したなど、

ギルドとしては面目丸つぶれだ。

しかもそれが君だ。

君が転移で自由に出入りできるのを知っている。

ギルドは誰よりも君の功績を知っている。

世界中に味方がいることを知っているのだよ」


「ギルドはこの地を最大級の脅威として認識するだろう。

これで口実は出来上がる。

ギルドが見逃してしまった脅威の払拭という口実をね」



「そんなの他の国が納得するかしら?

所詮は一冒険者よ。

勝手に名乗った所で国として認めないんじゃない?」



「そこからが第二段階だ」


「そもそも国とは?建国とは何だと思うかね?

勝手に国を名乗った所で誰も認めはしない。

たとえいくつかの国が認めても、世界は認めないだろう」


「最低限、国としての説得力が無ければいけない。

世界中が認めざるを得ない程にね」


「君の言うように、

ただ名乗るだけでは他の国は納得しない。

だが、我々には力が無い。

武力だけで無く、発言力も経済力もね。

まあ、君が二、三国を滅ぼして力を示すという手も無くはないがね」


「冗談はともかく、

ならばどうやって国として認めさせるか。

実はこれもギルドに頑張ってもらうしかないのだよ」



「そんな事ギルドは認めなければいいだけじゃない。

私を切り捨ててしまえば済む話だわ」



「いや、そうはならないんだ。

ギルドだけは正確にこの地の脅威を認識している。

いずれは他の国を凌ぐ存在になると理解している。

それ程に君の力は強大だ。

個人の技量だけではなく、影響力がね。

君がこの地を独占するとどうなるか。

君とギルドが袂を分かてばどうなるか」


「そしてギルドの主な役目は二つだ。

一つはダンジョンの管理。

一つは未開拓地の開拓。

君はこの二つ共を人質に取ることが出来る」


「ダンジョンコアを奪取した敵の居場所は未だ判明していない。

また取り逃せばこの先も被害が出続けるだろう。

本来ならこの件はギルドにとって最も重大な案件だ。

今現在勇み足になっているのが信じられん。

ダンジョン外に被害が及ぶ上に、

ダンジョンが消滅するなどギルドにとっても悪夢なはずだ。

こんな事が続けばギルドは早晩失墜するだろう」


「そして君は今のところ唯一敵を追い詰めた存在だ。

敵の攻撃からの被害を最小限に抑えた実績もある」


「君の事をギルドはそうそう切り捨てられない。

君はこの件では唯一の生命線だ」


「次に未開拓地だ。

君には実際に開拓してもらう。

この地の食料事情を改善するには必要な事だ。

その実績を示してしまおう。

実態を教える必要はないし継続する必要もない。

ただ、ギルドの者に短期間で更地になる様を見せてやれば良い。

後は向こうが勝手にこの地を脅威に感じてくれるだろう。

なにせ今まで存在しなかった商売敵の誕生だ」


「つまり第二段階とは、

ギルド本部調査団の受け入れだ。

君はパフォーマンスをすればいい。

この地が君の力でどれだけ変わっていくのかを直ぐ側で見せてやるのさ。

他の事は我々がなんとかする。

ギルドを仰天させてくれれば後は我々の番だ。

何としても国として認めさせてみせよう」


「そうして、ギルドが認定すれば各国も認めざるを得ない。

ギルドが世界規模の組織である事には変わりないのだから」



「そうすると今度は中立であるギルドは介入出来なくなるわよね?」



「そこで第三段階だ」


「君はギルドに交渉を持ちかける。

交渉内容はこの地の受け渡しだ」


「可能な限り有利な条件でこの地をギルドに受け渡す。

この地の住民が変わらずに生きていけるように。

この地がギルドにとっても有益なのは変わらない」


「我々はこの地の価値を高めていくとしよう。

ギルドが交渉に応じたくなるように」


「へパス氏と君がいれば転移装置の移設も可能だ。

ギルド本部とでも繋いでやろう。

そうして後は勝手に守ってもらおうではないか。

そうすれば君は晴れてお役御免だ。

円満に退位するとしようではないか」



「正直夢物語にしか聞こえないのだけど」



「まあ大変な困難が待ち受けているのは間違いないとも。

正直私自身、確実に上手く行くとは思っていない。

だが、実際問題他に手段も無いだろう。

君が本気で国王をやるつもりならともかくね」



あんな風に追い詰めるような説得をしておいて、

結局まともに国王をやらせるつもりなんて無いんじゃない。

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